職人たちの徒然草

新潟県・燕市在住の職人ヤスさんと、東京都・杉並区在住の職人ナガさんの交換?日記です。

大きな勘違い

2008年11月06日 | ヤスさん日記
大きな勘違いをしているコトは
多々あるもので
cafeのドアを開いて一歩踏み出す瞬間
そんなときにも。

今の伝統産業で
一貫生産ではないところは
衰退している
と言う話が
まことしやかに流れていて
鎚起銅器は
その点、鎚起銅器業界は
始めから終わりまで
一人の職人ができていいね。
などと
いわれることもありますし
私もそうなのかな
と思っていましたが。

実は
それは大きな勘違いで
確かに一人の職人が
最初から最後までの作業を
一貫してできれば
それは素晴らしい。
しかし、
ひとつの作業を追求する人達が
最終形をしっかりと想い
それにむかって
それぞれが
それぞれの技術を注入する
ということができれば
それはもっと素晴らしいモノ
ができるのかもしれません。

手が手であるように
足が足であるように
頭が頭であるように
意思伝達の
術があれば
ひとつの技術の追求に対する
時間の掛け方も
違ってくるもので。

大きな勘違い
しかし
それが善し悪しではなく
何を目指すかなのでしょう。
正倉院に眠るモノ達が
ナニを想いつくられたのか
今の作家や職人達が
ナニを想いつくっているのか
その違いが大きいのではないかな
と思う職人なのでした。

「警官も泥棒も同じ方向に走っている
 でもその大きな違いはなにか?」

想いも信頼関係も
人間の中で醸成される
もの
職人としても
地域の中でも
地球の上でも
大切なことには
共通点があるようです。

私が新潟の地で
根ざしていることが
きっと
大きな木のように
なるように
と思う今日この頃です。
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