トランス。線をたくさん巻いたもの。距離にしてkm?そんな物がシステムに入ると抵抗になり音質劣化・・・ほんとならこんな物使いたくない。
スピーカーに入ってるネットワークのコイル、これを取り除くにはチャンデバとアンプ。信号ラインのシンプル化、という点ではこちらも部品の接続等、「接点」が沢山ある。各機器には電源トランス・・・。無理か、と考えた時に言い訳を考えた。
トランスは「信号」が線の中を通って行くのではなく、巻線上の隣り合った、重なった状況で飛び移っていく。気が楽になった。
一時期トランスで音をどうにかしようと考えた。モノパワーに入力トランス。これは位相反転の為で代わりは真空管で出来るはず。特に音質が劣っているとも思えなかった。今、これをさらに巻線の多い600Ω:20kΩに換えようとしている。そしてLCRフォノイコ。これは明らかに広がりが無くなった。でも位相ずれのような音が出なかった。NFフォノイコは好みの音だが、偽物を聴いていて居るようで駄目(聴かなく)になった。なんていってもOPT。
広帯域×小エネルギー=狭帯域×大エネルギー。エネルギー保存の法則ではないか?増幅率(エネルギー量)が決まってればどちらかしか選べない。・・・最近この「エネルギー」というよく解らん言葉を良く使う。トランスを入れたことによって帯域が狭くなるが、中域が飛んでくる。空気感、包まれるような音が好きなのだが、最近そちらに向かえない。
館山のアンプ製作者が本に書いていた。「出来上がったアンプは、入口に出て聴いてみる。そこまで音が飛んでくるかどうか」。ホーンスピーカーを使ってればったりめーだろ?思ってた。そうじゃなかった。私も出来上がった、弄ったアンプは音を出しながら風呂に入って聴く。イマイチ飛んでこなかったが、今回のパワーアンプは飛んできたように聴こえた。やっぱトランスか、思った。中音を凝縮してエネルギ-を溜める。
実は今回の入力トランスの使い方は、ラジ技誌のライターによるものだった。「トランスはこういう風に使ったことが良いのを彼は知っている」。スピーカーにころを使った人だ。私もやったが、一部分はいいが欠点も出るので止めてしまった。この人がやる事は一部の為に他部を捨てる、感じだった。完全が無理なオーディオでは仕方の無い事かもしれない。
最近好みとは違う方向に行っている。
今度は2次側の抵抗をスプリットにしてみた。まずは67kを二つ繋ぐ。おお、若干ナローかもしれないがバランスは悪くない。しかし音量が少し大きい。そうか、ここでALLの抵抗を繋いで音量を下げるのか。
此処で、さっきは27kでハイ上がり音量小さい、だったので、2次側の両端に1kを繋いでみる。・・・ありゃりゃ、音が小さくなった。うーんそうか、トランスに流れず抵抗に流れてしまったか。ではと、トランスに流すべく56kに交換。
んん~今度は音がでかすぎ?音を小さくするために24k。
バランスは良く成った。って、抵抗値元に戻ってんじゃん。なんだそりゃ。
此処でまた整理。
⑤.1次側抵抗無、2次側67kスプリット。フラットバランスだが、音量が大きい。
⑥.同、2次側67kスプリットに1kALL追加。フラットだが低音さみしい。音量は小さい。
⑦.同、1kを56kに交換。フラットだが低音さみしい。音量はやや大きい。
⑧.同、56kを24kに交換:二次側はラジ技仕様、音量若干大きいがまあ、聴けないことは無い。
・・・左chはTF-3、右chはNP126。左chで上下の伸びを期待して、左chで音の浮き上がり、空間の浮き上がりを期待する。が、鳴らしてみると非常にカタワ。位相ずれを起こしてるのか、疑似ステレオの様。
パワーの入力トランスと言うのは、プッシュプルパワーアンプの位相反転が目的。それをNP126の様な増幅の有るトランスを使って負荷を持たせて、一度上げたものをまた下げて使う。何なんだ?バランス的にはTF-3の方が良いが、NP126の、この音が漂う感じ、浮き上がる感じを聴くと何故か戻りたくない。何とかバランス取れないいモノか?この音を手に入れれば、真空管アンプでブレイクスルー(新境地)の様な気がする。佐久間アンプに一歩近づく気がする。
ひょんなことから始まった入力トランス交換。一応ラジ技誌通りではなぜか超ハイ上がり。聴くに堪えない。それでは、と各抵抗の働きを見てみようとやってみる。まずは1次側の抵抗を外す。ハイ上がりはあまり変わらず低音が少し出てくる。
それではと、2次側も抵抗を外してみる。
これは音量も上がり、ハイ落ちになった。低音は出てきた。そうか、このトランスは2次側が巻線多いから増幅になるのか。でもなんで周波数特性も変わるのか?
では、と2次側に10kΩを抱かして見る。音は最初に戻った。ハイ上がりで低音も無く、音量も下がった。此処で勘違いで、10kΩが100kΩだったと思い、20kΩのトランスなので20kΩを抱かせようと近似の24kΩを取付け。?変わらん?・・・そりゃそうだ抵抗値がそんなに変わってないもん。
此処で整理。
①.ラジ技仕様・ハイ上がり、増幅減
1次側10kパラ+620シリーズ、2次側67kスプリット+24kALL(両端)。
②.抵抗無・ハイ落ち、増幅増
③.2次側検討・ハイ上がり、増幅減
1次側抵抗無+2次側10kALL
④.2次側検討2・ハイ上がり、増幅減
1次側抵抗無+2次側24kALL
・・・次側両端に抵抗を咬ますと増幅下がってハイ上がり・・・抵抗無ではハイ落ち、増幅増・・・?
