スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

渕正信&『エチカ』の定義

2016-08-22 19:06:32 | NOAH
 全日本プロレスのジュニアヘビー級は,大仁田厚からその時代が始まったといえます。それまではヘビー級が中心で,ジュニアヘビー級は存在しないも同然であったのです。僕は大仁田よりマイティ・井上をレスラーとしては評価しますが,井上の時代があったとまではいいません。はっきり一時代を築いたのは,その後のタイガー・マスクすなわち三沢光晴です。そしてタイガーがヘビー級に転向した後,長く王者に君臨したのが渕正信でした。
 僕のプロレスキャリアが始まった頃,渕は日本にはいませんでした。渕は大仁田そしてハル・薗田と共に全日本の若手三羽烏として将来を嘱望された時期があったようです。大仁田は王者として帰国。薗田もマジック・ドラゴンというマスクマンとして帰国。それに比べれば渕が最前線に躍り出たのはかなり遅くなったといえるでしょう。ですが遅くなったのはかえって渕には幸いしたのかもしれません。
 タイガーがヘビー級に転向した後も,また井上が王者に返り咲いたりしていました。つまり井上は大仁田とタイガーの間を繋いだだけでなく,タイガーと渕の間も繋いだことになります。ですが渕が王者になってからは,ほぼ絶対的な存在として君臨していたといえるでしょう。
 目立つことができた理由はふたつあります。ひとつはラッシャー・木村マイクによるパフォーマンスのターゲットに渕を選択したことでした。独身であることを強調したものでしたが,それまで明確なキャラクター性に欠けていた渕が,認知されるために大きかったと思います。この流れで悪役商会の一員になりました。渕が初めてピンクのコスチュームを披露した試合も僕はライブで観戦しています。
 もうひとつ,超世代軍がジャンボ・鶴田に牙を剥いたとき,鶴田軍の一員として大きな働きをしました。こちらはプロレスそのものをアピールするのに絶好だったといえます。長くジュニアの王者に君臨できたのは,この部分のアピールが大きかったからだったと思います。

 『エチカ』に含まれる定義のうち,確実に創造されない事物の定義であるのは第一部定義一,第一部定義三,第一部定義六です。これらの定義が創造されない事物の定義の条件を満たしていることは明白なので,これ以上の説明は不要です。
                                     
 第一部定義四は,厳格にいえば第一部定義三に依拠することによって創造されない事物の定義としての要件を満たします。これは第一部定理一〇が第一部定義三から論証されていることから明らかです。ただし第一部定義三と第一部定義四は抽象的な概念を含んでいません。また第一部定義四が概念される起成原因causa efficiensとして第一部定義三が要求されるというのとも違います。なので僕は第一部定義四も創造されない事物の定義に含めます。
 スピノザによる論証はありませんが,第一部定義八は,同様に第一部定義一に依拠して創造されない事物の定義としての要件を満たし得るといえます。しかし第一部定義八と第一部定義一の関係は,第一部定義四と第一部定義三の関係とは異なります。よって僕は第一部定義八は創造されない事物の定義には含めません。この定義は創造されない事物の定義であり得ますが,創造される事物の定義でもあり得るからです。第一部定理二一では直接無限様態が,第一部定理二二では間接無限様態が,それぞれ永遠であるといわれていることに注意してください。
 第一部定義七も,第一部定義一に依拠すれば,自由の部分に関しては創造されない事物の定義を満たせます。かつ第一部定義一と自由の関係は,第一部定義三と第一部定義四の関係に酷似します。実体の本性が属性であるように,自己原因を本性とするものだけが自由であるからです。なので僕は自由に関しては創造されない事物の定義に含めても構わないと考えます。しかしこれには反対の考え方もおそらくあり,それにも一理あるでしょう。なので僕はそれについての論争はしません。僕は創造されない事物の定義に含めるということだけを理解しておいてください。
 これ以外に創造されない事物の定義はありません。ただしだから残る定義のすべてが創造される事物の定義というわけではない点には注意しておいてください。

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