スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

王座戦&副露

2021-10-12 18:54:38 | 将棋
 5日に神戸で指された第69期王座戦五番勝負第四局。
 木村一基九段の先手で相掛かり。中盤から終盤にかけてずっと難解な将棋でしたが,最後は後手の永瀬拓矢王座が妙手順を繰り出して抜け出しました。
                                        
 第1図から☖8八と☗6九銀☖5五桂☗5八銀と進めます。
 妙手順が出るのはここから。まず飛車取りに☖6五角。☗7三飛成に☖8七角成とするのではなく,☖3八角成と銀を取ります。☗同金の一手に☖8二銀打。
                                        
 すぐに角を切るのではなく,いったん停車して飛車を成らせておいたので,この手が龍と飛車の両取りになっています。先手玉を寄せるためには飛車を入手するのが最も早いとみての妙手順でした。
 3勝1敗で永瀬王座が防衛第67期,68期に続いての三連覇で3期目の王座です。

 アベマズは順位が2位に落ちてしまうリスクはあるものの,得点を獲得することを目指します。少なくともテンパイを果たすことは必須といって過言ではありません。
 フェニックスは順位を落とす可能性が最も低く,アベマズとの1600点差を逆転してゲームを終了させることを主眼において目指します。
 パイレーツは,大量得点をして2位以上に上がれることが見込めるなら,それを目指します。ですがその見込みが立たない場合は,3位でゲームを終了させることを目指します。したがって,失点を回避することに最も重きを置いて打つことになります。そしてその場合,アベマズとサクラナイツには厳しく打たなければなりませんが,フェニックスに対しては甘く打つ,フェニックスが得点を獲得することに協力的に打つことになります。
 サクラナイツは最下位なので,順位をひとつでも上げることが最大の目標です。しかしそれが難しい場合はふたつの選択肢があります。ひとつはこれ以上の失点を防ぐために,4位を受け入れてこのままゲームを終了させることです。この場合は,アベマズに対してはほかのチームに対してよりも厳しく打つことになります。もうひとつは,次のチャンスを待つということです。そのためにはアベマズの親が継続しなければなりません。よってこの場合は,自身が失点しない範囲で,アベマズに対しては協力的に打つことになるのです。
 この点を踏まえて,近藤が自ら解説しているの内容を検証していきます。
 麻雀は親から順番に打っていきます。この局の親はアベマズですから,アベマズ,パイレーツ,フェニックス,サクラナイツの順です。4巡目にアベマズが發という牌を捨てると,近藤が発声してその牌を晒しました。このように牌を晒すことを副露といいます。読み方はフーロです。他者の打った牌を副露するのにはみっつのパターンがありますが,ここではふたつのパターンを説明しておきます。それは,3枚の同じ牌を副露するパターンと,3枚の横並びの数の牌を副露する場合です。前者はポンという名称の副露で,後者はチーという名称の副露です。このふたつの副露はどちらもこの局の中で生じます。
コメント
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