そういうことで昨日の会見、AmazonのPrimeVideoボクシング、次回イベントのカードが発表されました。
/2025年最初の #primevideoboxing は注目のバンタム級3️⃣試合!\豪華ダブル世界戦!🥊“ビッグバン”、3度目の世界防衛戦へ#中谷潤人 vs #ダビド・クエジャル🥊世界初防衛か、復活か、ライバル決着戦!#堤聖也 vs #比嘉大吾那須川天心、世界へ始動🥊世界ランカー対決#那須川天心 vs… pic.twitter.com/iOlLktiRzf
— Prime Video(プライムビデオ) (@PrimeVideo_JP) December 27, 2024
メインはWBCバンタム級タイトルマッチ、中谷潤人vsダビド・クエジャル。
クエジャルは団体毎にスーパーフライとバンタムでランキングに入っていて、スーパーフライ級WBA2位、IBF14位。
バンタムでWBC6位、WBO2位です。
BoxRecによるとメキシコ国籍、23歳。28勝18KO無敗。右構え、身長174センチのリーチ171センチ。
レコードで目に付くのは、故モイセス・フエンテスのラストファイトとなった試合がまずひとつ。
あとは、寺地拳四朗、矢吹正道、アンソニー・オラスクアガに敗れた小柄なパナマ人、ヒルベルト・ペドロサに4回KO勝ち。
日本で河野公平を下した元WBAフライ、スーパーフライ級王者の強打、ルイス・コンセプシオンに8回TKO勝ち。
直近試合はムロジョン・アフマダリエフ相手に判定まで粘り、和氣慎吾を苦戦させたスーパーバンタム級のランカー、ホセ・ベラスケスに判定勝ち。
こういったところが大きな星です。
以前から名前は目にしていたが、試合映像は見ていませんでした。これから探して見てみようかな、と思っています。
中谷はWBCバンタム級王座獲得後、二度の防衛をいずれも1位とやってKO勝ちですから、以前本田会長が言ったように、マッチメイクは大変だったと思われます。
しかし、考え得る中では一番上から選んだ、そして受けてもらえた、と見て良さそう。
ただ、来年の内には、他の王者と、ひとつくらいは統一戦組まないと、と思います。
どちらがどう、誰がどこがどう、というのでなく、4大王座独占!の先が何も無いんかい、というのは、あまりにもお寂しい、としか。
何がボクシング黄金時代やねん、という話ですのでね。
WBAバンタム級タイトルマッチ、堤聖也は、一度引き分けた比嘉大吾との再戦。
噂になっていたようですが、本当に決まりましたね。
比嘉は武居由樹との一戦で惜敗はしたが、なお評価を上げた試合を受けて、再起即、世界挑戦となりました。
この辺は再浮上してきたことへの評価に加え、元々の人気が高いこともあるのでしょう。
会見を飛び飛びながら聞いていると、両者には親しい交友があるそうで、傍目には分からない思いがあることでしょうね。
しかし、プロで一度引き分けた宿敵同士でもあり。前回対戦は堤の僅差勝利と見えましたが、判定はドロー。
プロ転向後、確かな実力を披露しても勝ち運に恵まれなかった堤と、再起途上の苦しみ、そのただ中にある比嘉、双方まさしく痛み分け、という試合でした。
あの決着が、世界戦の舞台で見られるとは、なかなか劇的です。
那須川天心は前WBOチャンピオン、ジェイソン・マロニーとの対戦となりました。
これまた噂に上がっていて、一部には那須川が「次は自分の実力がもろに問われる試合になる」と言ったから、という...ホンマかいな、と思ってたんですが(笑)ホンマに決まりました。
もしこれを意図して言ったんだとしたら、那須川天心は思う以上に相当な「タマ」だ、と感心するしかありませんね(笑)。
それはさておき、ルーキーにして既にスーパースター、特殊事情を抱えつつ世界への実力証明を求められる那須川にとり、真のチャレンジマッチ、その第一弾というところでしょうか。
予想は色々ありましょうが、少なくとも双方の戦力が目減りする前の、序盤の段階では、那須川が先制し、リードして進む、と思います。
スピードも反応の速さも、おそらく那須川が上でしょう。そこへサウスポーとしての優位性もありますし。
しかし、序盤の内に決定的な、試合の趨勢を決めるような好打があればともかく、そうでないなら、モロニーの反転攻勢は、那須川を相当苦しめることになるでしょう。
那須川にしたら、そうなる前に試合を決めたいところでしょうが...とにかく、これまた考え得る中で一番上の相手、でしょうね。
さて、一番現実的に語られていた、フライ級の寺地拳四朗、ユーリ阿久井政悟のWBA、WBCフライ級統一戦は、今回発表されませんでした。
ちょっと意外に思いました。
理由としては、双方ないしは片方のコンディション(何らかの怪我など)が整わなかったか。
或いは条件面(報酬のみならず、敗れた場合の再戦条項なども?)が合わなかったか。
双方ないしは片方に、暫定王者(ガラル・ヤファイ)や1位(リカルド・サンドバルか、彼を追い抜き、ヤンキエル・リベラが浮上?)と対戦せよと、お達しが来たか。
それとも3月辺りに関西圏で開催、ということで進んでいる?