今まで気になってた事。パワーアンプの入力トランス。このアンプを作ろうとしたのがネットで見つけた回路。これはダイナコと言うメーカーのアンプの回路に似たもので、入力トランスに600Ω:600ΩのTF-3を使っていた。いざ部品集めをしたとき、丁度ラジオ技術誌で出力トランスのキットを発売し飛びついた。後にこのトランス用の回路を誌上で発表したが、製作のアンプの回路に良く似ていた。ただ、入力トランスが600Ω:20kΩとなっていた。しかもこのトランスに抵抗をかませて負荷にすると。あまり余計な物をぶら下げたくないと思いこの回路は採用せずにいたが、いつかはやってみたいと思っていた。
EL34PPstereo(UL)に代えると「こんなに良かったっか?」と言うような音が出た。やはりパワーを生かすのはプリだなと。それではメインのmonoパワーの入力インピーダンスが低いのか?と交換してみることにした。5687+ライントランスプリよりライントランスのNP126を外した。ラ技誌の回路そのままにしたかったが、手持ちの抵抗が無かったので近い値の物を使った。比較のためにLchのみにした。
出てきた音は、最初はこじんまりした、低音のさらにない、高音のきつい音が出てきた。ううんそうだ、以前TF-3に抵抗を抱かせた時と同じな音だ。・・・ん?配線がまちがってる。
トランスと出力の間に620Ωを挟むが、TF-3の600Ωに抱かす抵抗をその根元に付けていた。ほんとは送り先だった。・・・直したがあまり変化なし。う~ん。こなれるのを待とう。少し鳴らし続ける。
鳴らし続け、はっと思う。音圧が下がって「ダメか?」と思ってたが、TF-3は音と音の間になんか、音が有り、面で迫ってくる。NP126は音と音の間の音が無くなり、各音が浮かび上がる。そうだ、館山のコンコルドもこんな音がしていた。トランスの力。こんな使い方が有るのか。しかも時々ギターっぽい音やコーラスなど、こんな音が?と言うのが聴こえてくる。
但し、なんか歪っぽいかもしれない。
こんなプリも有った。5687PP+ライントランス。
ウェストリバーのバランス回路が真空管で出来ないか?と思い、バランスまで行かなくてもP.P.でどうだと。・・・いまだにバランスと言うものが良く解からない。5687と言う真空管はECC99などに近い球らしい。数が少ないらしく、あまりお目にかからない。ので予備に数本買ってしまった。回路は那須という方が設計。真空管の動作点を下げるため、電圧を下げてるとか。出力のトランスはISOのNP126。これは二次側が20kと10kに変えられる。電流を流せるらしいが、その意味は良く解からない。オイルコン、テフロンソケット、カーボン抵抗、そしてトランス類はISOとし、配置図も書いて我ながら綺麗に纏まった。
何故トランス付のアンプか?と言うと、この時期はアンプに音色を付けたかった。館山のコンコルドで聴いた音も真似たかった。パワーに入力トランスが付いてるのでトランスで送ったら?となった。
結果は音が広がらず、あまり聴かなくなった。
そこで、TAC1を復活させたら思いのほか良かった。
そのTAC1の低音が出なったこと、前からやってみたかった事にパワーアンプの入力トランスを600Ω対600Ωから、600Ω対20kにすべくアンプをばらした。
一息、でもないが、こんなプリもある。三栄無線のPR300。姉に使わせる為に買わせた奴。LS 3/5aに合わせたが、E305 の代わりにはならなかったようだ。
この機器の素性も判らないままカップリングをオイルに、配線を一部6N にしたりした。
先日、プリを作り直すのに、聴き比べた。CD は良い。だがアナログを聴いたがダメだった。色々フォノイコを繋いだりもしたが、イマイチだった。何か中央から音が出てきて、ほぐれずモヤモヤ。
買ってからもう20年位経つ。単段増幅のNFB 。シンプルで良いが汎用性が無いと思う。この回路はクォードが使ってた様だが、あれは専用パワーとの組み合わせが推奨=ほかはダメ?か。
そいや昔煙噴いてトランス交換したっけ。昔秋葉原に店があった頃、PR300 でなくPR400のトランス下さいって言ったら店員の阿部さん変な顔してたのを思い出す。
チョークをかましたので電圧が下がるかと思ったが、そうでもなかった。此方は後段12AU7カソードホロワ。
という訳で初段の12AX7増幅段。真空管はエレクトロハーモニクス。この真空管はちょっと太目で気に入っている。
さて、さて。まず初号機から聴く。低音も出てきた感じ。パワーがあったまったからか?ウェストリバーをしばらく聴いてたからか、「腫物を触るような」クリアさは感じられないが、十分である。それでいてこの肉感。さまざまなTRアンプを聴いてきたが、ついにこれを出す物には出会えなかった。これ以上何が必要か?言わんばかり。
そして2号機。おっと。おっとである。まず、SNが上がった。一音一音が良く聴こえる。高音のちりちりとした音が、エコーと分離してる。こりゃすごい。ただ、ドルビーノイズリダクションを掛けたような、ちょっと寸詰まり?な感じが有る。コーラスも良く解かる。でもメインボーカルに隠れる時が有る。低音は初号機より無い。でもなぜか昨日よりは少し増えた。全体にもう少しクリアになれば・・・と思うが、今では限界かもしれない。ハムもノイズも感じられず、結構完成度高いのではないか?内部配線、VRと今回は奢った。でもここまでSNが上がり、細かい音が聴こえる様になったが、無機質感は無い。・・・低音が出れば・・・・残念。市販のマラツン#7と勝負したい・・・無理か?
後は、エージングに期待しよう。