浅草文庫亭

"大哉心乎"
-大いなる哉、心や

魚群にリーダーはいない。

2008-07-05 02:31:22 | 
どうも旅するリーマンです。

東北とはいえ、会津若松はそれなりに暑い(盆地だから)ということをしっかりお伝えしたいですね。

新幹線の中で読んだ本。

池谷 裕二
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この著者と糸井重里の対談集「海馬」も読んだけど面白かったなぁ。すごいよ、脳。

ぜひこの本も読んで頂きたい。

面白かったのは(たくさんあるけど書きやすいの。他の面白い話は説明しづらいんですよ。そんな話を高校生に説明している著者はすごい)魚群の話。

空を飛ぶ鳥の群れにはリーダーがいて、他の鳥たちは「リーダーについていこう」というプログラムで飛んでいるので群れが成り立っている。

一方、場合によっては何万匹にも及ぶ魚群。そっちにはリーダーがいないんだって。では何故皆同じ方向に泳いでいるか。それは魚の脳に3つのプログラムがあるからだそうです。1、出来るだけ隣の魚と近づいて泳ぐこと。2、近づきすぎると泳ぎづらいので離れること。3、隣の魚と同じ方向に泳ぐこと。この3つのルールを一尾一尾が守っていると群れになれる。びしっと統率が取れて泳ぐことが出来るし、たとえば危機(でかい魚が襲ってきた、とか)にも対応できる。

ふと思ったのは人間の社会というのも一緒なんじゃないかな。たとえばファッションにしてもファッションリーダーという人がいるけどその人が全部決めているわけでもないでしょう。人間には「出来るだけみんなと同じ格好したい」「でもまったく一緒だとヤダから少し離れる」みたいな習性があって、全体としてそれがトレンドみたいなものになってる気がする。

あと、特に人間の脳には「ゆっくり覚える」という習性があるそうで。
たとえば一瞬で記憶してしまうと様々な問題がおきる。たとえば極端に言ってしまうと、髪の長い人に会ったときに、その姿を一瞬で記憶し「これが○○さんだ」と思ってしまうと髪を切った○○さんに会ったときにその人が○○さんだと認識できない。もっと極端に言ってしまうと○○さんの正面顔を記憶してしまうと○○さんの横顔を見たときに判別できない。だから「物覚えが悪い」ってのは人間の脳の習性でもあるらしい。そういうこと聴くと勇気が出てくるね。



脳すごいな。