1984年発売。H7.1.29購入。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/59/75/5b37b9aedaebaa2fbfc71c15ccdd6077.jpg)
発売から37年、手元に来てから27年ほど。
最初の5年はほとんど鳴らなかった。NS-690Ⅲとそんなに変わらなかった。
それでも価格や「4ウェイ」「52kg」にしびれてた。
国産スピーカーをコケ落ろし、海外スピーカーで無いとオーディオじゃない、そんな風潮が有った。
それでも 「すべてを出し切る国産機は、突き詰めれば素晴らしい音を出す」 などと強がっていた。
あともう少しで海外スピーカーに鞍替えしそうな時が何回かあったが、踏み切れなかった。
DS‐3000に引き留められたのか、とり憑かれてたのか。
アンプ、タンテ、CD、ケーブルなどは色々換えてきたが、スピーカーはDS‐3000を持ってからこれ一筋。
オーディオは好きなスピーカーをどれだけ鳴らせるか、だと思う。
最初は柔らかい音に拘った。なんといっても心地よい。
ある時、高音を落とせば実現できることを知ったが、「それは違うのではないか」と思うようになった。
まずは出すものは出す、それからチューニングで柔らかい音にする、そう考えたが、後にハイスピードなキツい音も突き詰めれば柔らかい音になる、そう思うようになった。
それからキツい音を好むようになった。
2010年になろうとしたころと思う。
このレコードにこんな音が入ってたのか、こんな音が出てきた、と言うのを繰り返してきた。
しかしそれに反するかのようにトランスを使うようになった。
トランスは「音が良い」と言うのと「レンジが狭くなる」と言う考えが有りどう考えても後者を取るはずが、多分アンプに行き詰ってたのだと思う。
転換期は、
マランツのSM700をオンキョーのA‐7のスピーカー端子で繋いだ時。(これが原点かも)1995年頃。
今のパワーアンプを最初に作った2008年ごろ。低音は無かったが中音の綺麗さが凄かった。
紆余曲線を経てこのパワーにオートバランスの真空管プリを繋いだ時。2018年。
プリの動作点を変えてパワーを鳴らしきる。2020年。
正直ここがこのスピーカーの限界かと思ってた。
プリの代わりにプリメインをスピーカー端子出力で使う。2021年。
これまでの間、DS‐3000の底が見えなかった。
いつも答えてくれた。
まあ、これらだけではなく、ミッドハイの振動板を交換、ネットワークの部品交換などもやった。その直後は変化が分からなかったが、これをやらなかったら今の音は出てないと思う。
セッティングも地味ながら色々やってある。
この機種はステレオサウンド誌に何回か登場してたこともあった。
その時は、音楽を聴くのではなくて、変換器を聞いてるようだと有った。
それもなるほど、と思う。
という事は、今の音が当時出てたという事か?
やはり評論家は侮れない。
国産機がステサン誌に出てたのはあまり無いが、光栄だと思った。
ただ、機器の欠点を出すのでスピーカーの欠点と勘違いしないように、と言うのを何回か読んだ。
今回のSG最大電圧がそうだった。
もっとも雑誌(サウンドトップス)のリファレンススピーカーだったことが有ったから選んだ、と言うのも有るのだが。
なんちゃらフェアやショップなどではかなり色々な機種を聴かせていただいた。
「すげえ」音は出てたが、欲しいとはあまり思わなかった。
あ、FALは欲しいと思ったかな。
ショップはそれなりに使いこなしてるとは思うが、ほんとに好きでやってるとは思えないんだよな。
店員の自宅にあるシステムの方が・・・だったりして。
そういえば私は個人宅にはあまりお邪魔しない。
世の中にはもっとすごい方が居るのだろうと妄想してるのだが・・・。
普通は30年もこんなこと続けない。
しかしここまでしないと出ないのか?
ここまでしてやっと出た。
千葉を引き払うとき、隣の旦那さんに少しお話を聞いた。アルテックのA‐7に211のPPアンプ。ソースはシスコンのCDプレーヤー。
アンプとスピーカーが良ければソースは選ばない、そう受け取った。
カートリッジやSACDプレーヤーにお金を掛けた私は恥ずかしい。
でも今ならそんな気はしない。
大きな声では言えないが、DD55000と似たような空間感が出た。あちらは音色がナチュラルだが、こちらは少しきついかも。
皆さんもスピーカーを信じて使いこなしてほしい。
20220101