スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

農林水産大臣賞典浦和記念&物体の十全な観念

2012-11-21 19:09:07 | 地方競馬
 大レースの谷間に位置する第33回浦和記念
 大方の予想通りにエイシンモアオバーの逃げ。続いたのはディアーウィッシュ,ピイラニハイウェイ,ランフォルセ,トーセンアレス,ダイシンオレンジまでで,残りの馬はここから大きく離されての追走。前半の1000mは62秒9でミドルペースといっていいでしょう。
 3コーナー手前でディアーウィッシュは後退。その後,ダイシンオレンジも遅れ始め,残り4頭の争い。逃げたエイシンモアオバーが粘り込みを図り,外からランフォルセ。さらに外をトーセンアレス。内に控えていてエイシンモアオバーとランフォルセの間を突いたのがピイラニハイウェイで,最後はこの馬の切れ味が優って優勝。エイシンモアオバーが1馬身差の2着に逃げ粘り,アタマ差の3着がランフォルセ。
 優勝したピイラニハイウェイは2月の佐賀記念以来の重賞2勝目。実力という意味では2着馬や3着馬に劣るように思うのですが,インでじっとしていた好騎乗がこの結果を生み出したように思います。逆にいえば乗り方ひとつでは逆転することも可能な実力差であったともいえるでしょう。Piilani Highwayはマウイ島を走る高速道路の名前。
 騎乗した岩田康誠[やすなり]騎手は第29回以来の浦和記念2勝目。管理している吉田直弘調教師は浦和記念初勝利。

 現実的に存在する個物が自身の有に固執する原因なのですから,いかにその原因が神であるといっても,それが神の絶対的本性を原因としているということはできません。いい換えれば,現在の考察でその対象としているのは現実的に存在する物体ですから,それは神の延長の属性を直接的な原因とすることはできません。また同時に,その延長の属性を直接的な原因とする様態,すなわちこれは延長の属性の直接無限様態である運動と静止を具体的には意味しますが,それを原因とすることもできないということになります。なぜならもしもそうであるならば第一部定理二三によってその物体は永遠なるものであるといわれなければなりませんが,そもそもそれが現実的に存在するということは,それが持続のうちに存在するという意味なのですから,それを永遠であるということはできないからです。
 よってそれは,第一部定理二八の仕方で神を原因としているといわれなければならないということになります。そしてここでは,現実的に存在する物体が有に固執する傾向について考えているのですから,その観念というのは第二部定理九の仕方で十全に認識されるということになります。しかるに第二部定理九は,神の無限知性を前提としているのであって,人間の精神のような有限な知性には該当しないというのがここでの考察の大原則です。よって人間の精神は,自身が認識するいかなる現実的に存在する物体に関して,その持続というものを十全に認識することはないということになります。
 このことから理解できるのは,もしも人間の精神が物体に関してそれを十全に認識するということがあるとしたら,その観念の対象となり得るのは,現実的に存在している物体ではないということになります。逆にいうなら個物の存在のうち,個物が神の属性,この場合には物体ですから延長の属性ですが,その延長の属性に含まれているといわれる仕方で存在している場合であるということになります。よって,スピノザが第三種の認識によって人間が個物を十全に認識することが可能であるという場合には,それは個物がこの仕方で存在しているといわれる場合について言及しているとみなさなければならないでしょう。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする