「ダンケルク」を観てきました。
監督は「ダークナイト」シリーズ、インセプション、インターステラーのクリストファー・ノーラン。結果論だけど僕、この監督の作品は「フォロウィング」「プレステージ」以外は観てる。
寡聞にして僕はこの作品で描かれる第二次大戦中の「ダイナモ作戦」、つまりダンケルク撤退戦についてはまったく知識がなかった。
ザクッと歴史的事実だけを書いてしまえば、ドイツ軍に攻め込まれたフランス軍とイギリス軍はフランスの北端の都市、ダンケルクまで追い込まれた。チャーチルはダンケルクにいる兵士35万人を救出する「ダイナモ作戦」を計画した、、という話。
たいそう面白かったですよ。
この夏は「スパイダーマン/ホームカミング」「ワンダーウーマン」「ベイビー・ドライバー」に加えて本作と名作揃いなんで是非お暇があれば映画館に足をお運び頂きたい。
さて、ここからちょっと映画の内容に触れます。もし「一切何も情報入れずに映画を観たい」という方はぜひ映画本編を御覧頂いてからお読みください。
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
ノーランという監督は当代の巨匠扱いされている。実施、本作の宣伝でも「若き巨匠が描く、」みたいなコピーがついていた。どこにあったか忘れてしまったけど僕は見かけた覚えがある。それについては僕は否定も肯定もしない。30代で「バットマン・ビギンズ」という大作映画を監督し、続く「ダークナイト」ではアメコミ映画の歴史を変えたと言っても過言では無いだろう。「インセプション」もヒットしたし、「インターステラー」も話題になった。
しかし、意外なほどに、アカデミー賞には縁が無い。間違ってたら申し訳ないけど、アカデミー作品賞、監督賞にノミネートされたことは無いはず。彼の作品で唯一、アカデミー賞関連と言えば「ダークナイト」でのヒース・レジャーがアカデミー助演男優賞を受賞したくらいなんじゃないだろうか?
もちろんアカデミー賞にノミネートされたからエライ、されないからダメという訳じゃないし、色々と運も有るだろう。
ただ、今回の「ダンケルク」、アカデミー賞に絡むんじゃないかな、と思っています。
視覚技術とかそういう技術的なことは僕はよく分からないので割愛するとして、まずあり得るとすると脚本賞。これはアカデミー賞で好まれる「ちょっとツイストが効いたストーリー」になってると僕は思う。具体的に言いますね。この作品は主に3つのストーリーがある。
1つめはダンケルクにいる兵隊たち、彼らは迫りくるドイツ軍に怯えながら救出を待っている。メインとなるのはフィン・ホワイトヘッド演じるトミー。トミーというのは第二次大戦時の兵隊さんを表す言葉らしいので、つまりトミー含めた兵士全体、ということだろう。これは陸の話。
2つめはダンケルクにいる兵士たちを救うべく、民間船でイギリスを船出した民間人。これは海の話。
そして、3つめはダンケルクを狙うドイツ飛行機と戦うイギリス空軍兵士。トム・ハーディが演じている。空の話。
これらが絡み合って一つの映画になってる訳だけど実はここはトリックというかちょっとしたひねりがある。この100分程度の映画で、陸の話はトミーがダンケルクに着いてダンケルクを離れるまでの1週間の話。海はイギリスの港を出てダンケルクに到着する1日の話、そして空はたった1時間の話。これは映画冒頭でも出る。うろ覚えだけど「LAND One week」「SEA One day」「SKY One hour」と字幕で出たと思う。この3つの時間軸を交差させたところは巧いなと思う。だから脚本賞に絡むんじゃないかと思ってるの。
あと、もう一点巧いなと思ったのが、この話を「ドイツ軍との戦いの話」にしていない点。その証拠に、この映画でドイツ軍兵士の「顔」は一度も出てこなかった(と思う、間違ってたらごめん)。その点も巧いと思う。ドイツ軍兵士が出てこないことによって、つまり「この映画で描かれている敵は、ドイツ軍ではない」ということを表している。ではこの映画における敵は何か? 色々と解釈が出来る余地があると思う。
いつもどおり、映画評論家の町山智浩さんが映画ムダ話という音声ファイルでこの映画についても解説している。映画ムダ話は有料だけどそれでも216円程度でこのくらいの解説聴けるというのはお買い得だと思うのでぜひどうぞ。
町山智浩の映画ムダ話63 クリストファー・ノーラン監督『ダンケルク』(2017年)。 史上最大の撤退作戦ダンケルク映画化の根本的問題点とは? ノーランの本物志向の裏に隠されたインセプション的ウソとは?
