スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

星友&デカルトモデル

2020-01-11 19:26:29 | 血統
 トウカイテイオーは古くから日本で続いてきた母系が出自です。
                                        
 輸入基礎繁殖牝馬は1923年にアメリカで生まれた星友。Alzadaという英名がありますので,星友は繁殖牝馬としての日本名でしょう。Alzadaはスペイン語で発生。
 戦前から日本で繁殖牝馬になっていたわけですが,産駒の1頭は1937年にダービーを勝っています。トウカイテイオーもダービー馬ですので,一族には日本ダービー馬が2頭います。
 活躍馬の多くは僕の競馬キャリア以前の馬たち。1984年にオークスを勝ったトウカイローマンが,僕の競馬キャリアが始まった後の最初の活躍馬。ただし1984年は競馬キャリア以前ですので,僕はこのオークスについては知りません。ただこの馬の競走馬としてのキャリアは,僕の競馬キャリアが始まったときにはまだ継続していて,始まった後の1987年に京都大賞典を勝ちました。これは騎乗していた武豊騎手にとっての重賞初勝利です。
 トウカイテイオーの母はトウカイローマンのひとつ下の半妹です。なのでここは近親で2頭の大レースの勝ち馬が出たことになります。さらにトウカイテイオーの9つ下の半弟のトウカイオーザは2001年にアルゼンチン共和国杯を勝っていますから,この一族は優秀だったことになるでしょう。また1996年に新潟記念を勝ったトウカイタローは母がトウカイローマンの母の4つ下の半妹ですから,もう少し分枝を広げても優秀だったことが窺えます。
 この一族から活躍馬が絶え,星友の一族からはしばらく重賞の勝ち馬が出なくなりました。星友を母系祖先に持つ馬の中で最新の重賞の勝ち馬は2013年にクイーン賞を勝ったアクティビューティ。これがトウカイオーザ以来12年ぶり。その後は7年近く出ていませんから,重賞の勝ち馬は期待できないではないでしょうが,大物の出現となるともう難しいかもしれません。

 秋保自身も『スピノザ 力の存在論と生の哲学』の中に示していますが,このブログでも,デカルトRené Descartesの思考モデルとスピノザの思考モデルの相違を指摘しておくことは徒労ではないでしょう。
 第一に,デカルトのモデルでは,自己原因causa suiが起成原因causa efficiensに含まれません。いい換えれば,外部に原因をもつもの,たとえばスピノザの哲学でいえば個物res singularisの原因性と,神Deusの原因性は一致しません。
 第二に,デカルトのモデルでは,外部の原因性,たとえば個物の原因性が,実在的なものの探求の基礎になります。いい換えれば,神の原因性は実在的なものの探求の基礎とはなりません。
 第三に,デカルトのモデルでは,実在的なものについての探求の基礎が,個物の原因性に求められ,神の原因性はその基礎とはならないがために,結果effectusから原因へというベクトルで議論が規制されます。これは一般的な意味でそうであることを必ずしも意味するわけではないのですが,少なくともそのような規制が必要とされる場合があることになります。よって,デカルトのモデルでは,演繹法という方法は全面的に否定されるというわけではありませんが,帰納法が必ず要求されることになります。
 第四に,デカルトのモデルでは,実在に関する原因性と本性essentiaに関する原因性は,異なった原因性として把握される必要が生じます。これもまた,個物の原因性が実在的なものの探求の基礎になるがゆえの要請です。原因性の基礎が個物の原因性にある場合は,ある個物が存在する原因性と,その個物の本性の原因性が同一であるなら,ある特定の個物が消滅すればその個物の本性も消滅するといわなければなりません。いい換えれば同一の本性を有する他の個物もまたそれと同時に消滅するといわなければなりません。しかしこれは不条理です。よって,個物の存在の原因性と個物の本性の原因性は,異なった原因性として把握されなければならないのです。
 第五に,神が存在する理由は,神の本性に帰せられることはなく,何か別の要素に帰せられる必要があります。たとえばそれは人間にとっては理解しきれない力potentiaといったようなものです。
 スピノザのモデルはこの五点すべてを否定します。
コメント
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