ということで本日の加納陸対高山勝成戦、映像を見ることが出来ました。
関東地方では完全に放送がなく、関西でもTV大阪の受信地域のみで見られるという状況。
あと、中部では生中継があり、九州でも一部録画放送があったとか。
正直、日本やの、関西やのという以前に「近畿地方」すらカバーされていない試合が
「世界」タイトルマッチと称する時点で無理がある、と言いたくもなります。
が、まあそれは置くとして、加納陸と高山勝成、関西最軽量級の
新旧対決として、カード自体は良くも悪くも関心ある試合ではありました。
この試合については以前の記事で、両者の現状について思うところを書きました。
加納が高山に勝つためには、前の試合からさらに大きな伸び幅がないと苦しい、と見ていましたが、
今日の試合を見ると、前のサビージョ戦から、大きく飛躍した何かは感じませんでした。
もちろんそれでもキャリアの浅い、18歳のボクサーとしては充分に大したものですが、
昨年末の苦杯から捲土重来を期す、高山勝成を攻め落とすには不十分だったということでしょう。
初回は加納が左を好打。高山は最初出たものの、その後は加納に先手を抑えられた印象。
もつれたところからしか手が出ず、バランスも崩れ気味。
しかし加納は好スタートの展開を維持させてもらえない。
2回、また左を決め、右アッパーなどものぞかせるが、高山の執拗な巻き返しに遭う。
高山打たれながらも懐に入って連打、ボディも攻める。
3回、高山バッティングでカット。左瞼に大きな傷。しかし手数で圧す。
攻めては離れ、離れては攻め、硬軟自在な闘いぶりで、早々にペースを奪回。
このあたりはさすが高山という感じ。
これ以降、加納は徐々に手数で劣り、左が時折決まるが単発。
右ジャブがほとんど出ないので、高山にしたら、左さえ外せば前に出られる。
5回は高山が再三右で攻め立てる。6回、ドクターチェックで試合終了。
負傷判定は3-0で高山。だいたい、見たとおりの採点だったように思います。
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序盤に高山が左まぶたを切り、それがけっこうな幅の傷だったのを見たときは、
負傷ドローになるかと思い、暗澹たる気分でしたが、試合は何とか6回まで続きました。
最悪の結末だけは避けられました。
しかし、試合の度に大きな傷が出来、簡単に出血してしまう現状は、どうしても気になります。
相手の加納陸にしてからが、試合成立ラウンドの4回より早く出血した相手に対し、
本来なら考えなくてもいいことまで考えていたのではないか、という疑念さえ抱きます。
TV映像で見る限り、さほどきついバッティングだったとも見えなかったのですが、
それでも傷は相当なものでした。負傷を利して勝った、というような試合内容ではなく、
3回以降は高山がペースを握った試合だったことが救いではありますが。
若い相手に地力の違いを見せたと見える反面、負傷の治癒に時間が相当要るだろうということも含め、
暫定含めて5度目の戴冠は、ちょっと残念なものでもありました。
加納陸は、改めて、年齢やキャリアを考えると、将来が楽しみな好選手のひとりだと思います。
もう少しキャリアを積んで、身体が出来てきたら、高山や原隆二あたりと闘っても、良い試合が出来る、
充分やれるレベルにいけると思います。
現時点ですでに、高山が退けたここ最近の日本人挑戦者たちと、ほぼ同レベルにあるとも見ていました。
そこから大きな成長を遂げていれば、高山攻略の可能性もあるかと見ていましたが、
初回こそ左を再三好打したものの、すぐに突進されて懐に入られ、
そのまた次は足を使われ、という具合に、展開を変える術を知り尽くした高山のキャリアの前に、
せっかくの好スタートを生かせないまま、失点を重ねてしまいました。
負傷判定での負けは、いろいろ思うところもあるかもしれませんが、
現状の力では、試合が続いていたら逆転できたという印象ではありませんでした。
試合運びの巧拙(右ジャブの数が乏しいため、良い距離を維持できない)もそうですが、
体力面でも高山に押されている感もあり、残念ながら、数試合ぶん早い挑戦だった、と言わざるを得ないでしょう。
今後は日本タイトル獲得をひとつの目処として、再起してもらいたいですね。
