スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

デュカイナ&確認事項

2020-01-06 19:06:33 | 血統
 暮れの中山大障害を勝ったシングンマイケルは3代母のアイルランド産のデュカイナという馬が輸入基礎繁殖牝馬になります。Dukaynaは11世紀後半のビザンチンの王女の名前。ミスチャネルと同じでファミリーナンバー21-a
                                        
 日本での初産駒は種付けをされた状態で輸入され,1990年に産んだ牝馬。この馬は繁殖牝馬となり,チアズグレイスの母になりました。また,チアズグレイスのふたつ下の半弟は2002年に共同通信杯と毎日杯を勝ったチアズシュタルクなので,この馬は2頭の重賞勝ち馬を産んだことになります。チアズグレイスが繁殖入りして最初に産んだのも牝馬。この馬も繁殖牝馬となり,2017年のブリーダーズゴールドカップを勝ったマイティティーの母となりました。
 シングンマイケルの祖母はチアズグレイスの母の4つ下の半妹になります。
 もう少し広げると,デュカイナの祖母の半妹の産駒も繁殖牝馬として輸入されています。こちらの牝系からは1995年に佐賀の開設記念と東京大賞典,1996年に平安ステークスを勝ったアドマイヤボサツが出ています。

 やり直した第二の証明から,今回の考察に必要な事項を確認しておきます。
 ここでは理由ないしは原因causaといわれていますが,それはすべて起成原因causa efficiensを意味しています。したがって,原因が起成原因だけを意味するのであれば,単に原因といわれていて構わないことになります。いい換えれば,スピノザは理由という語を絶対に用いないわけではないですが,ここには理由という語を用いなければならない必然性necessitasはありません。そしてそのように解してこの論証Demonstratioを損なうことはありません。秋保の指摘を知るまで僕がこのことを気にも留めなかった要因はこれです。
 次に,ここでの原因すなわち起成原因は,すべてあるものが存在することの起成原因に限定されます。これはこのことで何を論証しようとしているかから当然ではありますが,起成原因というのは事物の存在existentiaの起成原因だけを意味するわけではなく,たとえば事物が作用をする原因も意味し得ます。しかし今はそのような場合の起成原因については考慮に入れなくて構いません。
 さらに,そうした事物の起成原因は,その事物のうちにある場合と外にある場合があり得ます。事物の起成原因がその事物のうちにあるというのは,その事物の本性essentiaにその事物の存在が含まれているということであり,そうした事物は存在するためにその事物以外の一切を必要としません。しかし事物の起成原因がその事物の外にある場合は,その外にある事物が存在しなければその事物も存在し得ないことになります。
 最後に,事物の存在を排除する原因も,そのうちにあるか外にあるかですが,そのうちにあるというのは本性が矛盾を含む,たとえば四角い円のようなものです。公理系の秩序を保つためには第二部定義二に訴えることはできませんが,スピノザの哲学の全体の中ではこれは第二部定義二の意味から明白なので,こうした排除要因については考慮しなくて構いません。よって事物の外にある事物の排除要因だけが意味をもつことになります。このときその起成原因は,排除されるものからしたら消極的なもので,理由といわれる余地はありますが,排除するものからみれば積極的な起成原因であることになるでしょう。
コメント
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