監督は「ダークナイト」シリーズ、インセプション、インターステラーのクリストファー・ノーラン。結果論だけど僕、この監督の作品は「フォロウィング」「プレステージ」以外は観てる。
寡聞にして僕はこの作品で描かれる第二次大戦中の「ダイナモ作戦」、つまりダンケルク撤退戦についてはまったく知識がなかった。
ザクッと歴史的事実だけを書いてしまえば、ドイツ軍に攻め込まれたフランス軍とイギリス軍はフランスの北端の都市、ダンケルクまで追い込まれた。チャーチルはダンケルクにいる兵士35万人を救出する「ダイナモ作戦」を計画した、、という話。
たいそう面白かったですよ。
この夏は「スパイダーマン/ホームカミング」「ワンダーウーマン」「ベイビー・ドライバー」に加えて本作と名作揃いなんで是非お暇があれば映画館に足をお運び頂きたい。
さて、ここからちょっと映画の内容に触れます。もし「一切何も情報入れずに映画を観たい」という方はぜひ映画本編を御覧頂いてからお読みください。
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
ノーランという監督は当代の巨匠扱いされている。実施、本作の宣伝でも「若き巨匠が描く、」みたいなコピーがついていた。どこにあったか忘れてしまったけど僕は見かけた覚えがある。それについては僕は否定も肯定もしない。30代で「バットマン・ビギンズ」という大作映画を監督し、続く「ダークナイト」ではアメコミ映画の歴史を変えたと言っても過言では無いだろう。「インセプション」もヒットしたし、「インターステラー」も話題になった。
しかし、意外なほどに、アカデミー賞には縁が無い。間違ってたら申し訳ないけど、アカデミー作品賞、監督賞にノミネートされたことは無いはず。彼の作品で唯一、アカデミー賞関連と言えば「ダークナイト」でのヒース・レジャーがアカデミー助演男優賞を受賞したくらいなんじゃないだろうか?
もちろんアカデミー賞にノミネートされたからエライ、されないからダメという訳じゃないし、色々と運も有るだろう。
ただ、今回の「ダンケルク」、アカデミー賞に絡むんじゃないかな、と思っています。
視覚技術とかそういう技術的なことは僕はよく分からないので割愛するとして、まずあり得るとすると脚本賞。これはアカデミー賞で好まれる「ちょっとツイストが効いたストーリー」になってると僕は思う。具体的に言いますね。この作品は主に3つのストーリーがある。
1つめはダンケルクにいる兵隊たち、彼らは迫りくるドイツ軍に怯えながら救出を待っている。メインとなるのはフィン・ホワイトヘッド演じるトミー。トミーというのは第二次大戦時の兵隊さんを表す言葉らしいので、つまりトミー含めた兵士全体、ということだろう。これは陸の話。
2つめはダンケルクにいる兵士たちを救うべく、民間船でイギリスを船出した民間人。これは海の話。
そして、3つめはダンケルクを狙うドイツ飛行機と戦うイギリス空軍兵士。トム・ハーディが演じている。空の話。
これらが絡み合って一つの映画になってる訳だけど実はここはトリックというかちょっとしたひねりがある。この100分程度の映画で、陸の話はトミーがダンケルクに着いてダンケルクを離れるまでの1週間の話。海はイギリスの港を出てダンケルクに到着する1日の話、そして空はたった1時間の話。これは映画冒頭でも出る。うろ覚えだけど「LAND One week」「SEA One day」「SKY One hour」と字幕で出たと思う。この3つの時間軸を交差させたところは巧いなと思う。だから脚本賞に絡むんじゃないかと思ってるの。
あと、もう一点巧いなと思ったのが、この話を「ドイツ軍との戦いの話」にしていない点。その証拠に、この映画でドイツ軍兵士の「顔」は一度も出てこなかった(と思う、間違ってたらごめん)。その点も巧いと思う。ドイツ軍兵士が出てこないことによって、つまり「この映画で描かれている敵は、ドイツ軍ではない」ということを表している。ではこの映画における敵は何か? 色々と解釈が出来る余地があると思う。
いつもどおり、映画評論家の町山智浩さんが映画ムダ話という音声ファイルでこの映画についても解説している。映画ムダ話は有料だけどそれでも216円程度でこのくらいの解説聴けるというのはお買い得だと思うのでぜひどうぞ。
町山智浩の映画ムダ話63 クリストファー・ノーラン監督『ダンケルク』(2017年)。 史上最大の撤退作戦ダンケルク映画化の根本的問題点とは? ノーランの本物志向の裏に隠されたインセプション的ウソとは?
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます