スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

桜花賞&スピノザの意図

2022-04-10 19:43:29 | 中央競馬
 第82回桜花賞
 ライラックは控えるような発馬で1馬身の不利。逃げたのはカフジテトラゴンで2番手にウォーターナビレラ。3番手はナムラクレアとアルーリングウェイとクロスマジェスティとラブリイユアアイズ。7番手にピンハイとパーソナルハイとサブライムアンセムとスターズオンアースとラズベリームース。13番手にアネゴハダ。14番手にベルクレスタとサークルオブライフとナミュール。前の2頭を除いた14頭は一団。2馬身差でライラックとフォラブリューテ。2馬身差の最後尾にプレサージュリフト。前半の800mは46秒8のスローペース。
 直線に入ると逃げたカフジテトラゴンが一旦は後ろを引き離しにかかりましたが,ウォーターナビレラがまた追い詰め,先頭に。この2頭の間から伸びてきたのがナムラクレア。さらにウォーターナビレラの外から馬群を割ってスターズオンアースが追い込んできました。粘ろうとするウォーターナビレラに外のスターズオンアースが並び掛けてフィニッシュ。写真判定となりましたが優勝は外のスターズオンアース。ウォーターナビレラがハナ差で2着。ナムラクレアが半馬身差で3着。大外から追い込む形となったサークルオブライフはクビ差で4着。
 優勝したスターズオンアースは重賞初制覇となる大レース優勝。とはいえここ2戦は重賞で連続2着でしたから,能力そのものが極端に劣っているというわけではありませんでした。ただこのレースはペースが結果に与えた影響が大きかったように思います。中ほどの枠だったので馬群を割る形となり,ぎりぎりで届きましたが,もし外の方の枠で外を回らなければならなかったとしたら,この優勝はなかったのではないでしょうか。負けた馬も含めて,はっきりとした能力差があるというようには考えない方がいいでしょう。父はドゥラメンテ。母のひとつ下の半妹がJRA賞で2016年に最優秀2歳牝馬,2017年に最優秀3歳牝馬に選出されたソウルスターリングで3つ下の半妹が2018年にアルテミスステークスを勝ったシェーングランツ
                                          
 騎乗した川田将雅騎手は川崎記念以来の大レース33勝目。第74回以来8年ぶりの桜花賞2勝目。管理している高柳瑞樹調教師は開業から11年3ヶ月で大レース初制覇。

 僕の見解opinioでは,良心の呵責conscientiae morsusに似通った感情affectusは,第三部諸感情の定義二〇の憤慨indignatioで,この憤慨が外部でなく内部すなわち自分自身に向かったとき,良心の呵責になる,少なくとも僕たちが良心の呵責といっているのと近似した感情になります。それに対して,第三部諸感情の定義一七で示されている感情は,僕たちがいう良心の呵責と程遠い感情であり,畠中がそういっているように,落胆conscientiae morsusとか失望といわれるべき感情であると思います。
 ではなぜこの感情のことが『エチカ』では良心の呵責といわれているのかということが,当然の疑問として生じてきます。ただし僕はその点については深く考察しません。というのも,この感情を良心の呵責といったことに,何か深い意味があったのかどうかということが定かではないからです。スピノザの時代に,こうした感情のことが一般に良心の呵責といわれていたという可能性は低い,というかほとんどないと思います。とはいえだからといってスピノザが何か意味を込めてこの感情のことを良心の呵責といったと断定することができるというものでもありません。たとえばこのように定義される感情については,それを示す適切な語がなかったために,あるいはそういう語があったとしてもスピノザはそれを知らなかったために,便宜的に良心の呵責といったということはあり得ますし,逆にスピノザは何らかの感情についてそれを良心の呵責といいたかった,いい換えれば良心の呵責を感情として定義しておきたかったので,とりあえずこの感情のことを良心の呵責といったのだということもあり得るでしょう。こうした場合にはこの感情が良心の呵責といわれなければなかったことに特別の理由があったわけではないということになりますから,それについて考察するということ自体が無意味であることになるでしょう。
 一方,確かにスピノザはある意図をもって,失望とか落胆といわれるべき感情について,それを良心の呵責といったのだという可能性があるということも事実なのであって,そのこと自体は僕も否定しません。ただその場合にはニーチェFriedrich Wilhelm Nietzscheが強調していることがその意図の一部を構成しているのは間違いないでしょう。
コメント
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