浅草文庫亭

"大哉心乎"
-大いなる哉、心や

つけ麺リアリズム

2011-08-22 22:26:52 | 食べ物
で、やっとつけ麺の話。

つけ麺はあんまり好きじゃない、と言ってたけど最近好きになってきた。

元来の麺食いでありながらラーメン原理主義者である僕はそもそもつけ麺があんまり好きじゃなかった。

でも「これだけ色んな店で出てるということは自分が美味しくものを食べてないだけかもしれない」と思って食べ続けているうちに、「あ、自分はこういうタイプのつけ麺が好きで、こういうつけ麺が好きじゃないんだな」と言うことが分かるようになってきたの。

あくまで僕の意見だけどつけ麺には大きくわけてロマン主義的つけ麺とリアリズム的つけ麺があるんじゃないかと思う。いや、我ながらアホみたいなこと言っているのは良くわかる。でもそう思うんです。

ロマン主義的つけ麺は「いわゆる、つけ麺」を追求したもの。

極太麺、甘酸っぱいつけ汁、魚粉たっぷり、という感じ。残念ながら僕はこういうのはあんまり好きじゃない。そもそも甘味が強いラーメンが好きじゃない。あるところでキャベツがたっぷり入ったラーメンを食べたときもキャベツの甘味がたっぷりで好みじゃなかった。JRの駅によくらーめん粋家ってのがありますが、あそこのラーメンもキャベツたっぷりで好みじゃない。そもそも言っちゃえば味噌ラーメンもさ、あまり食べないんだけどあれも甘いんだもん。

ちょっと話ずれるけど「甘さが旨さ」という考えがあるでしょ。そもそも日本語において「甘い」という言葉を遡っていくと「旨い」にたどり着くらしい。つまり「あまし」が「うまし」になった、と。まぁそれはどうでもよくてとにかく僕は「甘い=美味い」否定派です。

「美味しい、て言うか逆に甘い!」とか言ってる人たまにいるでしょ。そういうの聞いてて「それは旨いんじゃなくて甘いんだよ!ぜんぜん逆じゃねーよ!」と叫んでます、心の中で。

だってね、人間の舌は5つの味を感じられるようになっている。つまり甘味、塩味、苦味、酸味、旨味の5個。ということは甘さと旨さは別じゃん!
ちなみに人間の舌は辛味を感じられません。あれは痛覚を刺激されてる、つまり「痛さ」。だから「辛い!っていうか痛い!」とか言ってるの聞くと「それは当たり前なんだよ!」と叫んでます、心の中で。

はい、つけ麺の話しに戻します。

一方、リアリズム的つけ麺というのはその店のリアルなラーメンに基づいたもの。はっきり言ってしまえばその店のラーメンのスープ濃くしたのに、ザルに取った麺つけて食う、と言うだけのもの。

この2つというのはどちらもありうる方向性で(そのブレンドというのだってあるけど)どちらが好きか、というとそれは好みでしかない。

で、僕はどちらかというとリアリズム的つけ麺のほうが好きです。

「あ、つけ麺もいいじゃん」と思ったのはアメ横に久留米ラーメンの店のつけ麺。そもそも、そこのラーメンが旨いのね。しょんである時、そこでつけ麺頼んでみたんだけどそれはそれでやっぱり旨かったのよ。

あとね、つけ麺はだいたい最後に割スープくれて、それでつけ汁を割って飲むでしょう?それもね、残念ながらロマン主義的つけ麺屋だとがっかりするような割スープが出てくるんです。なんの風味も無いただお湯に粉ぶし溶いただけみたいなさ。なめんとんのか!と叫ぶね、心の中で。

ここにロマン主義の問題が一つある。つまり、「あるべき姿」というのが明確であるあまり、あまりにも平面的で特徴がない、「結局どれもいっしょじゃないか」となりがちだと言うこと。

つけ麺は極太麺ならいいんでしょ、汁は甘酸っぱくて魚粉がたっぷり入ってればいいんでしょ、割スープはお湯に粉ぶしといてあればいいんでしょ、という非常に手抜きがまかり通っている(というお店もある)。

これは例えばロマン主義的芸術であれば「美男と美女出しとけばいいんでしょ、悪人が最後痛いめに合えばいんでしょ」というのと似ている。

だからこそここに僕はロマン主義的つけ麺に異論を唱えたい。

もちろんロマン主義的つけ麺を好む人に取ってみればリアリズム的つけ麺は「単にラーメンのスープと麺を分けただけじゃないか」と思うかもしれない。リアリズムの問題は確かにそこで「まんまじゃねーか!」というとこなんだけどね。

ただね、あくまで傾向だけどリアリズム主義的つけ麺を出す店は普通のラーメンもやってる場合が多くて、そういうとこの中にはほんとのスープを割スープとして出すとこもあるのね。このスープが不味いわけないじゃないですか。

たまに行くつけ麺屋があってそこは割スープがすごく旨いの。風味のあるトンコツスープでね。正直、このスープにちょっと醤油たらしただけで旨いんだろうな、と思っちゃうね。

つーことでつけ麺はリアリズムが好き。

ちなみにカップラーメンはロマン主義が好きです。

ついでに言うと油そばはラーメンにおけるシュールレアリズムだと思ってます。となると麺のポストモダンはどこにあるのか、という問いが生まれるわけです。

あー、麺食べたくなってきた。。。
コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ロマン主義とリアリズム | トップ | 夏がまた来るまでは »
最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (ドッピオ)
2011-08-22 23:58:44
わかるっ!
味噌ラーメンの甘いのってホント文句つけたくなるよな~。ラーメンに甘さなんて求めてないんだよ!ってよ~。

あとさ、焼肉なんかでカルビとか食べて「口の中でとろける」とか「噛まなくても口の中でなくなる」とかあるじゃん。あれも意味わからん。こちとらさー、ガー肉をむしゃむしゃ噛みしだきたいんだよね。ハラミあたりを。
口でとろけんのがお望みならテメーの肉だけミキサーにでもかけろっ!と、たとえかわいい女性が一緒でも面と向かって叫ぶね。心の中で。
返信する
Unknown (show)
2011-08-23 21:36:35
あー、焼肉においては「口の中でとろけるような上等な肉」がロマン主義で、ハラミはリアリズムだわ。そんでホルモンがシュールレアリズム。

寿司もさ、脂のりのりで口の中に入れたらとろけるような大トロ(そんなに食べたことないけど)はそんな好きじゃないんだよね。中トロぐらいが一番旨い。

ちょっとあぶってあってさー塩でさー、あー、札幌の金寿司行きたいわー。
返信する

コメントを投稿

食べ物」カテゴリの最新記事