スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

リコー杯女流王座戦&現象

2012-11-10 20:15:23 | 将棋
 加藤桃子女流王座にとっては地元となる静岡県藤枝市での対局となった第2期女流王座戦三番勝負第三局。
 本田小百合女流三段の先手で3手目に▲2五歩と決めた上での角換り。指し手を生かすという意味では棒銀でしょうが相腰掛銀となりました。先手から開戦し,後手も応戦する展開。
                         
 ▲7四歩を受けて一息入れたところ。ここから▲1五歩△同歩に▲1四歩と垂らし,△5五銀直に▲2六角と打っていったのですが,どうもこの順がぬるかったように思えます。後手は△4五銀と食いちぎり▲同歩に△4六歩のくさび。▲4八金に△6五歩と突き,▲4四銀△6六歩▲5五銀△6七歩成▲同銀と進展。
                         
 銀交換ですが,先手は駒を引いて後手の手番ですので,ここで先手ははっきりとやり損ねたように思えます。どうもこれが決定的な失着であったようで,以下は後手が攻めきって勝ちました。
 3連勝で加藤女流王座の防衛。本田三段の実力からして好勝負になると考えていましたので,内容はともかくストレートの決着は個人的には意外でした。

 次に,ある人間の身体の中に起こることですが,これはあるひとつの現象と考えるのが妥当で,これ自体をひとつの個物とみなすことはできないかもしれません。ただ,第一部公理三により,こうした現象が生じるために何らかの原因が必要であるということは明らかです。そして少なくともその原因の一部がその人間の身体によって構成されているということは,ここまでの考察からこれについて考える前提として外せません。
 まず第一に確認されるべき事柄は,人間の身体が物体であるということ,いい換えれば神の延長の属性の個物であるということです。この点に関してはここでは第二部定理一〇系に訴えておきましょう。よって,人間の身体の中に起こることの原因は,第一部定理二八の仕方で説明されなければならないということになります。
 ところで,第一部定理二八というのは,第二部定理九とは異なり,個物が現実的に存在するといわれる場合の原因と結果の無限連鎖だけを示しているとはいえません。これは各々の定理のスピノザの記述の仕方からそうだと判断しなければならないと思います。いい換えれば第一部定理二八というのは,第二部定理八でいわれている,個物ないし様態の本性が神の属性の中に含まれて存在すると説明されるような場合の個物の原因と結果の無限連鎖に関しても言及していると,とりあえずは判断しておかなければならないのです。
 ただし,現在の考察の対象となっているのは人間の身体の現実的存在です。よって身体の中に何かが起こるというときにも,それは現実的に存在するある人間の身体の中に何かが生じるというように解釈されなければなりません。したがってその身体の中に起こる何事かもまた,現実的に生じているような現象であると解釈されなければならないわけです。このことはそれ自体で明らかであるといっていいでしょう。よってその現象の観念の原因と結果の連結については,第二部定理九の仕方で発生するし,またこの定理のもとに理解しなければならないということになります。つまり現象は個物とはいえないとしても,第二部定理九の仕方で因果関係が説明されるということは間違いないといっていいと思います。
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