浅草文庫亭

"大哉心乎"
-大いなる哉、心や

晴天の霹靂

2014-06-02 19:44:37 | 
「晴天の霹靂」という映画を観てきました。

予め言っておきますけど、オススメですから少しでも気になったり、ちょっと暇なんで映画でも見ようかな、と思っているならご覧になられたほうがいい。誰が出てるとか監督が誰だとかストーリーがどうとかなんにも知らないほうがいいと思う。僕の文章なんてもちろん読まなくていい。

だもんで予告編動画も貼らないでおきます。



というのもまったく予備知識がなくて「なんか大泉洋が出ててちょっとほんわかした映画なんでしょ」と少しバカにした気持ちもありつつ観に行ったの。どうもすいません。

観たら想像以上に良くてですね~。「いいから黙ってこれ観て」という感じで映画をオススメされて、ほとんど何も知らずに映画を観るという経験(その映画が面白かったら、だけど)は、いいですね。

話としては、大泉洋は売れないマジシャン。後輩にも追いぬかれてバカにされている。この後輩ってのが「桐島、」のキャプテン。髪型変わっていたので最初わからなくて「どこかで観たことあるなー」と思ってました。行方しれずだった父親が無くなったという連絡があり、遺骨を引き取りに行く。そこで不思議な落雷があって40年前にタイムスリップしてしまい、そこで、当時の父(劇団ひとりが演じてる)と出会う、という話。

大泉洋と劇団ひとりが、昭和浅草の演芸場でコンビを組んで舞台に上がるんだけど、さすがに舞台出身俳優とお笑い芸人、舞台上で巧いんですわ。普通の俳優さんが芸人役で舞台に上がったりしててもあんまりおもしろくない場合があるけど、この二人はやっぱり違った。舞台慣れしているというのか呼吸がいいというのか。

いまさらなんだけど、改めて、大泉洋っていい俳優さんだねぇ。コメディも出来るしシリアスも出来る。「探偵はバーにいる」シリーズの頃から思っていたけど。劇団ひとりもこんないい俳優だとは思わなかった。役として昭和40年代の人の役なんだけど、服装とか髪型とかなんとなくの表情とかが本当にそれっぽかった。柴崎コウももちろん悪くない。女優を綺麗に撮る、というのは映画の基本ですからね、良かったですよ。

役者と言えば「桐島、」組の俳優さんが結構出てた。冒頭にキャプテン、中盤に武ちゃんと先生。もうこれだけで桐島好きしては5億点ですよ。特に先生はセリフもたくさんあっていつも怒ってる役で良かった。

話の筋としてはお涙頂戴ものであまりにもセンチメンタルすぎるような気もするけど、それでも役者同士のアンサンブル、監督の腕がよくってすっきり見られたですよ。

まったく予備知識が無かったんだけど終盤のストーリー、またラストシーンの切れ味が素晴らしくて「これは監督の腕がいいんだな、誰なんだろう?」と思いエンドロールを最後まで見ていて驚いた。なんと監督は劇団ひとりなんです。更に原作小説も劇団ひとり。え?この人、こんなに才能あったの!?と驚きました。

とにかく面白かったし、驚いた。まさに自分にとってこの映画の存在自体が「晴天の霹靂」だった。と、うまいこと言ってみる。
コメント
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