スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

王位戦&第一部定義一

2006-08-23 21:50:41 | 将棋
 王位戦は封じ手の後,いくらかの駆引きを経てから互いに玉形の整備。この後,後手の佐藤棋聖の方からちょっかいを出すような感じでまた戦いとなり,羽生王位は後手の馬を消すことに成功。そこから基本的には先手が攻めて後手が受けるという展開になったのですが,この過程で佐藤棋聖が自陣飛車(☖4二飛)を打ったのがどうも好手であったようで,その後の先手の攻めがどうにも重くなってしまい,後手玉を捕まえるのが大変な形になりました。その間に佐藤棋聖は一気に反撃し,あっという間に先手玉を鮮やかな即詰みに討ち取りました。
 攻められていたとはいえ,悪くなったという感じの局面はなかったので,佐藤棋聖としては快勝といえるのではないでしょうか。昨年とはまったく逆の展開でこれで2勝2敗の五分となり,改めて残り3番勝負での決戦となりました。第五局は30日と31日に指されます。

 明日からは久留米記念です。

 ここで第一部定義一を紹介しておきます。
 「自己原因とは,その本質が存在を含むもの,あるいはその本性が存在するとしか考えられえないもの,と解する(Per causam sui intelligo id, cujus essentia involvit existentiam, sive id, cujus natura non potest concipi, nisi existens.)」。
 一般にスピノザは神Deusから始めるといわれますが,第一部定義一はまさに『エチカ』の冒頭にあたりますから,少なくとも『エチカ』に関しては自己原因causam suiから始まるといった方が正しいように思います。
                
 ところで,その本性essentiaに存在existentiamが含まれるもの,つまり,それが存在するということがそれの本性に含まれているものは永遠aeterunusであるということはすでに説明しました。したがって第一部定義八とこの第一部定義一を合わせれば,第一部公理三の背後に前提されているものが,自己原因であるということが理解できると思います。
コメント
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