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さうぽんの拳闘見物日記

ボクシング生観戦、テレビ観戦、ビデオ鑑賞
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拳闘見聞の日々。

逸材のキャリアは好転するか 中垣龍汰朗、正念場でKO勝ち

2025-03-12 12:51:34 | 関東ボクシング



そんなことで昨日は相変わらず地味な感じのFODフェニックスバトルでしたが、バラエティに富んだ内容の好ファイトが続き、なかなか見応えありな興行となりました。
簡単に感想だけ。


第一試合、実況解説、スローリプレイもない前座扱い配信が残念だった富岡浩介、湊義生の注目カードは、鮮やかな決着とはならず、3回のバッティングで両者ともカット、7回開始早々にドクターストップ、負傷判定は3-0で富岡。
内容的には好ファイトで、空席の目立つ時間帯にやるのはやはりもったいなかった。
湊の踏み込みが速く強く深く、迎え撃つ富岡の左も鋭い。両者、リードもカウンターも鋭い応酬をしたが、やはり富岡のヒット率がまさっていたように。
しかし最後まで見たかったですね。そこは無念でした。


ミドル級、ワチュク・ナァツが酒井幹生を2回、左右連打から最後は左フックの返しで、強烈なKO。
両者左が良く出て、初回は坂井の右オーバーハンドも決まったが、最後はナァツの右二発から左でフィニッシュとなりました。
担架で退場した酒井、その後大丈夫だったのでしょうか。ちょっと心配です。


この日の試合で、内容的に白眉と言えたのは中垣龍汰朗と小川寛樹、ホープ同士が生き残りをかけたサバイバルマッチだったと思います。
共にアマチュア時代、実績があるが、プロ転向後は苦しい闘いが続く中垣と、初黒星から1年3ヶ月ぶりの再起となる小川。
長身、リーチに恵まれながら、離れずに踏み込んで打ち込むスタイルの小川に、どうもプロでは打ち合うのか捌くのか、迷いが見える中垣でしたが、この日はやや小川が優勢に進めるも、中垣の方も攻防ともに切れがあり、思い切りが良い印象。
3回まで小川リードと見ましたが、4回、中垣左ヒットし、徐々に(全部とはいかずとも)外せる確信も得て、5回から「行った」か。
小川は変わらず手数を出すが、ヒット率は下がっていたように。中垣の左フックがカウンターで決まり、小川ダウン。
追撃にさらされた小川を、レフェリーが救ってTKOとなりました。

八重樫東トレーナー、満面の笑顔でしたが、こういう苦しんでいる選手が、勝負と言えるカードで勝ってくれたんだから、これは嬉しかったのでしょうね。
打った後の小さい右サイドへのステップや、左カウンターなどはこれまでの試合でも見られましたが、今回のように、ひとつずつに「確信」を込めてやれるようになれば、だいぶ違ってくるでしょう。
この勝利が中垣のキャリアを大きく好転させるものかは、まだ何とも言えませんが、元々アマ8冠なんて、並大抵では無い実績ですし、本来の力を発揮出来るなら、大いに楽しみです。


日本と世界のタイトルマッチでユーリ阿久井政悟に二敗した、桑原拓の再起戦は、インドネシアのハムソン・ラマンダウと、52キロ契約の8回戦でした。
正直、カード一覧を見たとき、この試合が一番イージーファイトだろうなあ、と思っていたら違って、桑原は速いワンツーなどで飛ばしていた2回、左フック一発でダウンを喫する。
桑原、スウェーで外せず、足が止まっているところに、小柄なラマンダウが思い切り踏み込んできて、打たれました。

小柄なラマンダウ、即、追撃に出ないのは?でしたが、その後もしっかり見て狙ってくる感じはある。
桑原は焦りか怒りか、ちょっとバランスを乱したまま攻めていくが、パンチが速いのは良いが、怖い間の「合わせ」が待っていて、ちょっとリスキーな印象も。
5回、ラマンダウのパンチを外して、同時に左ボディを突き刺し、ワンパンチKOで仕留めましたが、相手が待ち一辺倒じゃなく、能動的にボクシングが出来る相手だったら、と考えると、課題が残った試合。
スピードは抜群、倒し方も凄かったので、そこは良し、でしたが。今後は世界世界と急かず、まずは日本や東洋、国内ライバル相手の好カードに出てほしい、と思います。


メインはミニマム級とは思えない打撃戦。伊佐春輔が、強打の石井武志を恐れず先制攻撃をかける激しいスタートでした。
伊佐の手数はかなりのものながら、石井がロープを背負いながら、インサイドにアッパーを打ち返し、その威力でまさる。
初回、伊佐はポイント取りたかったが、取れたのかどうか。
石井は左ダブルや、アッパーを織り込んだコンビネーションが多彩になっている印象。

3回、伊佐は食いついて打ち勝ち、また離れて足を使い、ヒットを取るなど、ここはポイントを取ったか。
しかしパワーの差が徐々に出て、伊佐が前に出て攻めても、石井の反撃で逆にダメージが蓄積していった模様。
5回、伊佐がロープに詰めるが、石井が右を二発、次いで左アッパーが効いた?直後の右で伊佐ダウン。
伊佐、立とうとしたが少し遅い。朦朧としていたせいか?見た印象以上に効いていたか。そのままKOとなりました。
石井、徐々に相手のレベルを上げていき、色々と「備え」が増えていけば、強打者でもあるし、上位進出も見えてくると思います。


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2 コメント

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Unknown (R45ファン)
2025-03-13 08:24:43
セミファイナルから見れました。
桑原くんがあの手痛い負けからどう変わったかを見てみたかったですが、いまいちという感じ。あのダウンとその後の力づくの戦い見ると、相手を見て一番いい選択するとか、駆け引きの部分が上手くない。いうなれば田中恒成くんのスケールダウン版みたいに感じられるんですよね。だから落ち着いて見て戦えるユーリくんには通じなかったのでそこからの成長が必要と思ってますが…飯村くんとかおっしゃる通り東洋圏でまだ切磋琢磨が求められそうですね。

石井くんのアッパーは目につきましたね。多分あの倒れ方は蓄積でしょう。今後防衛重ねて戦術技術の引き出し増えればと。
ただ石井くんが良かったというより伊佐くんの戦い方に?マークがつきました。意表を突いたつもりなのか、あるいは色々考えた中でああしたのかは分かりませんが、前に出て打ち合う選択により彼我のパワー差がモロに出る。伊佐くんのパンチがダメージ与えられそうなものでなく、また再三アッパーもらいながらそこに対処する術を見出せなかったのはタイトルマッチ経験者としていただけない。センスある訳じゃないからできる事限られるでしょうが、もう少し何か策なかったかなと。
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コメントありがとうございます。 (さうぽん)
2025-03-13 08:43:42
>R45ファンさん

桑原はなるほど、相手見ないで良いとこ見せたい、みたいなところありますかね。田中恒成と通じる...確かにそうかもしれません。厳しいですが。階級は上げる可能性もありますね。より動けるのなら、その方が良いでしょう。
伊佐はタイトルマッチとあって、色々考えて勝負したのでしょう。どう闘おうと、威力と精度で石井が上回ったということですね。というか、石井のパンチ力はやはり相当ですね。日本レベルでは抜きん出ています。上の話をするにしても、今は足りないところがありますが「元手」としては充分ではないか、と思うくらいです。
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