さうぽんの拳闘見物日記

ボクシング生観戦、テレビ観戦、ビデオ鑑賞
その他つれづれなる(そんなたいそうなもんかえ)
拳闘見聞の日々。

初戦は左の荒馬/即、強豪と/関西では先んじて放送/出るわ出るわ

2018-07-30 11:49:08 | 井上尚弥



先の週末、観戦や生中継があり、書きそびれた話題あれこれを、軽めに。


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旧聞もいいところですが、井上尚弥のWBSS初戦は、ファンカルロス・パヤノに決定しました
昔のK1と似た?方式で、相手を指名する形で決まったと。
ノニト・ドネアがライアン・バーネットに指名されたので、残るはパヤノと、
少し前の記事で紹介したミハエル・アロイヤンだったので、パヤノの方にした、とのことです。

パナマの大師匠アンセルモ・モレノに負傷判定勝ち、超速ラウシー・ウォーレンと一勝一敗。
荒くてタフで変則のサウスポー、と簡単に言えばそんな感じの選手ですが、
考え得る初戦の相手の中で、一番やりにくそうなスタイルの相手だと思います。
試合展開、技術がどうという以外の部分でも、危険性がある、というか。

試合日時については、10月頃、日本でという話らしいですね。
出来れば「大箱」でやってもらいたいものです。
世界中が見ることになりましょうからね。何これ、と思う向きもおられましょうし。
あと、放送形態はどういうところに落ち着くんでしょう。色々楽しみですね。


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しかし、井上の「大会初戦」が、国内で「落ち着いた」後に、井岡一翔の再起初戦が、
ロスのSuperfly3興行に決まり、相手がマックウィリアムス・アローヨとなりました
金曜日、試合後に同道した友人から聞いて「え、正式に決まったの?」と聞き返してしまいました。

フロイラン・サルダールをKOし、アムナット・ルエンロンを敵地タイでダウンさせ、事実上勝っていた。
フライ級時代のローマン・ゴンサレスには判定負けも、堂々と渡り合い、
スーパーフライ級に転じて、元WBC王者クアドラスに判定勝ち。
世界王座獲得歴こそないものの、実質、元IBFフライ級王者と見るべきでしょうし、
知名度、人気ともに、アメリカのリングで一定以上の水準にある、トップクラスのボクサーでしょう。

再起、というか復帰、そしてさらにいうなら「脱出」初戦、とも言える試合で、
いきなりこんな試合が実現することには、色々思うこともあります。
井岡一翔にとっては厳しい試練なれど「これ」を望んでの一連の行動だった、と見るなら、
あとはもう、やるしかないでしょう。勝ち負けどう以前に、しっかり見せてもらうで、という気持ちです。


それにしても、日本のトップボクサーから「ジム」「会長」を取っ払うと、
すぐにこういうカードが実現してしまうものなんですね。
日本のボクサーにとって、ジムや会長って、いったい何なんだろう...と
改めて思ってしまう、そんな一例ですね。


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久我、和氣戦に限らず、国内の地上波TV放送は、フジやTBSの関東ローカル、
深夜録画放送が大半ですが、数少ない関西限定のコンテンツが、辰吉寿以輝の試合です。
G+でも来週日曜に放送らしいですが、先んじて関西では、よみうりTVで、当日深夜放送でした。

相手はインドネシア・フェザー級チャンピオン、ノルディ・マナカネ。
以前は、あの一家が「使った」選手を、他のジムの選手が狙うと、邪魔やら横槍やらが入ることが
実際にあったらしいですが、ある時期から「解禁」され、その頃に、続けて来日を重ねた経歴の持ち主です。

とはいえ、アマ経験なし、プロ9戦目の辰吉寿以輝にとっては、やりにくさのある相手で、
実際に、試合でもなかなか思うように捉えられず、逆襲を続けて受け、打たれる場面もありました。

辰吉は左を突いて崩そうとしますが、世界戦でもシャッチョさんを怯ませた右スイングは、
けっこう思い切り振るので、辰吉の攻めを食い止める効果あり。
しかし5回、辰吉のパワーを込めた左ボディブローが決まり、強烈なフィニッシュ。
そこまでの試合展開は、とても見目鮮やかとは行きませんでしたが、KOシーンだけは、
そこだけを切り取って見たとしたら、なかなか強烈なものでした。

