analog player & Vacuum valve amplifier (Electron Tube Amp)

こちらの記事は製作・修理・改造を推奨するものではありません。
故障・事故等が起きても当方責任は負いかねます。

インターステージトランスアンプのSRPPの動作

2022-03-03 00:01:58 | CfD‐7 (イントラ反転アンプの試作)

今のSRPP(P)+TF‐3+5687+NP‐126の組み合わせはいまいちだ。解体する前に少し測定しておこうと思う。

まず、SRPP段の負荷(TF‐3)の動作はどうなっているのか?

 

 

① TF‐3一次側の電圧と電流を測って見た。

0.223V・33.2μAで6,717Ω。

TF‐3は600Ωなので、これに合わせないとF特が?

 

 

② 二次側の電圧電流を測定したら、電流が0。

真空管のグリッドインピーダンス無限大・・・そゆこと?

 

 

③ TF‐3一次側には600Ω(入力側)と270kΩ(アース側)の間にSRPPからのコンデンサー出力を繋いでいる。この270kΩを100kΩにすれば一次側のインピーダンスを下がるか?と思った。

結果は7.5kΩ。 上がってしまった。

 

 

④ なら、100kΩを1MΩにしたらどうか?アースに流す信号電流をトランスに持ってけばインピーダンスが下がると思った。

結果は7.5kΩ。ほとんど変わらない。

 

 

⑤ アース側があまり変わらないならトランス入側の600Ωを外してみた。

トランスに入る電流が増えればインピーダンスが下がるかと思った。

これも7.5kΩ。なんとこれも変わらない。

 

 

⑥ 一次側が変わらないなら二次側のプッシュとプル側に82.5kΩを繋いでみた。

これは7.1kΩと少し下がった。

 

 

⑦ ならばこの82.5kΩに5.1kΩを抱かして4.8kΩにしてみた。

これは4.2kΩになった。

 

 

⑧ これ以上下げても600Ωにはならないと思い、二次側に終端抵抗20kΩを繋いでみた。

これは5.4kΩと上がってしまった。

 

やったほど変わらず、これで終了した。

 

F特も都度測って見たが、余り変わらなかった。

青線は抵抗を270kから1Mにした時。

インピーダンスが変わらなかったから、F特も変わらないという事か。

 

なんでこんなに変わらなかったんだろう?

もしかしたらインピーダンスの変化を吸収するバッファー(テクニクス30A)が付いているから変わらないのか?

それにしても600Ωにならず7kΩと10倍以上になったのは後段の5687のグリッドによるものか?でもグリッドってインピーダンス無限大なんだよな。

V.W.さんのサイトをもう一度見てみた。

“信号源インピーダンスによってアンプの特性が変化してしまうというのが 唯一の欠点でした。”

そう、そうなんだ。

 “例えば600Ωラインを前提としたトランス使用では、 送り出し側のインピーダンスがこれから大きく外れると、高域にピークが 出来たり、あるいは甚だしく減衰してしまったりする不都合があります。
 業務用機器のように出力インピーダンスが統一されていない民生機器を 使う場合これは厄介な問題ですが、今回この不都合を解消するため、 入力部にインピーダンス変換のためのバッファーアンプを設けました。”


これを前置バッファーとして入力トランスの前に置いていますので、 送り出し側の出力インピーダンスに左右されること無く、一定の特性を 保つことが出来ます。因みにテストで信号源インピーダンスを 30オームから100Kオームまで変化させてみましたが、 パワーアンプとしての特性に変化はまったくみられません。”

 

そうゆう事なんだ。

 

これによるトランスの一次側が7kΩって言うのは何だろう?

前段のSRPP(P)の影響か?

ならここの出力インピーダンスを下げる・・・電流増やして電圧下げれば下がるのか?

カソード抵抗を下げれば・・・そういえばカソード電圧がなかなか上がらなかった。

 

 

SRPP(P)の下管、カソードパスコンを付けてみたが、これもF特は変わらなかった。

 

これで気が済んだ。

 

 

 

 

後日談になるのだが、7kΩとは、バッファアンプの出力インピーダンスのことだと理解した。

っという事は、インピーダンスが合ってないだけ?

12AX7を使ったが、12AU7にしたら600Ωになったりして。

もしかしたら何かミスが有ったんだろう。

ってもう解体しちゃったんだよな。

失敗だった。

回路ミスで音質評価するとは。

って、今だからそう言えるけど、やってた頃は何が何だか分かんなかったんだし。(言い訳)

 

20220110

コメント

CfD‐7.1 音出し (SRPP(P))

2022-03-02 08:48:07 | CfD‐7 (イントラ反転アンプの試作)

テクニクス30Aで採用された変形SRPP(P)。これを1:1のTF‐3でうけ、5687PPをドライブ、NP‐126で出力 と言うプリアンプ。

F特は全く駄目だが念のため音出ししてみた。

ゲインが小さいと思ったが、普通に音が出た。

流石に低音が無い。

終端抵抗などで矯正できそうだが、もう少し音を聴いて判断しよう。

最初はコジンマリした音だ。

パーツは一回は使った物ばかりだったが、TF‐3の片方はヤフオクで入手した正体不明、もう片方は5~6年は使ってなかったものだ。

CD一枚ほどで広がりが出てきた。

中音の聴いたこと無い音がまた出てきた。

SNが良くなって埋もれてた音が出てきた、と言う感じではない。

ピークが出来て目立つようになった感じかな。

バックのコーラスは自己主張してきた。

・・・少し高いとこにシャリっという感じが乗る。

ピークでもあったのかな?ハイ落ちで隠れた?

