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台湾のお葬式事情 2 @苦手な方はご遠慮ください

2014-08-14 18:38:00 | 台湾歳時記
お盆休み真っ只中ですがどうにも天気が良くなく雨が降ったり止んだりしています。予報だと今週一杯不安定な天候が続くとのことで、今年のお盆休みは天気に恵まれないようです。

お盆期間ということで久しぶりに台湾のお葬式事情の2回目です。台湾ではお葬式、いわゆる告別式の日まで陰陽五行の見立てにより2週間から3ケ月ほどかかるわけですが、この間遺族は告別式に向けて種々の準備を行なわなければなりません。まづは告別式の案内状ですが亡くなった方の氏名、生年月日、死亡日時、告別式の場所日時などを記載します。日本だと通常最後に喪主一人を記しますが台湾の場合直径家族全員の名前が記載されます。例えば息子は孝男〇〇〇娘は孝女○○○、更にそれぞれの配偶者、子供も名を連ねますから大家族の老人が亡くなった場合の案内状には20~30名の名前が連なります。また印刷は通常A4ほどの大きさの白ベースの紙に黒字ですが長寿を貴ぶ考えから概ね80才以上の場合ピンクベースに赤い文字で印刷されます。
一方、長寿の対極に位置するのが親より早く死ぬ子供で、「白髪人送黒髪人」と非常に親不孝なことだとされ通常案内状の差出人に親は名を連ねず、告別式にも参加しません。

告別式は葬儀社が段取りしお棺も火葬の場合は葬儀社に依頼すればいいのですが、土葬の場合は家族で棺桶を買いに行きます。(もちろん葬儀社でも取り扱っています)行天宮東側の第一殯儀館付近や龍山寺付近には棺桶メーカー??が集中しており豊富な在庫の中から材質やデザイン・価格を吟味して選ぶことができます。巨木をくり貫いて作った棺桶は大そう立派ですが、値段も立派で日本円で30万円から100万円ほどします。

もう一つ準備するのが告別式会場(霊堂)の壁面を飾る輓聯で、亡くなった方の業績を称えたり悼んだりする慣用句が墨で書かれた横長の白布で政治家など著名人に依頼しておきます。輓聯も数が多すぎてスペースが足りなくなると折りたたんで政治家の名前だけが見えるよう掲示することもあります。余談ですがこの輓聯はお葬式が終わると金紙などと一緒に燃やされます。新北市では環境保護の観点からプロジェクターを使って輓聯を投影する方式を推奨しており、伝統的な葬儀の形も変わってきています。

これら事務的なこと以外に一族や知人として行う準備に蓮花作りがあります。錢紙を折って蓮花やお金を作り、お棺や墓穴に入れます。ただ非常に根気のいる作業で時間もかかるので、最近は出来合いのものを買ってきて済ます遺族も多いようです。
          錢紙を裏表に2枚重ねで折っていきます

             古銭は3分位でできます

           蓮花は一人だと1時間以上かかります

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