柴田典子の終活ブログ「エンディングノート知恵袋」

エンディングデザインコンサルタント柴田典子のブログ。
葬儀に関わらず「賢い老い支度」として終活全般のお話もしています。

死が迫ていても、食べたい物への拘りが

2023年10月31日 | 終活セミナー

緩和ケア病棟で働く管理栄養士さんの記事を読みました。

「余命が見えている患者さんが何を食べたいのか、その願いを叶えるにはどうしたらいいのか」

に思いを巡らせて緩和病棟を選んだ方です。

死が迫っていても、食事への拘りは強いものです。

特に口から食べることで死のリスクが高くなっても、本人にとっては生きている実感が持てるのかもしれません。

緩和ケア病棟でも「カレーうどんが食べたい」「そうめんが食べたい」「ミキサーでつぶしたものなんか食べたくない」という声が聞こえてくるそうです。

その声にこたえて、この管理栄養士さんは直ぐに希望の食事を提供し、「おいしい」と患者さんの笑顔を確認しています。

その直後に亡くなる方もいるそうで、食事が死を早めたとしても本人の希望を叶えてあげたい想いは残るそうです。

私の父も食べ物への拘りが強く、毎日「釜めしが食べたい」「あの店のたい焼きが食べたい」と家族に我儘を言い続けていました。

緩和期ではなかったのですが、ある日「味噌田楽が食べたい」と言い張り、それを聞いたヘルパーさんが帰り際に近くのお店に出前を頼んでくれました。

それを食べて蒟蒻が気管支に詰まり緊急搬送されその後亡くなりました。

ヘルパーさんは泣いてお詫びに来てくれましたが、家族全員が心からヘルパーさんの気遣いに感謝しています。

父が一番喜んだはずと確信していたからです。

余命を縮めてまで危険な食事を与えるべきではない、との声もあるとは思いますが私なら、やっぱり好きな物を食べさせてあげる方を取ると思います。

皆さんはどう思いますか。