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【ユーロ、一帯一路でさらに集めるほどの価値があるか疑問?】「一帯一路」で何もない?「西」に向かう中国④

2020-02-09 00:04:43 | アジア

前回からの続き)

 世界第二の経済大国となった中国ですが、前述のように、その根幹となる通貨・金融制度は相変わらず「新興国型」、つまり通貨の価値や金融システムの信頼性の維持等を自国資産ではなく外国の通貨や債券の価値に頼る構造になっています。であれば、それら全体に占めるドル米国債の割合を下げ、一帯一路構想の進展でさらに多く手にできそうなユーロEU国債の割合を高めたところで、上記の対外依存体質は何ら変わることがない、ということになります。これでは中国は、いつまでたっても通貨・金融政策の自主権を得られず、ヨソの国の政治・経済・金融等の情勢変化に否応なく振り回されていくことでしょう。たとえばアメリカは「明日から新ドル?に切り替えまーす」と宣言したりできる?わけですが、そうなったら旧ドルに裏打ちされている人民元はどうなっちゃうんでしょうかね?―――みたいなことです・・・

・・・って、まあそんな万一の(って、けっして低い確率ではない?)場合のリスクヘッジとして中国が外貨準備としてのユーロを増やそう、というのは分からなくもありません。けれど、そのユーロですが、一帯一路!って力を込めてまでかき集めるほどの価値があるのか、はなはだ疑問なわけです・・・

 そのあたり、まずはユーロがドルと違って基軸通貨すなわち本ブログの定義である「石油交換券」ではない、という点が指摘できるでしょう。何だかんだいっても、原油取引はまだまだドル決済が主流です(っても最近はユーロ決済も増えてきてはいるが・・・)。そして中国は世界最大の石油輸入国(輸入額は2500億ドルあまりと日本の約3倍;2018年)であるとともに、自国の石油需要の7割を外国産に依存しています。したがって中国が石油交換券としてドルを相当量、持つことには、エネルギー安保の観点から、それなりの合理性が感じられますが、ユーロはどうかな、という気がします。まあロシアとかイランみたいな反米国家(でも、じつは親ドル国家?)はユーロでも石油を売ってくれるかもしれませんが、他方でサウジアラビアなどのペルシャ湾岸諸国は、対米関係に配慮する関係から、石油販売でドル以外の通貨を大量に受け入れることはしないように思えます(が、今後は?)。

 そしてユーロは当然、メイド・イン・EUとの交換券であるわけですが、中国・EU間の貿易が中国側の大幅な出超になっていることなどからも分かるように、ユーロを蓄えたところで、中国にはイザというときにEUからユーロで調達しなければならないモノやサービスがそれほどあるわけではなさそうです(?)。まあ火急の用に供さないまでも、EU名産品(?)としてドイツ車やブランドバッグなどは考えられるでしょう。けれど、これらは別にEUでなくてもヨソから買えばいいはずです。これらのうち車を例にとれば、その総合的なクオリティーは、こちらの記事等に書いたように日本ブランドがトップを含む上位を占めていて、(ドイツ車を含めて)EU車は概して日本車よりランクは下です(って、だからこそEUは日本製輸入車に10%の関税をかけている[今後撤廃の予定])。そしてその日本車はドルでも円でも買うことができるわけです。

(続く)

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