職人たちの徒然草

新潟県・燕市在住の職人ヤスさんと、東京都・杉並区在住の職人ナガさんの交換?日記です。

鑢の声

2012年02月27日 | ヤスさん日記
日付が変わる前の汽水域あたり
鑢とのお話し合い。
この素晴らしい道具は
誰が開発してのでしょうね。
金偏に慮る
って。
金属を慮ってくれる道具なんて
なんて素晴らしい発明ではないですか。
そんな汽水域のひととき
ながさん
いかがお過ごしでしたか。

道具が話すわけない
って
当たり前ですが
確かに話すんです。
聞いた時あるような声で。

ずっとずっと昔から
心の奥の方から響いてくる
その声で
話しかけて来るんですよね。

それは
鑢に限らず
鏨も
当て金も
色水も。

対面している時
その声達は
問いかけをして来るわけです。
一対一の
タイマンですよ。

ナンノタメニ?
ダレノタメニ?
ドウシテ?

いや
これで
波立ってっしまっては
作品に反映してしまうわけで。
いやいや
反映されることが
良くないとは言い難いのですが
やはり
平らに手が動かないようでは
職人として
一段落ちるしょう。

だから
いつも答えを
一緒に探すようにしているのです。
その
何処にいるかもわからない
声の主と。

一人時間が多い職人ですから
向き合う時間は
たっぷりとあります。
どんな答えが見つかるか
その道程を楽しんでみますよ。

さて
汽水域も潮が変わりつつあります。
もう一息
潜ってみますか。
コメント
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