出来れば前向きな話である、と思いたいところですね。
ただ、今回、従来は4試合配信で決まっていたAmazonですが、3試合に絞った、という見方をするなら、やっぱりどこも厳しいのだ、という話なのかもしれません。
AmazonやLeminoの大盤振る舞い?も、未来永劫続くわけではないのは自明ですが、そういう切り換えや変容は、TVの時代よりも早く短いスパンで行われる、それがネット配信の世界でしょう。
単に、少しコンパクトにして回数を増やす、ないしは維持する、ということなら安心なんですが...色々と、気がかりなところです。
比嘉の話は驚きでしたね。あの会見を見たら大多数の人はああこれは本当に辞めるなと思うだろうし、私もそう確信していたのですが。謹慎から復帰した後の比嘉はコメントに掴みどころがなくどこまで本当のことを話しているのかさっぱりわからず、この試合にどういう気持ちで臨んでいるのかわかりかねるところが多々あるのですが、ここまで来たら最早見守るのみですね。実際言われてみれば、この再戦は比嘉にとっても堤にとってもある種の宿題のようなものなのでしょう。
那須川の試合は本当に設定が絶妙と言いますか。実績・名前・実力は確かだが、対サウスポーの難を曝け出した選手であり、なおかつ12ラウンドではなく10ラウンド。チャレンジマッチなのは間違いないが、一方で入念かつシビアな『査定』の痕跡も見え隠れしている。前戦での、勝ち負けが問題になるほどではないにせよ思いの外苦戦を強いられた試合を踏まえての舞台設定だと感じました。それでも前世界王者相手に、バンタム級への適応を示しつつ世界への機運を高める勝ち方が求められてもいるので、普通の庇護されたプロスペクトに比べれば格段にハードなマッチメイクだとも言える。けなしているのではなく本当に絶妙な設定です。本人も認める通り、現状のボクサー・那須川天心がどんなものなのかある程度推し量れる試合なのは間違いないので、純粋に興味深く見ることにします。
中谷は試合間隔としてはいいところでしょうが、井上と一緒に4月か5月、ベガスで揃い踏みという構想があったかどうかは、何とも言えないですね。今後それが明らかになるかもしれませんし、ならないかもしれません。次の次、井上がピカソと闘うとして、中谷も同じカードに出るなら、軽い相手で景気づけ、というイージーファイトになるかもですね。古い話ですがレナードがカルレと、ハーンズがパブロ・バエズとやったような感じで。もし別に、日本でやるなら西田とやってもらいたいですが。統一選の可能性自体がそもそも高くは無いのでしょうね。
比嘉に関しては陣営がWBO総会でプッシュしたという話題がありましたが、ランク上位は保証するが直接再戦の指令は出ない、ということだったので、WBAになった、ということみたいですね。会見のコメントは、字面では伝わりにくいですが、飛び飛びで聞こえてきた印象だと、会見の場を和ませようと言ったことに、記者諸氏が笑うでなし、という感じでしたかね。あの会見に一般のファンが招待されていたら、違ったかもです。比嘉、当然相当意気込んでいると思いますよ。
那須川、モロニー戦をWBOアジアパシフィックにしなかったのは、私も気にかかりました。2ラウンズ少なくしてあげたか、なるほどな、と。モロニーは楽だなんてとても言えない、相当高いハードルです。でも考えなく、現段階で「世界」と同様の試合をさせるかというと、違う。色々含めて本当に絶妙です。同感です。