スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

桜花賞&経験論的証明

2023-04-10 19:01:16 | 中央競馬
 昨日の第83回桜花賞
 逃げたのはモズメイメイ。2番手にコナコーストで3番手にトーセンローリエ。4番手はブトンドールとシングザットソング。6番手にペリファーニア。7番手にライトクオンタムとハーパー。9番手にドゥアイズとコンクシェルでここまでは一団。2馬身差でシンリョクカとムーンプローブ。13番手にエミュー。14番手にラヴェル。2馬身差でリバティアイランドとドゥーラ。2馬身差の最後尾をキタウイングとジューンオレンジが併走という隊列。前半の800mは45秒9のミドルペース。
 直線の入口ではモズメイメイとコナコーストが後ろを2馬身ほど離しました。この競り合いから抜け出したのはコナコースト。6番手から前をいく各馬の外を回ったペリファーニアが追ってきて2頭の競り合いに。しかし後方から大外を回って追い込んできたリバティアイランドがこの2頭を差し切って優勝。一旦はペリファーニアが前に出たのですが,内から差し返したコナコーストが4分の3馬身差で2着。ペリファーニアがクビ差で3着。
 優勝したリバティアイランドはここが阪神ジュベナイルフィリーズ以来のレースで大レース2勝目。前走の内容から力量は断然であることがはっきりしていましたから,優勝自体は順当なもので,位置取りからすれば着差以上の能力差があるのも間違いないでしょう。ただ,騎手が控えたというわけではなく,ペースもそれほど早かったわけではないのに,かなり後方の位置になってしまったのは,今後に向けてはやや不安な材料が出てきたような気がします。一過性のものであるなら問題ありませんが,こうしたことが続くようだと,能力は上でも取りこぼすというケースが生じることも懸念されます。父はドゥラメンテ
                                         
 騎乗した川田将雅騎手ドバイワールドカップ以来の大レース37勝目。国内では阪神ジュベナイルフィリーズ以来。第74回,82回に続き連覇となる桜花賞3勝目。管理している中内田充正調教師は阪神ジュベナイルフィリーズ以来の大レース6勝目。桜花賞は初勝利。

 第二部定理三八系は,現実的に存在する人間の精神mens humanaのうちには共通概念notiones communesがあるということをいっています。ただしこれは第二部定理三八を受けたものです。この定理Propositioでいわれているのはすべての物体corpusに共通するものの共通概念です。なのでこの共通概念を有しているだけでは,共通概念の一般性のレベルに差があるということは人間の精神は知りようがありません。すべて同じレベルの共通概念があるだけだからです。ですからこのことについての論証Demonstratioに訴求するなら第二部定理三九になり,第二部定理三九の様式で形成される共通概念が現実的に存在する人間の精神のうちにあるということ,もっと正確にいえば,この様式で形成される共通概念がいくつか現実的に存在する人間の精神のうちにあるということでなければなりません。このことは『エチカ』の定理や系Corollariumに含まれているわけではありませんが,これも第二部自然学②要請三および第二部定理一四から明らかだといえるでしょう。つまり現実的に存在するすべての人間が,共通概念には一般性のレベルに差があるということを知っていると僕は考えます。
 スピノザの哲学では,事物は具体的に概念されるほどより明瞭判然と概念されるということになっています。したがって再び恐竜とティラノサウルスの関係に戻せば,恐竜に共通の本性essentiaの共通概念よりもティラノサウルスに共通の本性の共通概念の方が,より明瞭判然とした共通概念であると僕は考えます。では,あのティラノサウルスかこのティラノサウルスといわれるような,個々のティラノサウルスの観念ideaについて何らかの知性intellectusが十全に認識できるのかといえば,僕はそれは不可能ではないといいます。第五部定理二二は,現実的に存在する人間の身体humanum corpusの本性を永遠の相species aeternitatisの下に表現するexprimere観念が神Deusの中にあるという意味のことをいっていますが,その証明Demonstratioの手法からすると,これはティラノサウルスの場合にも成立しなければなりません。神の中にあるということは永遠にあるという意味でなければなりませんから,たとえどれほど困難であるにしても,それを十全に認識することができる知性があると僕は考えるからです。

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