まだ若いですし、本当の勝負はこれからでしょう。
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そういうことで、動画紹介しておきます。
たぶんすぐに消えるか、或いは消されるか。
なにやら物々しいですが(笑)
なるべくお早めにご覧ください。
加納君は序盤に見せた左の良いタイミング、右フックやアッパーも良かったですが右ジャブの少なさ、一旦ペースを手放すと変えられない策の無さ、身体付きの未熟さ等やはり時期尚早でしたね。またチャンスは来るだろうし、サビージョとの12Rを制したから地力はあるし、最年少とか無理な記録に縛られないで済むし、今後はじっくり力を付ければいいと思います。
加納選手の左ストレートは綺麗で、良い素材だなぁと思いました。ここから急がず、日本人対決を見たいですね。
ちなみに今はブラジルのマナウスです(笑)。まさか地球の裏で見ることが出来るとは思いませんでしたがありがたい限りです。一応、これで視聴者範囲的には世界?(爆)。明日からはベネズエラに向かいます~。
ちなみに、こちらでの格闘技番組はUFCが全開、今日はキックボクシングのPPVがあるらしいです。 ボクシングもがんばらんと~。
あの瞼でバッティング上等の闘い方するんだから、そりゃ負傷判定になりますわね
高山は3Rから圧倒ですが、後半の加納も見てみたかった。
2R途中まで加納が良く、自分も高山の負傷で逆に加納が動揺したようにも見えましたが、そういう相手と闘うことが分かってたんだから、単に高山に飲み込まれただけかもしれませんね
でも18には見えなく、国内三戦目?以来に見た自分としては加納評価は上がりました。もう少し足と右が出ればなぁ
ただ、2R途中の高山選手のボディ打ち、ベルトより少し低い側面を狙って打っている様に見えました。加納選手の足を意図して止めたとすれば、さすが歴戦の強者とは思いました。
加納選手、左がキレていい選手ですね。今回は出入りと経験、耐久力とスタミナが特異な選手が相手で、前進を止めれず敗れましたが、これを契機にもう一段進境して王者になって貰いたいものです。
加納は現時点で、あの左の威力ひとつとっても、秀でたものを感じます。将来的には期待出来る選手です。しかしそれ以外の部品が足りず、高山を左の威力だけで押さえ込めればともかく、そういう展開にならなければ苦しいのは当然です。私は唯一、あの左ヒットによって高山が出血すれば加納が勝つ可能性は残っていると思いましたが、そうはなりませんでした。高山の傷については同感です。さりとてこれを理由に引退を強いる規則などどこにもないし、なんとか治療して、ヒットやバッティングを避けて、と願うしかないんですが。
>hiroさん
体力としぶとさ、闘い方の幅で高山が圧倒的でしたね。それはまあ、他の相手でもその部分で圧倒して勝ち、負けても食い下がってきたわけですが。加納は素材の段階でしたね。それでも高山の古傷を打って切れれば可能性があったでしょうが...。
しかしブラジルやベネズエラや、何を好んでそんな危ないところを渡り歩くことがありますか(笑)この試合が世界で広範に見られるとも思えませんが、見られたら見られたで、季節柄というわけでもなく「見ぃたなぁ~」の世界かも知れませんね。
>てててさん
良い想像と悪い想像、悪い方寄りでしたかね。まあ最悪の負傷ドロー、或いは高山が早々に打たれて切って、というのよりはまだマシだったかもしれませんが。これもまあ、人それぞれなんでしょうけども。
加納はサビージョ戦では、中盤押されたけど後半立て直しつつ、という感じで勝ちましたが、今回は打たれたダメージ自体がサビージョ戦以上にあったように思います。あのまま続いても厳しかったかもです。仰るとおり、まだ18歳、普通に段階を踏んで部品をそろえていけば、今後可能性を感じる選手ですね。
>Neoさん
意図したものかどうかはちょっと読めませんが、ボディ打っていくときは、それも込みなのかもしれませんね。
加納はあの左の威力、切れ味だけとっても、可能性は認めていいでしょうね。今回は誰にとっても特殊な力を持つ相手に苦しみましたが、これを糧に日本王者から狙い直してほしいです。後援者向け試合を重ねてまた世界に、というのも、相手が強ければ良いでしょうが、なかなかそうはならないでしょうし。