浅草文庫亭

"大哉心乎"
-大いなる哉、心や

思わず僕は沈黙する。

2008-08-28 00:50:09 | 
まぁこの夏は本を読みました。毎年そうなんだけど、やっぱりしっかりと時間があるとたくさん本が読めていいね。

最近は区立図書館という手も見つけたので読む本には事欠かない。さすがは区立の図書館で一般的な本から漫画、雑誌、DVDまでたっぷり取り揃えてある。日頃、日本語の本に飢えていらっしゃるむめもさんなんかが行ったら卒倒するんじゃないかと思うね。

最近、読む本の傾向としてはフィクションとノンフィクションが交じり合っている。良いノンフィクション(ドキュメントはもちろん、たとえば数学に関する本とかでも)を読むと「こんなに事実が面白いんなら小説読むより楽しいじゃないか」と思うし、一方で良い小説を読んだら読んだで楽しめるし。

特に面白かった本。


元サッカー選手(プロではなかったかも)で現フリーライターの著者が15万だけ持って各国のサッカーを見に行く。さすがは元プレーヤー、単に観戦するだけでなく地元のストリートフットボールなんかにも参加してみる。タイトルのBBBは「貧乏、ビール、ボール」。
こういうの読むと当たり前だけど世界の何処に行ってもボールとビールはあるんだなぁと思うよね。現代の「深夜特急」と呼んでもいいと思う、僕はね。

遠藤 周作
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深い河』に続き、遠藤周作。鎖国が始まった江戸時代を舞台に迫害される切支丹とポルトガル人宣教師の話。正直言ってテーマ的には『深い河』と負けず劣らず深いし重いよ。テーマは「神の沈黙」。ポルトガル人宣教師は拷問を受けながら、また自分が「転ばない(=信仰を捨てない)」がために切支丹たちがさらに拷問を受ける、という状況に身を置きながら、考える。「もし神がいるのであれば何故この状況を見て放って置かれるのか。なぜあなたは『沈黙』を続けるのか」

うむー。。。

普通、「そんなの答えなんか出ないじゃん」と思うけど、そこは遠藤周作、彼なりの結論らしきものには行き着く。

繰り返すけど僕は無宗教、というか典型的な日本人の宗教観しか持ち合わせてない。けどいろいろうむー、と考えてしまう。

正直に言って最近、『深い河』に引き続き宗教関係の本を読んでいるけどだいたいまぁ面白い。自分は何か特定の宗教を信じるようにはならないと思うけど。

なんで面白いのかな、と考えてて正直ふっと解ってしまった。

結局、僕は「うらやましい」んだ。

とにもかくにも何かひとつのことを信じられ、それが人生の多くの場合で指針になる、という人々のことが。

まぁ迷い多き人生もそれはそれで楽しいとは思うけどさ。
コメント (2)
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