goo blog サービス終了のお知らせ 

さうぽんの拳闘見物日記

ボクシング生観戦、テレビ観戦、ビデオ鑑賞
その他つれづれなる(そんなたいそうなもんかえ)
拳闘見聞の日々。

苦手克服への道筋はあるのか 小國以載、TR興行で村田昴と対戦

2025-04-24 08:56:46 | 小國以載



少し前から、伊藤雅雪代表率いるトレジャーボクシング、次回国内興行の話は出ていて、小國以載に何か大きな?試合が組まれるという仄めかしがありましたが、蓋を開けたら予想外のカードが発表されました。ははー、そうくるか...という。

5月20日火曜、後楽園ホールにて。相手はWBOアジアパシフィック、スーパーバンタム級チャンピオン村田昴です。
帝拳の、無敗の若手ホープとの試合が組まれたことに驚きましたが、小國が苦手とされる、対サウスポー戦に踏み切ったのも、それと同じくらい大きな驚きでした。


小國以載はよく知られるとおり、サウスポーの和氣慎吾、岩佐亮佑に文字通り「大敗」を喫しています。
左側へ踏み込んで右ストレートから入り、左フック返し、サイドに出る。これは小柄な、或いは平均的な体格のファイターによる、ベーシックな戦法です。
或いは正面から左ジャブで槍衾を作り、突き放して斬り込んでいく。長身ボクサーに適した「クロンク・スタイル」によるサウスポー戦術ですね。
対サウスポー戦術はこのふたつに大別出来ますが、小國は和氣、岩佐戦において、共に、正面に位置し、深く踏み込めない遠目の位置から、左ジャブリードではなく、右ストレートリードで入るという、決定的な食い違いを是正できませんでした。

正対した遠目の位置から、大きく身体を回して戻す、右ストレートの打撃動作は、その前後ともに、サウスポーにとっては、左ストレートを合わせるのに良い的です。
これが左側に身体を逃し、或いは軸をずらして右ストレートを打てるなら、左サイドへの移動、旋回と、そこから後続打が打てる回りになるのですが、その前提なしに、正面から行く。
正対した位置から打っていくのなら、中心とするべきリードブローは、身体をあまり前に出さずに打てる、左ジャブや左ストレートであるべきなのに。

この決定的な食い違いを、まさか本人が理解していないはずもないと思います。しかし、いざ試合ではどうしても、悪い選択を重ねてしまう。
これを「苦手」と言うのなら、今からそれがどうやって直るものなのか、正直想像がつきません。


しかし、もし左右の問題がなくとも、プロのリングで線の細さが消えてきて、いよいよ本格化への兆しが見えてきたホープ、村田昴の実力は、それ自体が小國以載にとって充分に脅威です。
いかに小國が効率の良いフォームで、見た目以上に効果のあるパンチを遠距離から上下に打ち分ける、骨太の技巧派であるとしても、上昇期にある村田との対戦で、有利の予想は元々立たないでしょう。

改めて、小國がこの試合に踏み切ったことは驚きです。帝拳側が先日、6年ぶりの勝利を上げた、非アクティブなベテラン選手との対戦を受けたことも同じくですが。
しかし、元IBF王者でもあり、ンギーチュバ戦の初回KO負けがあるとはいえ、カシメロや栗原慶太と伍して闘ってもいる小國なら、対戦することにメリットもある、という判断だったのかもしれません。
何しろ、小國にとっては大一番、今度こそ進退を賭した一戦となりましょう。これは要注目です。



アンダーカード、これも出場選手として名前が上がっていた、強豪ドニー・ニエテスはというと、池側純と121ポンド契約で対戦。6回戦とは驚きですが。
これはちょっと、体格面でどうなのだろう、という気がしますね。
谷口将隆の再起戦も組まれ、スーパーフライ級のコンドル稲葉、という選手と。これも体格ではハンデがありそうですが。
無事に勝って、本人も厭わぬ構えだという、高見享介との対戦に進んでもらいたいですね。




コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 斬り合いの中で狙って倒す ... | トップ | 井上尚弥ロス到着、いきなり... »
最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (R45ファン)
2025-04-25 06:04:56
事情あんまり知らないファンが見たら、「おお村田の試金石となる試合だな」となりますが、私ら実情理解してますからね。本当に品よく筋良く強い小國さんはサウスポー相手だと何でこうなるよ、という試合見てきましたからね。
何というか元世界王者を喰う、体のいい相手にされた感はありますね。サウスポー相手には右ストレート、これはいわば定石なんでしょうが、位置がきちんとしないでやると危ない罠になりますもんね。小國さん、サウスポー相手だと何故かいつもの軽いステップが金縛りに遭ったかのように真正面対応になるし、ガードもきちんとしているはずが右空転して左もらいますし、どうしたもんですかね。
ただ話流れたとはいえ二年ほど前に和氣さんと再戦の話ありましたから、何がコツ掴んだ…と思いたいです。
返信する
コメントありがとうございます。 (さうぽん)
2025-04-25 08:44:01
>R45ファンさん

確かに、元IBF王者ながらアクティブとは言い難い技巧派、というのは、良い「お相手」ですね。そこへ左右の問題もあって、帝拳もゴーサインを出したんでしょう。系列の枠内だったら多少気遣って避けたかもしれませんが、小國はそうじゃないですしね。
仰るとおりで、サウスポー戦のときの小國は、立ち位置と出すパンチの選択が食い違っているんですよね。あの立ち位置だと、左ジャブ(ストレート)9、右ストレート1、くらいの割合でないと危ないです。この辺がどうしても直らない、のだとしたら今回も厳しいでしょう。確かに和氣慎吾との再戦の話がありましたから、今度こそ何か改善策があるのでは、と思いたいですが。はてさて。
返信する

コメントを投稿

小國以載」カテゴリの最新記事