今とても良い音で鳴っている。広がりは位相ずれっぽいのを含めると、もっと有った時が有った。音色も腫物を触るような絶妙な時が有った。高音の繊細さ、これも以前の方が有った時が有る。しかしそれらはみなそれらの特徴の為に犠牲にしたものが有った。いま、鳴っている音は、特徴も無い凄くまっとうな音、の様な気がする。思えば私の機器の選定は「見た目」であった。それらをここまで纏め上げるのに凄く遠回りしてるように思う。部屋に招き入れ、試聴をしてから購入、と言うのは数えるほどしかない。オーディオフェア等で聴いた機器は「いいなあ」とは思えど「ほしいなあ」は余り無い。無い訳ではないが・・・。それは今持ってるDS3000に満足してるからである。DS3000は、当時3ウェイが全盛だったとき、それより一つ多いユニットを積んだもので、他より凄いモノと思った。SME3012Rはガッコの先生の家で見た。先生が「美しい」と言っていたのでそうなのか、と思っていた。それは当時雑誌で見たUFOのような特異なDP7000の衝撃から欲しくなり、キャビネット付きで買ったらそれがSME3012R用の穴が開いていたからSME3012Rを購入した。CDプレーヤーは当時マラツンのCD-94LTDを使ってた。これはすっきりした正面デザイン、そして何よりシャンペンゴールドのパネルとマホガニーのサイドウッドにやられた。そんな感じでデザインでそろえたらこんな音になった、と言うシステムである。もちろん好みの音に近づける為、セッティング、チューニングはした。こういう音が欲しいからこうする、と言うものではなく、こうしたら好みに合うか?で試行錯誤した音である。結果今の音になったのだが、これは好みの音ではない。しかし本物に近い音であると思う。
最近は、こういう音を出したい、より、機器の性能を出し切る、と言う使いこなしをしている。当たり前の事だがそのやり方が解からない。解からないまま「こうしたらどうか」と言うのをやり、「なんかおかしいな」と言うとき試行錯誤する。それで纏め上げる。出口(DS3000)と入口(EMINENT)はよく解かっており、好みなのでこれらの性能を出し切る、と言うのをやっている。
それで纏まったのが現在のシステム。ああ、良い感じーと言うのは無い。がいずれ出てくると信じる。そのためにこれからも弄っていく。
今までに大きな転換期が有った。まず真空管アンプを使った事。そして、パワーアンプに入力トランスを使った事。フォノイコにLCRを導入したこと。アナログに嵌まった原因、EMINENTを購入したこと。そして何よりDS3000を手に入れたこと。今ではそこそこ良い音と思う。だがもう少し可能性を感じる。そのためにもう少しシステムのさらなる上を目指す。
画像はほぼ、リスニングポイント。
それでも時々ハッとすることが有る。名古屋の中古屋がYOUTUBEに投稿したルパン三世のオープニングテーマ。一音一音がこちらに飛び出してくるのが解かる。おおーこの音欲しいと思った。JBLの音だと思う。だがしかし、自分のシステムを前にして聴くと、そんなのどうでもよくなってしまう。不思議だ。多分DS3000は音場型のスピーカーなんだろう。なんと言うか、このステージ感、と言おうか、一音一音はそんなに自己主張しないで漂い、空間に溶けていく。JBLのように音が飛び出してこない。そういえばダイヤトーンはホーンをやらなかった。ダイレクトラジエター型の優位性を説いていた。という事は目指してこの音を作った?
もう一つ、真空管オーディオフェアで聴いた大西アンプ。エネルギーが凄い。4312を部屋中に鳴らしていた。40畳は有ったと思う。
何故か比較はJBLとなってしまった。意識してるのか?そいや4344M、S143は欲しいと思った。
いろいろやって来たが、初音出しが5/3だった。一月半が立ち、だいぶこなれてきたと思う。VISHAYの抵抗が良かったのはもしかしてエージングが進んだのに丁度あたったのかとも思う。いまはトランスのナロー感も無く、有機的に聴こえる。TF-3の時はもう少し乾いてた音のような記憶が有る。