三菱電線SP-1を最後に聴いて、アクロリンク7N-S1040Ⅲに戻すことにした。
こうやって比べるとアクロリンクも結構特徴がある。広がるが、ちょっと後ろに下がった辺りから覆いかぶさる?ように鳴る。今までは此れで良かった。でも最近考えが変わってきた。スピーカーの外側に音が広がるのは、実は位相ずれではないか?その為音に力が無くなる・・・。三菱電線は広がらないが音が前に出てくる。そしてエネルギー感がある。今はアクロリンクを繋いでるが、何か中高音に歪?っぽいところがある。これじゃあだめ?と言う思いがあるが、三菱電線を聴いてしまうと・・・まあ、どうせ買ってしまうんだろうな。
もう20年位前になるか、オーディオフェアで同じスピーカーで真空管アンプとトランジスタアンプを鳴らしていた。真空管の方はスピーカーの外に音が広がり、トランジスタはユニットの中心を結んだ線の中央に音が定位した。この時いらい、「良い音」は空気感までも再現する、外に広がる音、と思った。最近それが位相ずれ?と思い考えが変わってきた。
三菱電線、はぁー。高いんだよな。
30分ほど聴いて、こなれてきたか、中高音のきつさは収まってきた。もしかしたらこれがキャラクターかもしれない。ただ、一音一音が生きてこない。立体感が無い。大人しい。やっぱり三菱かな?。
三菱電線SP-1。こりゃまいった。アクロリンクでもうこれ以上無いと思ってたが、上が有った。
まず、音(像)の出方が前に来る。
古いCDでも、古い録音だけど良い機械で鳴らしてる、と言う感じがする。古い録音だ、と言うことがよくわかる。CDからは全て出しきってる、そんな感じ。
そして音量上げてもうるさく無い。夜中に結構な音を出した。
一番の良さは、後ろの方で棚引くエコーのような音。これが今まで空間に溶けている:もやもやしたのが独立して聴こえる。ああ、こんな音が入ってたのか・・・と。
これは今気が付いたのだが、エネルギーが削がれずそのまま出る。
音色は若干濃くなった。古いケーブルのようにくどくならない。多分アクロリンクよりは若干濃いと思うが、一般的にはあっさり。濃くすると他の音がマスキングされる気がする。
ただし声がほぐれない。あの腫れ物にさわるような透明感がいまいち。これは多分端子をはんだ付けしてるかではないか?
まあ、そのうち対策してみよう。半田部分を少しだけのこして、ちょん切る。そして新しく被覆を剥く。
ほんとはアンプの内部配線用に買ったんだけど、外したくない。いやー今まで何回も聴いたCDから聴こえなかった音が聴こえる。今まで声の周りの音は多分声にマスキングされてたと思う。それが分解能が上がって聴こえる様になった。高音で響く音は実はその以前より中低音から駆け上がっていく様が解かった。
一音一音が軽く出る。ふわっではない。ぽっでもない。浮き上がる、噴出す、ではなく初めからそこに存在してる音、とでも言おうか。リミッターが外れた、解放された、そんな表現になる、か。
この違いに反応するDS3000も凄い。ケーブルでこんなに変わるとは。アクロリンクの時もショックを受けたが、あれは鳴り方は変わらず純度を上げた感じ。同時にコクもそぎ落としたのではないか?と思える。
多分他人からしたら「なにそれ?」と言う程度の差であろう。アンプに何十万も掛けるならこの値段でこの音が手に入る。まずは此処から手を付けるべき。アンプはその後。もしかしてこれ以上のケーブルは無いのではないか。そう思える。
鳴らしてみた。
・・・・・・。
アクロリンク7N-S1040Ⅲは煙の様、2次元的。こちらの三菱電線SP-1は・・・音像の前後感は無いが、一音一音の立体感がある。そして、表現しづらいが、うーん思い出せない、どこかのスタジオ?中学校の放送室?で聴いてるような響きがある。そして、鮮度感が違う。古いPOPSがラジカセの様に聴こえてたのが普通に(ほんとはリアル、まで行かないがリアルっぽい感じ?)聴こえる。決してラジカセが悪いとは思わないが、この広い空間感はラジカセでは出ないだろう。今まで古い録音は良くないと思ってたが、その悪い録音もリアルに悪く聴かせると言う意味で良く聴こえる。音が空間に溶けてしまう訳ではない、浮き上がる訳でもない。ちょっと硬い感じに聴こえるが、エネルギーを出し、聴こえる音を全部出そうとするとこんなきつい感じになるのか?感じであって、きつい訳ではない。
参った。メインにもう一式買うかも。さすが、三菱。DS3000との相性も群抜である。
そう、位相ずれの様に広がるが、位相ずれの様な不自然感がない。
なんでだろう?これは凄いなと言う感じがしないのにちょっと他では出ない音である。接続部は半田付けだし、線はスターカッドでないし、一本は太いが本数少ないので太くは無い。見た目では買う気がしないな。
一般の店では入手できない。ネットのみ。販売者は自信あんだろうな。