スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

小田原記念&絶対的否定

2007-08-21 21:49:16 | 競輪
 小田原記念決勝(動画)は,やや牽制になりましたが,意を決した佐藤選手がSを取って前受け。5番手に武田選手,8番手に吉川選手で周回。
 残り3周のホームで早くも吉川選手が上昇し,武田選手の横で併走。武田選手を引かせて中団に入り,武田選手の上昇に乗ってかますような作戦だったと思いますが,武田選手は引かずにむしろ跳ね飛ばして残り2周のホームで自ら前に。今度はこれをバックで吉川選手が叩いたところ,打鐘から佐藤選手がさらに叩いて先行。後方になった武田選手もホームから捲り返そうと発進しましたが,前に届かずに一杯。佐藤選手の番手の岩津選手,3番手の大塚選手と迫りましたが交わすには至らず,逃げ切った佐藤選手が優勝。2着に岩津選手,3着に大塚選手と,並びのままのこのラインの上位独占になりました。
 優勝した岩手の佐藤友和選手は,2月に東王座戦を勝っていて,その直前の奈良記念以来の記念競輪2勝目。今日は結果的に吉川選手の動きにアシストされた面もありますが,完全な即席ラインだったにも関わらず,躊躇せずに打鐘から積極的に先行したのが好判断でした。いつGⅠを勝ってもおかしくない選手のひとりと思います。

 事物が有限であるということが,その事物の存在の部分的な否定であるということはこれで明らかだと思うのですが,それでは,ある事物の存在の絶対的否定ということがあるのかどうかということを考えてみると,これは僕はなかなか判断に迷います。ただ,もしもそうしたことがあるというなら,それはあるものの本性がそれ自体である矛盾を含んでいるような場合であると思います。
 もしもこれをある具体的なことばで示すなら,たとえば角のある円といったものが適切だと思います。角の本性のうちには円を,逆に円の本性のうちには角を,それぞれ肯定する要素がまったく含まれませんので,角のある円というのはその本性自体が矛盾を含むということになり,第二部定義二により,事物の存在を真先に定立するものはその事物の本性ですから,これはその存在が絶対的に否定されているといえると思います。実際,角のある円なるものは自然のうちに実在することがないでしょうし,できないでしょう。
 角のある円については僕たちはそれを表象,とくに想像することすらできないのではないかと思います。しかし,僕たちがある仕方で表象できるものであっても,こりん星とか,ペガサスといったものについても,各々の本性という点から考えた限りでは,その本性が矛盾を含むという点では角のある円に同じであって,こうした無の観念が神のうちにあるとはいっても,やはり存在の絶対的否定であると僕は考えています。実際,単に形相的にそれを考えた限りでは,こりん星もペガサスも,自然のうちに実在しないという点では,やはり角のある円と同じと考えられるからです。
コメント
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