浅草文庫亭

"大哉心乎"
-大いなる哉、心や

難しいなぁ、メルカリ現金売買問題。

2017-04-26 14:27:52 | ニュースから
犯罪ダメ、ぜったい。

さて。

フリマアプリで現金が売られている、というニュースがあった。

メルカリで現金売買、なぜ?と話題に

この記事によると「1万円札4枚」が47,300円程度で売られていたんだってさ。なにそれ?って思うけど、この記事によると「クレジットカード枠の現金化」が目的ではないか、とのこと。

なるほど。

多重債務者で借金があって借金を返さなくてはいけない、でもお金が無い。でもクレジットカードはある。だれば7,300円損しても4万円の現金(キャッシュ)が入ればとりあえず借金は返せる。。

まぁねぇ、街中の電信柱に貼ってある「クレジットカード枠の現金化!」ってチラシみたいなもんですな。

ま、そんな借金あったら遅かれ早かれ行き詰まるだろうから早めに整理したほうがいいよ、って話でしょうが。

これってね、難しい話だなぁと思うんです。

このニュースを受けて該当サイトは「現金の出品」を禁止した、と。

で、それを受けて「チャージ済みSuica」が出品されてます。僕がさっと検索しただけでも「2万円チャージしたSuica」×5枚が113,600円で売れていた。

Suicaは残額から手数料220円引いて、一枚あたりデポジット(前払金)500円を足して払い戻すことが出来る。

つまり、20,000円チャージされているSuicaを窓口に持ってって払い戻ししてもらうと、チャージ金額20,000円から手数料220円引いて、デポジット500を足して、、えーっといくらだ、20,000-220+500で20,280円の現金が手に入るってことか。5枚だと101,400円。つまり101,400円の現金を113,600円で買った、ということになる。うむー、換金率は約89%。つまりこの方法で11%は損する、なんつーか手数料というか利子というか分からんけど、つまりそのくらい「抜かれる」ってことだね。

「クレジットカード枠の現金化!」とか道端に貼ってあるチラシは「新幹線の回数券をクレジットカードで買って、それを業者が現金で買い取る(業者はそれをチケット屋に転売する)」という方法らしい。いまちょっと調べてみたら「換金率85%以上!」とか言うのがあった。それに比べたらまぁ割が良いのかねぇ。。

ちなみに「現金4万円を47,300円で買った」場合の換金率は84.5%。うーん、それなら街場の換金屋行ったほうが。。

※繰り返しになりますけど、こんなの使わないほうがいいと思いますよ、借金は早めに整理しましょう。

考えれば考えるほど「アプリを使ったクレジットカード枠の現金化」って難しい問題だな、と思う。

今回さ、このアプリ運営者側は「現金の出品」を禁止にした。でも、利用者は即「チャージ済Suica」という方法を思いついた。次、どうすればいいだろう?「Suica(まぁ交通系プリペイドカード全般)」を禁止にする?

そうするとさ、例えば今、コンビニでAmazonギフトカードとか売ってるじゃん?仮に「1万円分のAmazonギフトカード」が9,900円で売ってたら、普通の人は買うよね、タイミングによって。もし僕だったら「まーAmazonで1万円なんてすぐ買うなー」と思うから、町を歩いていて「Amazonギフトカード9,900円」ってあったら買っちゃうかも知れない。つまりさ、Amazonギフトカードをクレジットカードで買って、それを金券屋に売る、って方法だってあるかもしれない。そうなったら「Amazonギフトカードは出品禁止」ってする?

オッケー、じゃ「金券の類は全て出品禁止」にしようか。

じゃあさ「金塊」はどう?いまパッと調べたら金1gの買い取り価格って4,800円くらいだってさ。アプリでクレジットカードで金を買ってそれを速攻で売りに行く、としたら?じゃ「金の出品禁止」にする?だとしたらさ「金の入ってる指輪」も出品禁止にしないといけないよね?じゃ金の指輪はダメだけどダイヤの指輪はいいの?え?プラチナの指輪はどうなの?

ってなっちゃうよねー(笑)

いや、僕は意地悪したいわけじゃなくて「難しい問題だなー」と思うのよ。

だってさ、こういうアプリとかネットサービスって「交渉が成立すれば何を売ってもいい」わけでしょ。

例えばさ、いま僕の手元にマグカップがある。これを出品する。10万円で。その代わり、このマグカップを「もし気に入らなかったら85,000円で買い取る」というオプションを付けたらどうなるだろう?買い手は入札して落札してクレジットカードで10万円払う。僕には10万円(よくわからないけどアプリの手数料とかかかるだろうからちょっと引かれるんだろうけど)、ま、10万近くが入る。落札者は「気に入らん」と僕に売る。僕は85,000円で買取るという約束をしているからマグカップを返してもらって85,000円を落札者に現金で渡す。

これを禁止する方法があるんだろうか??難しいよね。

例えば今、「私の30分売ります」というネットサービスがあるじゃないですか。僕はこれ自体は否定していない。何か技能を持っている人がいて(コーチングとかコンサルティングとかが多いようだ)、その人の30分を売る。買う方は例えば30分でも話を聞いてもらって解決策が得られれば、それはWin-Winだろう。でもさ、これも支払いはクレジットカードなんだよね。

だとしたらさ、こういうのはどう?

「30分後に10万円現金を渡します、その30分を85,000円で売ります、支払いはクレジットカードで」

※繰り返しになるけど、クレジットカード枠の現金化って損だからホントにやめたほうがいいとは思ってますよ。

僕は思考実験としてこういうことを考えてて「うーん、やっぱ難しいよなぁ」と思うんです。

そもそも論として言えばこういうやり取りにクレジットカードを使うな、って話になっちゃうんだけど、そうなったらさ、ちょっとしたもの(なんだろ、不用品の服とか)を売るにも現金書留とかしなきゃいけないの?ってなっちゃうし。

転売が禁止、ってんなら「買ったはいいけどやっぱ違った」と思うものをもう一回、そういうアプリに出すのもダメなの?ってなるしさ。

いやー、ほんと難しいねぇ。。