スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

デイリー盃大井記念&意志との関係

2022-05-26 19:11:06 | 地方競馬
 昨晩の第67回大井記念
 先手を奪ったのはメイショウワザシ。2番手がキタノオクトパスとフィアットルクスで4番手にロードゴラッソとランリョウオー。3馬身差でセイカメテオポリス。7番手にタイムフライヤー。8番手にミューチャリー。2馬身差でシュプレノンとアールスター。2馬身差でノンコノユメ。12番手にマースインディ。13番手にコパノジャッキー。14番手にコマビショウ。最後尾にノーブルサターンという隊列。前半の1000mは63秒1のスローペース。
 3コーナーからメイショウワザシにフィアットルクスが並び掛けていき,さらにコーナーで追い上げてきたランリョウオーの3頭が雁行となって直線。ここからランリョウオーが前に出ると,そのまま抜け出して優勝。大外から鋭く追い込んで差を詰めたノンコノユメが4分の3馬身差で2着。一旦は位置取りを下げたものの一番内から巻き返してきたキタノオクトパスが2馬身半差で3着。勝ち馬を追うように上がってきて,一旦は3番手になったその外のタイムフライヤーがアタマ差で4着。
 優勝したランリョウオーは昨年の雲取賞以来の南関東重賞2勝目。羽田盃で3着に入ってから故障で休養。昨年12月の復帰戦こそ大敗しましたが,今年はオープンを4回走って3勝。ここ2戦は連勝していました。その連勝中の2着馬が,このレースの3着馬ですから,概ね力を出し切っての優勝といえそうです。ミューチャリーは体重が大きく減った影響から力をまったく出せませんでしたので参考外ですが,ほかの馬に対しての現在の能力はこのくらいであるとみておくのがよいでしょう。距離は2000m前後がベストのようです。母の父はシンボリクリスエス。祖母がファビラスラフイン
 騎乗した船橋の本橋孝太騎手は若潮スプリント以来の南関東重賞25勝目。第60回以来7年ぶりの大井記念2勝目。管理している浦和の小久保智調教師は南関東重賞54勝目。大井記念は初勝利。

 なぜスピノザがvirtusに関して第四部定理二〇のようなことをいうのかは理解することができたと思います。ただこの定理Propositioは,解釈上の注意をいくらか要していると僕は考えていますので,その点を先に指摘しておきます。
                                    
 まず,これは根本的なことなのですが,スピノザの哲学では意志voluntasというのは個々の意志作用volitioの総体のことを意味しています。そして個別の意志作用というのは何らかの絶対的な思惟Cogitatioを意味するのではなく,思惟の様態cogitandi modiを意味します。よってそうした意志作用は,だれがそれを意志するのかということとは関係なく,第二部定理四八の様式で知性intellectusのうちに発生します。したがって,ある人間が現実的に存在していたとして,その人間が有徳であるということ,あるいは同じことですが能動的であることを肯定するaffirmareような意志作用を有していると仮定すれば,その意志作用もこの様式によって発生しているのです。ですから僕たちは,この原因causaと結果effectusの連結connexioと秩序ordoとは無関係に,有徳的であることあるいは能動的であることを,自分自身に対して肯定する意志作用というのを有することはできません。つまり僕たちは,僕たちの自由意志voluntas liberaによって有徳的であることないしは能動的であるということを希求することができるというわけではないのです。他面からいえば,僕たちが僕たち自身の有esseに固執するperseverareコナトゥスconatusというのは,僕たちの現実的本性actualis essentia,それは僕たちが能動actioに傾いているか受動passioに傾いているかということとは関係がない現実的本性なのであって,僕たちの自由な意志の産物ではありません。この点はこの定理の解釈と関係します。この定理でいわれていることが僕たちの意志によって可能であるということをスピノザはむしろ否定しているのであって,したがって,自己の利益を追求すること,あるいは自己の有を維持することをなすことを希求するような意志作用をもてというような道徳的な命令が,この定理から発出されるというわけではないのです。
 次に,これはこの定理から直接的に帰結することですが,スピノザは有徳的であるということと無力impotentiaであること,あるいは同じでことですが不徳であるということを,何らかの行動によって区別しません。
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