スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

農林水産大臣賞典さきたま杯&ホッブズの挑戦

2024-06-19 18:51:42 | 地方競馬
 第28回さきたま杯
 前にいく構えをみせたのはアランバローズ,シャマル,イグナイター,レモンポップ,バスラットレオンの5頭。アランバローズの逃げになり,2番手にレモンポップ。3番手がシャマルとバスラットレオンでイグナイターは2馬身差の5番手まで控えました。3馬身差でアマネラクーンとオメガレインボー。2馬身差でサンライズホーク。3馬身差でサヨノグローリーとタガノビューティー。5馬身差でティーズダンク。最後尾にリコーシーウルフと,中団以降は縦長に。最初の600mは34秒8の超ハイペース。
 3コーナーではレモンポップが前に出てアランバローズは後退。その後ろはシャマルとイグナイターで併走となり,4番手にはバスラットレオン。先頭で直線に入ってきたレモンポップはそのまま危なげなく押し切って快勝。2着争いは激しくなりましたが,フィニッシュ前にシャマルを競り落としたイグナイターが2馬身差で確保。シャマルが半馬身差の3着。外から追い込んだタガノビューティーがクビ差で4着。
 優勝したレモンポップチャンピオンズカップ以来の勝利で大レース4勝目。メンバーの中では実力最上位。1400mのレースが久々だったことを懸念しましたが,元来はスピードタイプということもあり,2番手につけることが叶いました。その時点でこの馬の優勝は決定づけられたといっていいでしょう。コーナー4回の1400m戦でも快勝できたのは収穫だったと思います。
 騎乗した坂井瑠星騎手は高松宮記念以来の大レース9勝目。さきたま杯は初勝利。管理している田中博康調教師はチャンピオンズカップ以来の大レース4勝目。さきたま杯は初勝利。

 國分によれば,そもそも法lexと権利jusの概念notioの区別distinguereは曖昧だったそうで,それを分けなければならないと主張したのはホッブズThomas Hobbesであったそうです。『リヴァイアサンLeviathan』では,法と権利を混同するのが常であるけれど,両者は区別されなければならないと主張されています。
                                        
 なぜ法と権利の概念の区別が曖昧だったのかといえば,社会societasが落ち着いていたからだと國分は想定しています。社会の中において人びとが権利を有し.社会の法がその権利に根拠を与えるのですが,この間に過不足がないのであれば,その社会は落ち着いているというのが國分の規定です。つまり権利が及ぶ範囲が社会が覆う領域の外まで届くと着想されるなら,この間に過不足が生じるのですが,それが着想されないなら,一切の過不足がありません。そしてその状況では,現実的に存在している人間は,各々ができることはしていてできないことはしていないことになります。したがって法の概念を,スピノザが二分したうちの前者,自然Naturaの必然性necessitasという概念だけで理解すれば,いい換えれば人びとが法の概念をこの意味だけで理解している場合は,そこに過不足が生じることはありません。この場合は人びとの権利は,たとえば神Deusの法によって定められていると信じられているわけですから,権利が覆う範囲と法が覆う範囲は完全に一致しているでしょう。なのでこの場合は,法という概念と権利という概念を強いて区別する必要はないのです。
 ホッブズはこの考え方に挑戦しようとしたのです。単純にいえば,国家Imperiumや社会に先立つものとして,人間の権利,個人の権利を考えようとしたのです。だからホッブズはそのふたつの概念を区別しなければならないと主張したのです。それが何を意味しているのかといえば,社会が落ち着いている状態ではなくなったということです。あるいは同じことですが,法という概念と権利という概念の間に過不足が生じたということです。ホッブズはそのことに気付いたから,法と権利を分ける必要があると考えたのであって,ホッブズはそれを,権利の過剰というようにみました。大雑把にいうと近代ではそのようなことが生じるのであり,スピノザもそれを継承しました。

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