浅草文庫亭

"大哉心乎"
-大いなる哉、心や

翻訳教室

2006-06-13 06:41:46 | 
一応大学が英語科なんで、翻訳のクラスとかあった。一年間の授業で一冊翻訳する、となると「がしっ」とした長編は無理で(ジョン・アーヴィングとかは無理ですね、明らかに)短編とか中篇が多かった。

覚えているのはアーサー・ミラーの「セールスマンの死」とかテネシー・ウィリアムズの「ガラスの動物園」とかね。ん?なんか戯曲ばっかだな。

覚えているのは一年生の時にカントリーミュージックとか、ポピュラーミュージックを訳す授業。先生が「もっと感情を込めて」という面白い先生で「私は町を旅立つ」なんて訳すと×で「おいらは街を出るのさぁ」なんて訳すと○。

翻訳って難しいよね。単純に単語を日本語に置き換えればいいってもんでもない。ということで本屋でまさに「教室」な本を見つけた。

翻訳教室  柴田元幸


柴田元幸教授の翻訳に関する授業の実況中継みたいな感じ。章ごとの頭に米文学の短編、あるいは長編の抜粋がある。(英語でね) それを書くパラグラフぐらいの単位で訳していくもの。いやぁ、面白い。学生と柴田教授が「ここの句読点はつけるべきか?」とか「この"you"は訳すべきかそれとも無視するべきか」みたいな話を延々とやってる。あ、念のため硬い討論ではないです。「とったほうがいいんじゃないかな?」「僕は訳すべきだと思うです」みたいな会話。こうやって翻訳力ってついていくんだね。やっぱり理論じゃない。

途中、村上春樹が特別ゲストで参加して翻訳愛を語ってます。

話は変わるけど、そこで村上春樹が言っていたのが、「エスクァイヤ」という雑誌で「村上ソングズ」という自分の好きな歌詞を訳す、という連載をやっている、とのこと。いやーそういうことあらかじめ言っといてくれないと。読まなきゃ。

話し戻すとこの本は面白いです。取り上げられる英文が決して決して難解なものでないので英語学科卒じゃない人でも楽しめると思いますよ。

こういうある人にとってはどうでもいいこと「このtheyは訳すべきか否か」とかを真剣に結構時間をかけて議論できる、というのがそもそも大学じゃないですか。

四つ星★★★★☆
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ふて寝

2006-06-13 02:30:18 | スポーツ
です。今日は。

はああああ。3-1かぁ。

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