 

 

風呂に入って考えた。このアンプは広がりがない。トランスの限界のような気がする。

SRPP(K)の時のような中音の質感が出ればとも思ったが、コンデンサーを三つも通れば無理か。

プッシュプルとはいっても片方は管を二回通ってるっぽいし。

音は悪くないが、なんか好きになれないんだよな。

なんでだろ。

TF‐3は電圧増幅段を受けている。

電力を受けないと・・・

5687のような?

タムラのトランスは、そんな気がする。

 

20220109

コメント

V.W.さんのHP復活

2022-03-01 00:01:34 | CfD‐7 (イントラ反転アンプの試作)

タイトルのV,W,はドイツの自動車メーカーではない。

前回SRPPがダメだな、と思ったあとにネットを開いて見たら、valves’ world さんのHPが復活していた。

多分サーバーのメンテだったのだと思う。

 

早速No143を見てみた。構成は、

1:1のIPT、6DJ8による電圧増幅、インターステージトランスNC-16、6CA7PP、FX-40-5。

このIPTの前に、12AX7のインピーダンス変換バッファアンプを追加した構成になる。

6DJ8のグリッドに直接TF‐3を直接つないでるので、三極管の5687にもTF‐3をインターステージトランス使えないか?と思ったのだった。

このバッファはSRPPを、上管のグリッドを入力してプレートから出し、下管のグリッドに入りプレートフォロワにして出力する。

よって反転した信号は管を一本多く通る。

35年前のステサン誌にSMEのフォノイコで採用してたと記事が有ったが、設計検討はもう少し前か?オルトフォンが作ろうとしたこのアンプは、更に遡るとしても70年までは行かないと思う。

V.W.さんの記事を見て行くと、66年ころにテクニクス30Aと言うプリアンプに採用されたと有る。

足跡さんのHPを見ると68年発売と有るので、こちらが大元のような気がする。

回路図がネットに有ったが、トーンコンを通ってるようだがなるほど似たような回路だ。

定数が分からなかったのが残念。

 

組んだが、下管のカソード電圧が出なくて梃子摺った。

元回路にはグリッドに入るとこにコンデンサーが有った。これを省略したため、カソード電流がグリッドから入力ボリュームからアースに入ったか、グリッドに直流が入ったか(これの動作異常については解らない、初速度電流か、グリッドリークか)。

F特はこちらもかまぼこだ。

TF‐3一次側の抵抗を100kΩになるようにしてたが、設計通り270kΩになるように変更した。

計算したら入力抵抗250kΩとなり、古いプリのボリュームと同じだと思った。

初段の電圧を設計に近付けるよう上げていったが、出力段との兼ね合いでもう少しと言うところで限界が来たようだ。

カソード電圧が若干低いようだがこれで良しとした。

F特はほとんど変わらない。

高域は伸びたが低域なんてSRPP(K)より悪くなった。

歪はSRPP(K)よりは良かった。5Vで1.3%程だが、感度が悪く音量が上がらないアンプだ。

 

音出しは次回。

 

20220109

コメント

CfD‐7組んでみた。(SRPP(K))

2022-02-28 00:04:37 | CfD‐7 (イントラ反転アンプの試作)

インターステージトランスの前段をSRPPにする。

※この回路図は修正の余地が有り、完成では有りません。

あれやこれや考えながらだが片チャンだけ組んでみた。

レイアウトを考えなければSRPPはシンプルなので結構早く終わった。

まずは測定してみる。

F特はかまぼこだった。

一番良い赤線は前のオートバランスの時の物(参考)

青線は今回のSRPPの最初の物。トランス入口のコンデンサーが0.1μFのもの。

以降このコンデンサーを約1μFにしたが、特性がもっと悪くなっってしまった。

電圧を変えたりしたが全く駄目だ。

これがもしかしたらSRPPのインピーダンスが高い、ということか?600Ωのトランスは負荷が重すぎという事?

ひずみは5Vで4%ほど出てしまった。

右はSRPP、左はPPという変則的な使い方だが、鳴らしてみるか。

ゲイン差があるが、ATTを中途半端なとこにすると右左の差が出るところがあるのでそれで対処しよう。

果たして比較できるか?

