LCRフォノイコのAC点火が思いのほか良かったが、「あれは夢か?」次の日聴くと全くだめという事があり、検証してみた。
大丈夫。良い。良かった。しかしなぜ巷ではAC点火がやられてないのか。多少のノイズが有ってもこの音を聴くと戻れない。音が生きている。若干SNは悪く、広がりももう少し有ってもいいと思うがそこはトランス・チョークを使ってる為か、仕方ない。
これならDL103FLでも行けるか?
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お気に入りのプーランクの合唱を掛けてみた。いやはや、この103FLの無個性は声で生きるのか。SYNERGYが一音一音の質感で来るなら103FLは全体の響き、か。これなら鑑賞に堪える。良かった。
さる方のブログを読んだ。高齢の方のシステムを聴いて、スピーカーがアンプたちに負けてるという。それも二人で訪れて聴いて、その方の家を出てから話した感想だそうだ。感想は良いが、その人が気に入ってそういう組み合わせで聴いているのにつべこべ言う必要はないと思う。他人からすればどってことない音が、当人にはかけがえのない音かもしれない。(もっとも本当に当人が気付いてない=二人の意見が尤もなのかもしれないが。)
何故こんなことを言うかというと、もし他人に私のシステムについて意見されたら私は多分不愉快になると思う。もちろん感想は聴きたいが意見は聴かないと思う。この音・自分のシステムの音は、音もそうだが気に入っているバックグラウンドが有る。スピーカーのDS3000は、若い頃、サウンドトップスという雑誌でリファレンススピーカーに使われていた事。当時はリファレンススピーカーとはそんなにびっくりするような高価な物では無かったように思う。しかも評論家たちは自分のシステムで試聴を行っていたことが大部分であったように記憶する。そしてその雑誌ではスピーカーケーブルにモニターPCのPC-10Sと言うのを使っており、随分後になるがわたしも真似をした。有るとき夢を見た。何故か姉の部屋で寝ていて、起きたらDS3000が鎮座していた。夢とも疑わず、眺めていた。やっと手に入れたよ、と思っていた。・・・当時は3ウェイが主流でそこから一歩抜きんでてるものとして4ウェイに興味が有った。(今であったら多分2ウェイを選ぶ。)他にコーラルDX-Ⅺ、ヤマハNS-890このへん辺りしかなかったが、あとは眼中になかった。そしてDS3000を入手してしばらく経って解かったが、この4ウェイのまとめ方は傑作だ。まるでフルレンジの様な鳴り方をする。個人的には、狙ってうまく行ったのではなくたまたまうまく行ったのではないかと思う。まあ、ダイヤトーンはDS505、DS5000、DSV5000、DSV9000などいくつか4ウェイが有るが、DS3000の成功で以降の4ウェイが続いたのだと思っている。デザインも気に入っている。この頃の一般的なユニットは、「フレーム」が有るが、DSシリーズはプレートに付くデザインで、キャビネットから浮き上がらず、一体感を感じるようになっている。
そういう訳で音だけでたとえばスピーカーを決めている訳でなく、「こういう音を出したいならこういうスピーカーを使うと良いですよ」と言われても、納得できないと思う。スピーカーだけではなく、アンプ、プレーヤー、セッティングに至ってもである。
今日現在の音だが、実に良い。声。声は「腫れ物を触るような」ピュアネスは無いが、十分クリアである。余計な物が無い。それでいて肉感が有り、響きがこちらに飛んでくる。若干ホーンの様な鳴り方である。エネルギー感が有り、ポップスのバックの効果音が浮き上がり、飛び回る。まあ、その分低音が無いが、そこはSWで補う。自分的にはSW無くても全く良いが、一般的に「カタワな音である」様な気がしてるので鳴らしている。
高音の伸びはもっと伸びた音を以前は出していたが、今は此れで充分である。上から降ってくるような音が好きだが、声の脇でシャンシャンやっている。まあ、無機質な音にならないだけいいだろう。広がりは特に感動するほどではないが、横幅が制限された感じが無いので不満は無い。NFタイプのフォノイコは今では位相ずれの様で聴く気になれなくなってしまった。
他人に聴かせた場合、特にフォノイコはNFでもLCRでも違いは判らないと思う。しかしこの微妙な違いが私には大事なのである。
ああ、過去最高の音、それが今ここに有る。一時期は「腫れ物を触るような」ピュアネスが無く戻ろうか迷ったが、この音を聴くと「此れで良かった」そう思う。
ストラヴィンスキーのMASS。じっくり聴いたことが無かったが、結構良い。ストラヴィンスキーらしい色気の無い曲だが、なんか懐かしい響きがする。この人、声も作曲するんだ。