CGも大いに使い、昭和30年代のうらぶれ感たっぷりの作品。昨夜TVで鑑賞。公開当時、映画館に行ってまで観たいとは思わなかったが、もしこれを劇場の大型スクリーンで観ていたらとっても怖かったかも。なんたって中谷美紀が怖い。とっても綺麗なのだが殺人を犯した後に夜の海で彼女の顔がドアップになるシーンここが大迫力。真っ暗い中に白い顔が浮いて印象に残った。っていうか残り過ぎ。本当は全く違うキャラだろうなぁと思える、控えめな新妻役の広末涼子なんて相手にならん。そんな力が彼女にはあった。凄い! 電車のつなぎ目の大写しや海ベの木柱を下から撮ったところ、殺人現場の古い空き家など犬童一心監督の思惑があちこちに見られて楽しめた。それにしてもこのところは殺人シーンも大した事のないものが多かったが、この映画は違った。リアルに感じられ久々に恐怖を味わった。観る事が出来なかった原作者の松本清張先生にもご納得いただける内容だったのでは?