割と普通に音が出た。

前のIPT付PPは結構きつい音なんだ。こちらに飛んでくる。

イントラ反転は、レンジが狭いがしかし、得も言われぬ中域の質感がある。

きつさが全くなく優しい感じ。

これはトランスの質感のような気がする。

この質感が調整後も残ってれば、強烈に欲しい音だ。

 

 

 

カソホロのDC電圧が出てるから直流はカットしなければならないと思うんだが。

それから私はカソホロがあまり好きではない。

なんか曖昧な音というイメージがある。

ので、あまり気が乗らないのだが・・・

この質感を確かめるため反対チャンネルも組んでみるか。

その時はU7のカソード抵抗を小さくしてプレート電圧を下げてみよう。

 

20220107

コメント

初段を改造する。SRPPについて。

2022-02-27 00:08:06 | CfD‐7 (イントラ反転アンプの試作)

プリアンプの初段にIPTを付けるのはあきらめて、シングルにする。

インターステージトランスを使った位相反転の回路は、VALVES’ WORLDさんのHPに興味深い回路があった。

NO143。12AX7のSRPPでTF‐3をドライブだ。6DJ8を挟んでEL34PP。こんな感じだった。

 

今日は風がないので久しぶりに散歩に出かけた。

帰ってきたらHPが削除されてるみたい。

なんということだ。

 

仕方ない、インターステージトランスについて少し調べた。

二次側のグリッドには何もつながないらしい。

これってもしかして二次側開放で使える、ってことか?

NO143も何もつないでなかった。

たまに終端抵抗をつないでるものも見かけたが。

一次側は電流を流すらしいが、TF‐3は確か流したくないと思った。

なら簡単に12AU7をパラにしてやりゃいい、と安易に始めた。

 

片チャンネルだが大体組んだところで一息。

ネットで再度インターステージトランスについて情報が何か他にないか見てた。

ふと、SRPPに600:5kのトランスを使ったものが出てきた。

これなら行けんじゃね?っと思ったが、TD‐2(5k;600)の一次側には直流を流したくない・・・あれ?

V.W.のNo143がSRPPにしてるのは、rpを下げるためじゃね?

U7パラだと5kΩくらいにしかならないか?

600Ωには程遠い。

マッチングが取れず、F特がおかしくなると思った。

 

 

SRPPについて調べた。

 

NO143は確か上管に信号入れてたよな。ちょっと変わってた。

そういえばステサン誌の86年のものにSRPPがあったはず。

SMEのSPA1HLというフォノイコだ。

これは通常のSRPPではなく変形のものと有った。

これが上管に信号を入れるやつだ。

もう少し検索していると、SRPPには、

カソードフォロワー SRPP(K)

プレートフォロワー SRPP(P)

の二種類があるという。

特性が一緒だが、出力インピーダンスはカソードフォロワーのほうが低いとあった。

 

私は個人的にカソードフォロワーと言うのは使わない。いくつか使ったのだが良いイメージが無い。

と言う訳でSRPPも避けてたのだが、音は良さそうだ。

OUTが一本なのにPP?っとずっと思ってたが、あるHPで動作の説明が有り、なるほどと思った。

こんな感じかな。

 

 

動作としては上管と下管でPPをしてるという。

そしてカソホロの場合は下管が真空管負荷になり、プレートフォロワーの時は上管が負荷になるという。

なんか矛盾してる気がしないでもない。

 

 

NO143はプレートフォロワータイプなので出力インピーダンスが40kΩ位になるらしい。

なんでカソホロにしなかったんだろ?

カソードフォロワーは15kΩ位に下がるという。

これでもまだ600Ωには遠いが、これで行ってみよう。

 

20220107

コメント

次の回路をぼんやり考える。

2022-02-26 00:05:52 | CfD‐7 (イントラ反転アンプの試作)

次のプリアンプは、初段はシングルで考えている。

位相反転はトランスにしたい。

出力はPPにしたい。

とするとインターステージトランスになる。

これはいつかはやってみたいと思ってたら、市場からトランスが無くなってた。

少し見てみると、インターステージトランスは1:1か1;4位の物を使う事が多いようだ。(タムラのトランスの場合)

1:4が多いので手持ちで何か使えないかと思ったが、5k:600がせいぜい。

もう一つはTF‐3の1:1だ。ただし、手持ちの個体はロットか製作業者が違うのか、二個で微妙に違う。

まあ、試験的なものなので良いか。

 

 

 

このトランスについて少し考えてみる。

600Ω:600Ω。

23dBm。

この情報から、10Log10(P)=23dBより、

P(仕事率)=200mWとなる。意外と小さいな。

W=E^2/Rより、0.2W^2/600Ω=11V。18mA

5687(PP)の入力電圧は5V程だったと思うので、243kΩのグリッド抵抗には0.02mA程しか流れない。

取り敢えず、行けそうか。

 

 

最初はクラーフ結合をやってみようと考えた。敢えてコンデンサーで音作りしても良いかと思った。

全く見当のつかないコンデンサーの容量をどのくらいにするか?ネットで調べてた。

容量は低域周波数に関係するとのこと。

ただし、PPではコンデンサーで直流カットする必要無いし、シングルは直流を流す特性の良いトランスがるという。

イントラが使われる必然性が無くなった訳だ。

 

 

 

イントラ反転アンプは位相反転を入力でやらず出力管の前でやるだけだから、音としてはIPTと変わらないかぁ、なんて思った。

今は、もしかしたら出力管を低インピーダンスで駆動できるのか?なんて思えてきた。

※下回路は試作ですので動作するかは保証いたしません。

 

20220105

コメント