天罰の条件＆みはりいぼ痔

　子どもができないということが天罰であるとしても,その天罰の対象は先生に限られるのであって,奥さんは含まれません。だとすると,先生の問題でふたりの間には子どもができないということになります。これは,子どもを作るための行為を先生はなすことができないということを意味すると解せます。したがって,先生と奥さんとの間には性的交渉がなかったのだという解釈に妥当性が生まれることになるのです。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　ただし,これをいうためには確認しておかなければならないことがあります。『こころ』のテクストには,Kが奥さん,当時のお嬢さんを好きだったということは残されていますが,お嬢さんとの間で子どもが欲しかったということを示すものはありません。そしてこのことは,子どもができないことが天罰であるということの妥当性を揺らがせるのでした。したがって,Kがお嬢さんに対して,性的交渉を欲求していたということを示すテクストが残っていないのであれば,それと同じ理屈で,先生は奥さんと性的交渉をすることができないということが天罰として与えられているということも妥当性が揺らいでしまいます。つまり,Kはお嬢さんと性的交渉をもつ欲求をもっていたということを,テクストの上で確定させておかなければなりません。
　ただし,この場合には注意を要する点があります。仮に奥さんと性的交渉をすることができないことが天罰と与えられていると先生が認識しているのであれば,これはほかでもなく先生の認識です。よって,先生の中でそれが天罰となり得る条件は,実際にKがお嬢さんとの性的交渉を欲望していたこと,いい換えれば,先生と奥さんがそれぞれに感じていた互いに対する性的魅力というものを,Kがお嬢さんに感じていたのか否かということではありません。というか,このことはKの胸の内のことですから先生が確定できることではありません。よって先生の遺書の中にそのようなテクストがあろう筈がありません。しかし,もしも先生が,Kは奥さんに対して性的魅力を感じていたと認識していたのであれば,自分が性的交渉に及ぶことができないということが天罰として与えられていると認識し得ることになります。なので,テクストの中にそう解釈できる部分があれば,それが天罰となる条件を満たします。

　薬局に寄って帰りました。インスリン製剤も注射針も在庫が足りていました。帰宅したのは午後4時10分でした。
　2月8日,水曜日。僕はこの日は午後4時55分に帰宅したのですが,そのときに地域担当支援主任のSさんからの留守番電話が録音されていました。妹の痔の症状が出ているので,港南中央医院を受診するという旨の報告でした。
　2月9日,木曜日。妹を通所施設に迎えに行きました。このときに地域担当支援主任のSさんに会えましたので,3日に依頼されていた新しい受給者証を渡しました。また,Sさんの方から,妹の肛門科の受診についての報告を受けました。僕は電話の内容から,前日に受診したのだと思っていたのですが,受診したのはこの日だったとのことでした。医師の所見が示された通院記録というのを受け取っています。
　これによれば,妹の痔の正式名称は,みはりいぼ痔というそうです。痔は肛門の内部にあって,それがときに外まで露出するようです。これは完治は難しいとのことでした。このときの受診は,妹からの訴えがあったためになされたようですが,医師が触診した結果は,とくに問題はないとのことでした。注入軟膏のヘモポリゾン軟膏という薬剤が,14日分処方されていました。ただしこの軟膏は,症状が出たときに使用するということで,グループホームで保管されることになったために,実物がどのようなものであったのかは僕には分かりません。軟膏というからにはチューブに入っていたのかもしれませんし,注入するものですから,座薬のような形状であったかもしれません。帰宅してから妹が症状について何かを訴えるということはありませんでした。手術すれば除去できるようですが,現在まで,そのような処置は講じていません。
　2月10日,金曜日。妹の歯科検診でした。この予定があったので前日に妹を迎えに行ったのであり,これは妹が港南中央医院を受診することになったこととは無関係です。左上の歯周病が進行しているために,歯茎が落ちてきていて,このために下の歯との接触がやや強くなっているようです。これを軽減するために,銀でコーティングしてある部分を削るという作業を講じました。