昨夜は京都にて観戦してきました。
ひさびさに快調な大森将平の勝利を見ることができました。
WBC5位エドガー・ヒメネスは、戦績は大したことがないですが、ここ最近浮上してきた叩き上げ。
試合ぶりは動画でひとつ、そして今回見たわけですが、目に見えて鮮やかな選手ではなくとも、
全体的に安定していて、良く手が出るし、粘り強さが出る展開になると、非常に厄介、という印象。
対する大森将平は、再起二戦目にしては手強そうな相手で、ちょっとこういう勝負に出るのは早いかな、と
見ていたのですが、これが予想以上に好調で、終わってみれば一方的な勝利を収めました。
初回、大森はジャブから入る。左から右返し。
ヒメネスはじりじり出るが、大森は膝を柔らかく使い、上体を揺すりつつ、突き放すように打つ。
左二発ヒット。ヒメネスはややスピードに欠ける。大森左、ヒメネスのけぞる。続いてボディ。
2回、ヒメネス巻き返したいのか、出てくる。大森はジャブ、ロングのパンチ。左カウンター決まる。
ヒメネス下がる。苦しい展開、スイッチする。大森意に介さず左をレバーへ。続いて左が上に。
大森左右を上下に打ち分け、多彩な攻め。左がまた決まってヒメネス後退。
3回、ヒメネスは足使って回る。大森しっかり見て右ジャブで追い詰めていく。
左ボディ、右フックが決まり、大森さらに詰める。左ロングフック、ボディから上に連打。
全部決まってヒメネス、ダウン。ダメージ深く、カウントアウト。
最初、少しだけ硬いかなと見えもしましたが、すぐに大森が自分の良いときの流れを掴みました。
体格とリーチを生かし、膝を柔らかく使って上体を振り、突き放しつつ前に出て、
多彩な左ストレート、打ち抜きの効いたボディ打ちで攻め上げていく、ベストパターンの大森でした。
こういう流れに乗ったときの大森は、本当に強いなあと改めて感心させられた一戦でした。
相手との相性、展開に恵まれた、という面もあるかもしれませんが、
それでもなお、昨年末のショッキングな敗戦から、わずか二試合目で、こういう試合が出来る大森は、
やはり大したものだなあ、とも。
対するヒメネスは、動き自体は良く、けっして弱い選手ではないはずでしたが、
大森を良い流れに乗せてしまったあと、それを覆す爆発的な何かは持っていませんでした。
もし大森が序盤、どこかで躓きを見せれば、それに乗じて粘りを見せ、接戦に持ち込む力を
持っていたはずですが、今回の試合では、その力はまったく発揮されませんでした。
試合後の報道では、陣営は年内にも世界を、本人はまだ先か、というコメントが出たようです。
私はどちらかといえば本人よりの見解です。
自分の良さを出したときの大森はやはり強い、と思う反面、今回の試合はあまりに「完勝」過ぎた。
そんな風に感じたりもします。
しかし、タパレス戦で序盤に叩かれた反省が、今回の立ち上がりからの好調、
しっかりジャブから入って自分の距離を掴み、その展開を手放さずに突き放し、詰め切った勝利に
存分に生かされていた、という見方も出来る。そういう意見もあることでしょうね。
いずれにせよ、今回の勝利は実に見事でした。
大森将平は、良いときの自分の流れに乗ってしまえば、こんなにも強いのだというところが
存分に見られました。
今後の話はひとまず置くとしても、彼は今、順調な「回復基調」にある。
それを確かめることが出来ました。見ていて、嬉しい気持ちになれた一戦でした。
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昨日の第一試合は5時半開始、私は6時少し前に、会場に入りました。
プログラムを見ると全部で5試合。4回戦が一試合ありましたがこれは見られず。
女子の試合がふたつと、セミは男子。いずれも日タイ戦で、早々に決着。
内容については記しませんが、皆様ご想像のとおり、というところでした。
で、メインまで25分ほど休憩。
リングアナの方(恰幅のいい方です)が「本日は進行が早くなっておりますので休憩を」と
場内に説明しておられました。
進行が早くなっておりますって、カード並べた時点で誰の目にも明らかやろう。
ひとつたりとも、長引くような試合があるかいや、と心中、ツッコミが出ました(笑)
まあいちいち、そんなことで腹を立てるわけではありませんが...。
で、メインもまた、早く終わって、全試合終了が7時10分(!)。
さすがにこんなのは初めてです。平日ですし、間に合わなかった人もいたかもしれません。
場内の入りは、世界ランカーを呼んだにもかかわらず残念なものでした。
あまりメディアに大きく取り上げられていなかった感もあり、仕方ないのかとも思います。
あと、場内にはTVカメラが入り、リングサイドには放送席ぽいものもありました。
たぶん毎日放送だと思いますが、後日、録画放送でもあるんですかね?
今のところ、どこにも情報がありませんが。
直近4戦の大森将平の試合を島津アリーナで観てますが、その中では昨日の試合が抜群に良かったです。
向井戦は硬さや力みが目立ち、タパレス戦は言うに及ばず、エスピノス・サブ戦はタパレス戦の敗戦をモロに引きずった立ち上がり。正直、ここまで出来る子だとは思っていませんでした(失礼)。それくらい良かったですね。
フットワークはそこまで良いとは思わないのですが、ボディワークが抜群で、相手に打たせずに面白いようにパンチ当ててましたね。あのボクシングを見せられたら、やっぱり世界をって思ってしまいます。
インタビューで、寺地選手、と名前を出してたように、京都初の世界チャンピオン、という意識は陣営には強いのでしょう。特に会長の方は。ターゲットはWBOみたいですが、WBOでもランク入りできるか。個人的には、私ももう一戦、骨のある相手、たとえば、プンルアンとの挑戦者決定戦みたいなのをやってからで良いのではと思います。
お疲れ様でした。今回の大森は、益田健太朗戦以来の好調だったと思います。その後の試合はそれぞれ、仰るような内容および結果に不足を感じましたが、見事に「戻した」一戦だったと。
新人王トーナメントの頃から、下半身が柔軟で、とくに膝の使い方が良い、と一目で見てとれましたが、下半身でリズムを作り、それが上半身、肩の揺れに連動して、その動き、流れの中で相手を突き放し、多彩な攻め口で上下左右を打ち分け、という大森のベストパターンが、世界ランカーのメキシカン相手にまともに出ましたね。確かに大きな期待をかけたくなろうというものです。
プンルアンのような相手との試合をもうひとつ経てほしい、まったく同感です。岩佐が上のクラスに去った今、バンタムでは国内に相手がいないでしょうし、世界上位クラスとの試合がもうひとつあれば言うことなしですね。TBS年末予算でタパレスと、という目論みもあるのかもしれません(高山勝成の瞼の傷や、田中恒成の拳の治癒が年末に間に合わねば「何か」が必要になるかもしれない)が、そういう予算を何でもかんでも世界戦ということでなく、レベルの高いチャレンジマッチに振ってもらうわけにはいかんものでしょうかね。