柴田典子の終活ブログ「エンディングノート知恵袋」

エンディングデザインコンサルタント柴田典子のブログ。
葬儀に関わらず「賢い老い支度」として終活全般のお話もしています。

応急処置にも訓練が必要

2008年12月04日 | sibatanoriko?
お葬式って、急におきますよね。
だから準備に時間がかけられない。
他の用事に気をとられて、服装や履物まで気が回らない。
いざ出かける時に「しまった!」と思うことがあるんです。

慣れない和服の場合は、特に色々な問題が発生しました。
自前の着物を持ってこられた方が、よく忘れ物をされます。
腰紐が足りなかったり、足袋がなかったり、帯の前板がなかったり
時には草履を忘れたり。
応急処置で、パンストやカレンダーやダンボールを使ったりしました。
(足袋の場合は買いに走りましたけど)

一番困るのが、持ってきた着物が小さくなっている時です。
喪服を作ったときは、痩せていたんでしょうけど
何十年も着てないので、太った事を忘れちゃったみたいです。

通夜の直前に袖を通してみたら、着物の前が重ならない!
腰紐も一重しか回らない!
帯も短くて、お太鼓が作れない!
もちろん、帯締めだって結んだら羽織の紐みたいになっちゃう!
(こんな時は知り合いに電話掛けまくりで大きな喪服探しました)

こんな事よくあるんです。

喪服用の草履も買って何十年もはいてないと
鼻緒が痛くて、歩けないし
草履の底が剥がれることもあるんですよ。

草履もしまいっ放しだと、底を貼り付けているノリがだめになるんですね。

そういう時は応急処置をします。
草履の剥がれた所にガムテープを張って、とりあえず
剥がれた底をつけます。
そして、その上から黒のマジックでガムテープを塗ります。
これで何とか2日間はもたせます。

靴に金のバックルがついているときも
同じ方法です。
バックルの上にセロテープを張ってその上を黒マジックで
塗ってしまいます。

なにしろ
時間に余裕が無いので応急処置が上手になりました。



ある日、仕事である方の事務所に打合せに伺いました。
ビルの入口まで来て、なんだか足元が変なんですね。
よく見たら、スーツのパンツの裾から糸が長ーく伸びてる。

糸が切れてたんです。
裾は半分以上が糸が外れてダラッと落ちてました。

「やだー、困った」
「糸はないか?、安全ピンはないか?セロテープでもホチキスでもいい!!!!」
ところが近所にはコンビにも、普通の店すら見当たらない。

「どうしよう・・・」途方にくれていると
ビルの入口に花壇がありました。
そこに目が釘付けに    「やったー♪♪♪」

花壇には大きなサボテンがありました。
立派な棘がたくさんあるではないですか。

早速パンツの裾に刺してみたら
ちゃんと針みたいに止まったんですよ。

足に突き刺さらないように
短めな棘を選んで、パンツの裾に数箇所刺して
そっと、歩いて目的の事務所に向いました。

このサボテンの棘は、なんと半日の間
ちゃんと用を果してくれたのです。
このときにサボテンの偉さを知りました!

日ごろの応急処置の訓練の賜物ですね。



注意:小さなお子さんは危険ですので絶対に真似をしないで下さい。