このアンプを鳴らして10日程になる。
ツェナーを換えてからだ。
もう交換したトランジスタも慣れてきてるだろう。
今までは良い面ばかり述べてきたが、この辺で不満な点も合わせてみようと思う。
まずは良い点。
スピーカーの駆動力。
スピーカーの能力を発揮させてると思う。
カートリッジのマッチングを間違えた昇圧トランスで鳴らしたような欲求不満的なものは全く感じられない。
これはソニーの共通する点だと思う。
FA7ESでも最初聴いたとき感じた。
しかしF555ESXⅡはそれをも凌ぐ。
昔オンキョーのM‐506を聴いた時の低音に近い。
空振ったようなところが無い。ウーファーが全面で空気を押してる感じがする。
あとは音色か。
低音はブルンブルン、という感じが出てる。
そして中音はトランジスタの中だが多彩だ。
つるんとしたところが無い。
なのでいつまでも聴いてられる。
そして不満点。
これはダメだ、というところまでは行かなくて、もう少しこうであればなぁ、という事。
一番は中音の抜け。
定位が曖昧なんだ。声がどこにいるか分かりづらい。
空気感も出にくい。ステージの広さとかが分かりにくく、天井方向が低い。
これ等に依り、ヴァイオリンソロがあまり良く聴こえない。
主に聴くのは大編成の曲。弦バスがブンブン言うやつを主に聴くようになる。
あとは低音の身が薄いというか、二次元で鳴る。奥行きが無い?
ズンという超低域はそこそこ良い感じだが、ドンという量感が出ず、薄い板のバンという響きに聴こえる。
これを求めるのは酷なことで、今のこの音でも一般には出ない。
音量を上げても凄みは出るが、部屋を揺るがすようなエネルギーは無い。
大音量にしても迫力が少し乏しい。
良いのか悪いのか分からないのがヴァイオリンの響き。
結構きつめで飛んでくる。
普通の石アンプなら聴けたもんじゃないのが、このきつめの響きが心地よい。
ただ、どんなヴァイオリン・奏者の音もこれ一色でまとめてしまう気がする。
もう少し潤ってほしい気もするが、本来ヴァイオリンってこんな音なのかな?なんて思ったりもする。
とか言いながらもう10日も鳴らしている。
悪くない証拠だ。真空管を鳴らそうという気が起きない。
もう一個、良いところを思い出した。
フォノイコだ。
大体のプリメインに付いているフォノイコは、CDより落ちる。
一回りこじんまりしてしまう。それが不満だった。
F555ESXⅡはCDと対等な音が出る。
今シュアのVxMRで聴いているのだが、不満無く行ける。
2SK147、プラスマイナス電源、OPアンプなのだが、使ってるパーツが良いのか?
ただ、ジャズだけは、なんか違う。
いづれにしてもBEST TRANSISTER AMPになった。
トランジスタアンプの認識が変わった。
20201027