EL34PPのmonoタイプとstereoタイプで音に違いが有る件、少しネットでや本で探してみた。前から気になっていた動作点だ。しかしウルトラリニアの回路での動作点は見つからない。或るHPでは、ウルトラリニアの特性曲線はKT88ら二種類くらいしか公表していらしく、三極管の特性図を補正して使うしかないとか。うーん、ハードルが上がってしまった。
まてよ、そういや最初に作ったEL34PPstereoの三結タイプでは、ラジ技の記事内にプレート電流は70+70mAで140mA見とけばよいと有ったな。プレート電流と有ったから良く分からなかったが、要はカソード電流のことではないか?早速今まで測ってきた電流値を調べてみた。
EL34PPstereoタイプ、
カソード抵抗220Ωの時、約130mA
同 250Ωの時、約120mA
EL34PPmonoタイプ、
カソード抵抗300Ωの時、約100mA
これか?カソード抵抗が高いと(フン詰まって)電流が流れない。逆に抵抗が無いと電流が流れ放題。そして電流値が低い方がOPTの負荷インピーダンスが下がるんかもしれない。そうかそういうことか。
そこで考え出したアンプ出力段の設計方法
①カソード電流を決める。
②カソード抵抗を決める。
③それに合わせてプレート電圧を決める(合わせる)
そういうことか。カソードに流れる電流は真空管に流れる電流と同じでそれがそのままプレート電流になるんだろう。へぇーそうなんだ。
動作点を決めるのに電流値を決め、それに合わせる(電流が流れる)電圧にする。これが真空管の設計方法だ。うーんじゃあ、電流値は幾らが良いの?それが解らん。
勘違いしてたが、電流値が130mVぐらいなら、電源トランスは200mAなので全然間に合うじゃん。
抵抗を買い揃えるか?いや時間が勿体ない。stereoタイプのカソード抵抗を流用しよう。
早速付け替える。5W600Ωをでかすぎだが10W500Ωを二本ずつに。
いや待てよ、電流が増量したらプレート電圧下がんね?ドロップ抵抗も一緒に交換するか?いや、どんだけ下がるかひとまず電圧測定してみよう。
結果はカソード電圧が26V程になった。これで100mA程。電圧下がって電流はあんま変わらないんだな。そして電源電圧は375V程になった。25V程下がった訳だ。やっぱり。ドロップ抵抗を200Ωから75Ωに下げる。するとプレート電圧は420V程になった。ちと高すぎたかな?まあいい。カソードは電圧28Vと少ししか上がらず、電流を計算すると110mAほどになった。うーんいまいち。電圧がプレートで400V余裕越えなんでもう少しカソード電圧上がっても良いハズなんだけど。
合わせてもう片chのLchも交換して電圧測定。こちらはカソード電圧31V超えた。こちらは124mA。ああ、Rchは真空管が終わってんだな。
早速音出し。
やた。stereoタイプのグリップ感が出た。これなんだ。動作点。重い感じの低音だ。各音がしっかりしてる。stereoタイプの音色に近付いた。若干くすんだ感じに鳴った。この抑え付けられた感じ。開放感が無い?広がりが無い?音としては不満かも知れないが、まっとうな音、設計通りの音。チューニングはまずはここからだ。高音の抜けが足りないような気もする。まあ、いい。
monoタイプでstereoタイプの音を超えられなかったらどうしよう?そんな風に危惧してた。やっとこの音が出た。しかし、monoタイプで作ったのに音の違いがそんなに無い気もする。これからだ。OPTの使ってないところを今目覚めさせてるのかもしれない。もう少し鳴らそう。
この音なんだ。前は小音量にするとなんか余計に音が弱くなってる気がして音量を上げ気味だった。今は小音量でも聴ける。