浅草文庫亭

"大哉心乎"
-大いなる哉、心や

俺が言うぞ、ダメなもんはダメって

2010-07-26 02:35:45 | 
あんまり味噌ラーメンって食べないけど三日月軒の味噌ラーメンはおいしかったなぁ、とかMy angels(友人の子供たち)は相変わらずかわいかったとか、なぜかモデルルームを2軒見てやっぱり家を買うなら札幌だよなぁと思ったとかいろいろあった札幌出張だけど、その話はまた今度にして今日は本の話。

なんたって札幌駅のすばらしいところは本屋さんの多いところだよね。

駅ビルに立派な本屋が二つあるし、駅の隣にはかなり立派な紀伊国屋書店がある。こんなに書店が充実した駅ってあんまり無いんじゃないかな。幸せだよね、札幌に住む本好きの方々は。

ネットで本を買うようになってずいぶん経つけどやっぱりちゃんとした本屋に行って新刊を物色してるとアドレナリンがぼーぼー出てくるね。

つーことでざくざくと本を買ってしまったうちの一冊。

ドキュメント高校中退―いま、貧困がうまれる場所 (ちくま新書 809)ドキュメント高校中退―いま、貧困がうまれる場所 (ちくま新書 809)

こう見えて仕事が教育関係なんです。(どの面下げてこの面下げて)

だからってわけじゃないんだけど、こういう本も読みます。

読んでもうほんと衝撃的と言うか「うむーーー」とうならざるを得ないと言うか。

もちろん高校を中退する人には様々理由があって、高校中退自体が悪いこととは僕は思わない。でもこの本で紹介されている高校中退者のインタビューはほんとうにうならざるを得ない。

やる気はあるのに高校中退というだけで「どうせバイトもすぐやめるんでしょ」と思われバイト先が見つからない、という人。子供の頃から親に虐待を受け一切期待されず高校に入り、高校の入学金も親は支払ってくれず、GWに退学するために必要な手数料を自らバイトして学校に持って行った、というのが初めての登校という人。。。

データを盲信するつもりは無いけど親の年収の低さと中退率が比例しているデータ。

通っている高校の偏差値が下がるほど生徒が「自分は親に期待されていない」と答える比率が上がるというデータ。それは結果として無気力に繋がり、授業について行けないという結果になり、更に勉強する意欲を奪っていく。そのスパイラルの結果は「中退」に繋がっていく。

もう本当に「どうすればいいんだろう?僕に何が出来るんだろう?」と思えてくる。

この本の中に例として少しだけ「面倒な生徒は早くやめさせたほうがいい」と言っている先生も出てくる。

仕事柄、学校の先生とも話をするけど断言してもいいけど僕が会っている先生たちの中でそんな先生は一人もいない。例外なくどの先生も「生徒たちをちゃんと教えたい、生徒たちの可能性を広げたい」と心から考えていつも(かなり大変に、忙しく)仕事をしている。

でも、この現実を変えられない。

生徒は僕らから見ればほんと取るに足らない(もちろん本人に取っては大きいんだろうけど)理由で高校をやめていく。

そして知識や教養が無いまま社会に出て行く。立派な知識が必要だと言っているんじゃない、たとえば九九とか、生活に必要な書類を書くこととか、避妊とかそういう知識。

そして多くの人が、本当に残念ながらこの社会の中で貧困に落ちていく。

印象的な言葉がある。

「貧困というのは『選択肢が狭まる』こと」

どうすりゃいいんだ?

少なくとも大多数の人が18歳の時に無限ではなくてもせめていくつかの選択肢とともに社会に出て行けるようになるには。

もちろん親も悪いだろう。それもそうだけど文科省もなんとかしてくれよ。みんな真っ当に教育受けて、頭のいい人たちのはずじゃないか。

僕の声なんて世界に取っては小さいけど僕は言い続けるぞ、自分のことは棚に上げまくって。

「勉強はしなきゃダメだ!理由なんてない、ダメなもんはダメなんだ!」
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2 コメント

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Unknown (ドッピオ)
2010-07-28 00:21:27
そう!ダメなものはダメなんです。

子供なんかがさー、「ねぇねぇ、なんで寝る前に歯を磨かないとダメなの~」とか「どうして野菜を食べなきゃあダメなの~」とか尋ねてくるけど、「ダメなもんはダメだ~」です、大人なら。

『子供も理解ができるから、大人きちんと説明してあげないといけない』って意見もあるだろうけど、「説明はしない。でもダメ」って言わないといかんぜよ。ごわはん。じゃき。であるか。
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Unknown (show)
2010-07-28 12:08:11
ある芸能人の思い出話でね。
高校の頃シンナーを吸ってて親に怒られたと。親は怒り方が「体に悪いから」とか理屈だったんで自分も「なにがわるいねん!」と口答えしてたら、親はちょっと離れたとこに住んでる叔父さんに電話したんだって。その叔父さんは怖くて有名で電話受けた瞬間、電話口から聞こえるくらい怒鳴って「いまから俺が行ったるわ!」と。車だったら1時間かかる距離だから「なんぼいうても運転しながら冷静になるやろ」と舐めて待ってたんだってさ。
そいで1時間経ったらバーンと玄関が開いておじさんは電話の時と同じテンションで怒っててそいつが「いや、あの」って言った瞬間ボッコボコ。殴られながら「あーよかったなー怒ってて」って思ったんだってさ。

暴力がいいわけじゃないけどダメなもんを理屈抜きでダメって言うって愛だよね。

ちなみにその芸能人は島田紳助。
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