柴田典子の終活ブログ「エンディングノート知恵袋」

エンディングデザインコンサルタント柴田典子のブログ。
葬儀に関わらず「賢い老い支度」として終活全般のお話もしています。

2008年のブログですが今でも読まれ続けています。

2023年12月09日 | 終活セミナー

きれいな故人に触ってください


ご遺体の体の中は、感染症の危険があると、お話ししましたが
きちんと処置すれば、大丈夫なんです。

簡単に言えば
「遺体から漏れた、体液や血液や尿や便等を素手で触ってはいけない」
ということです。

そういうものが無ければ、体や顔や手に触れても大丈夫なんですよ。

ご遺族が安心して故人に触れることが出来るように
葬儀社の人は、きちんとご遺体の処置をしないといけないのです。

体液や血液が体の外に出ないように
殺菌剤を使って、しっかり詰物をする、事が重要になります。

又、自然な容貌を作るためには
口の中に含み綿をしたり
落ち込んだ瞼が開かないようにしたりするのです

ご遺族が故人の顔や手をさすれるように
頬ずりできるように。
生前の面影が残るように。

その為に、葬儀社の人は
きちんと手袋やマスクやエプロンを着け
遺体の隅々まで手を抜かずに処置をして差し上げるのが
仕事なのです。


きれいになったお体なら
触ってあげてください。

亡くなったばかりの時は、まだ温かくて柔らかいんです。
そう、まるで寝ているようです。

時間が経ってくると
冷たくなり、体に硬直が起こります。

髯や爪が伸びたように感じますが
皮膚の細胞が乾燥して縮んでくるのです。

お布団から、柩に納められ
やがて火葬場で荼毘にふされます。

遺骨になったのを見て
「もう、この人は生き返ってこない、戻ってくる体が無くなった」

そう思った時に、遺族は
最初の諦めをつけるのだ・・・・

私はそう思っています。

出棺する時は心が乱れていても
遺骨を抱いて帰ってきた遺族は
皆、気が抜けたような
ホッとしたような表情をしています。

亡くなった人の体に触れて、その変化を感じる事は
死を自然に受け入れることなんですね、きっと。

その大事な状況を作るのは
葬儀社の人の努力が必要なんです。

葬儀社の人は、自分にも、ご遺族にも、安全を確保してあげることですね。
 
 
終活セミナーでも受講者の方に同じ想いを伝えています。
葬儀社だけが知っていればいい知識ではなく、ご遺族にもきちんと説明すべき事なんです。
「死」を学んでいただくことは「死」を扱う葬儀社の役目と私は考えています。

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