スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

有馬記念&推測

2019-12-22 18:58:54 | 中央競馬
 グランプリの第64回有馬記念
 レイデオロとキセキは発馬のタイミングが合わず1馬身の不利。前にいく構えをみせたのはスティッフェリオ,クロコスミア,アエロリットの3頭。この中からアエロリットが先頭に立つと,1周目の正面から2周目の向正面ヘと飛ばしていき,7馬身ほどのリードを奪いました。2番手にスティッフェリオ,3番手にクロコスミアとなり,4番手にアルアインとエタリオウ。6番手がスワーヴリチャードで7番手にスカーレットカラーとアーモンドアイ。9番手にヴェロックス。10番手にリスグラシューとフィエールマンで12番手にキセキ。13番手はサートゥルナーリアで14番手にシュヴァルグランとレイデオロ。ワールドプレミアが最後尾という隊列に。超ハイペースでした。
 3コーナーを回ってアエロリットのリードは5馬身。スティッフェリオが追い,3馬身差の3番手にアルアイン。アーモンドアイが4番手に上がりました。直線に入ってスティッフェリオが先頭に。すぐにアーモンドアイが先頭に立ちましたが坂下で一杯。外からサートゥルナーリアが先頭に立つもさらに外からリスグラシューが伸び,そのまま突き抜けて圧勝。サートゥルナーリアが5馬身差で2着。最後尾から追い込んだワールドプレミアがクビ差の3着。
 優勝したリスグラシューコックスプレートを勝っての帰国初戦。これで大レース3連勝,通算4勝目で有終の美を飾りました。有馬記念というレースは内枠が有利なのですが,今日はアエロリットが飛ばしていったことで隊列が長くなったため,さほど枠順は結果に影響しないレースに。むしろこの距離にしてはペースが速くなったことが結果に及ぼす影響が大きかったと思われます。とはいえこのメンバーを相手にこれだけ突き抜けるというのは至難の業で,これで引退とのことですが,さらに強くなっていたということだろうと思います。父は第50回を制したハーツクライで父仔制覇。Lys Gracieuxはフランス語で優雅なユリ。
                                        
 騎乗したオーストラリアのダミアン・レーン騎手はコックスプレート以来の日本馬に騎乗しての大レース6勝目。日本国内では帝王賞以来の4勝目。有馬記念は初勝利。管理している矢作芳人調教師はコックスプレート以来の大レース12勝目。有馬記念は初勝利。

 スピノザが三段論法の中でターゲットにすべきなのは,人間の本性natura humanaの創造者が人間を欺くかどうか知らないうちは,人間は神Deusについて確実であることはできないという点でした。しかし神を真に認識している人間は,神が最も誠実であり,人間を欺くことはないということを確実に認識するcognoscereことができるのです。そしてこのことはその人間が,人間の本性の創造者が人間を欺くか欺かないかを知っているか知っていないかとは関係ありません。いい換えればその人間は,人間の本性の創造者が人間を欺くか欺かないかを知っていなくても,神が最も誠実であるということについては確実なのです。したがって,人間の本性の創造者が人間を欺くか欺かないかを知らないうちは神について確実であることはできないという,スピノザが想定している反駁者は,神の真の観念idea veraを有していないことになります。有しているなら神が人間を欺かないということについては確実なのですから,このような命題を立てる筈がないからです。
 よって,スピノザの解答は,神の真の観念を有していない者に対する解答であることになります。ですから,このことをそれ自体で否定する,つまり人間の本性の創造者が人間を欺くかどうかを知らないとしても,人間は神について確実であることができると解答したとしても,神の真の観念を有していない反駁者は,それを現実味があるものとして受け取ることができません。このことは神の真の観念を有している者だけがリアルに受け取れる事柄だからです。
 そこで,このような反駁者もリアルに受け取れるような解答をすることを目指すとすれば,そうした反駁者の精神mensのうちにもあるような真の観念に訴えるか,そうでなければ神の真の観念を有するよりは簡単に有することができるであろう真の観念に訴えればよいということになります。このためにスピノザは解答では神について確実であることができるというのではなく,三角形について確実であることができるといったのではないかと推測することができます。もちろんこれは僕の推測なのであって,実際にスピノザはそのように考えていたのだということを強硬に主張するものではありません。

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