エンドレスファイター六車卓也さんの指導も受けている、という寿以輝ですが、
試合がTVで放送されるA級ボクサー、メインイベンター、という位置づけは、
まだ少々荷が重いかな、と見えてしまいます。
それでも随所に見せるパワーショットは、目を引くものがありはしますが。

今後はユース王座狙い、という記事もちらっと見ましたが、Sバンタムだと、水野拓哉ですが。
先日は初回KO勝ちしたようですが、若手の強いところと、続けて闘っている選手ですし、
さて、勝算となると...実現すれば、注目を集める一戦となりそうですけど。

※そういえば、WBCユースとなれば、清瀬天太ですね。
関西同士、組むならこっちかも?よくわかりませんが。


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東京五輪におけるボクシング競技の開催が危ぶまれる、なんてニュースも出ている中、
日本ボクシング連盟、及び終身?会長の山根明氏を巡り、
まあ、あれやこれやと出るわ出るわ。

ざっと見ただけでも数があり、しょうがないのでリンク貼っていきます。

1.ボクシング連盟、JSC助成金不正流用か
2.アマボクシング連盟を告発…審判に不正指示、JOCに調査要求
3.ボクシング連盟 代表コーチ日当“ピンハネ”、助成金不正に続き
4.今度はアマボクシングで発覚した不祥事…東京五輪を前に監督官庁は厳しい態度を


堰を切ったがごとし、ですね。
今までも高山勝成の選手登録の問題とか、その他諸々、常識の通じない組織であり、長であるとは
様々に知られ、語られてきましたが、他競技でも起こった様々な問題同様、
いや、それ以上に悪質というか「異様」が、世間にもっと知られ、問題視されるべき、だと思っていました。
こうして次々に報じられることで、五輪を目前に膿を出し切って欲しい、と願います。


...と思っていたところ、村田諒太が敢然と批判の声を上げました
金メダリストとして、という以上に「他ならぬ」村田の発言は、非常に重いものでしょう。よく言ってくれましたね。



コメント (6)
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勝ちながら強くなる王者 木村翔、中国でまたKO勝ち

2018-07-30 05:04:14 | 海外ボクシング



金曜日、ホールのメインとほぼ同時刻、中国では木村翔が闘っていました。
試合後、ボディを攻めて6回KO勝ち、という報を聞きました。

動画はけっこう画質の良いのがYouTubeにありまして、ありがたく拝見。
ただ、実況(と解説?)の音声が大きく、場内音声があまり聞こえない。
ちょっと雰囲気わかりにくいな、という感じではありましたが。


挑戦者フロイラン・サルダールについては、以前、井上拓真との対戦前に、
動画貼ってあれこれと紹介したことがあります
元々、マガジンの海外コーナーでも紹介されていた強打者で、
今度、井岡一翔と闘うというマックウィリアムス・アローヨに負けるまで、
アジアを飛び越えて世界へ飛躍するかと期待された選手でした。

ただ、その後井上戦なども、フライ級より上の体重で試合をしていたので、
その辺はちょっと不安。しかし、良いコンディションなら、天性の強打は
木村にとっても脅威たり得るだろうと見ていました。

初回、木村は当然、警戒してガードを高く上げて前進。
しかしサルダールの右を防ぎきれない。2回も同様。
ただ、木村は打たれても前に出て、左ボディをしっかりヒットしていました。

3回、木村が早々に出る。ひとつギアを上げた?感じ。
サルダールをロープに追い、上に連打。と思ったら左ボディフック。
また上を打ちまくり、下へ。サルダール早くも失速。
木村、右クロスを飛ばし、返しの左フック(上)もヒット。

4回、サルダールはジャブ、ストレートで突き放したいが数が出ない。
逆に木村のジャブをもらう。木村は左右フックをボディへ集める。
5回、サルダール捌こうとするが、木村ボディへワンツー、上に連打。
木村さらに左ダブル(上→下)を繰り返し、サルダール膝をつくダウン。
6回、木村出て、コーナーに詰め、打ちまくる。
サルダールも最後の力を振り絞って反撃、しかしすぐ木村がまた攻める。
左ダブル(上下の順番が違うやつ)を繰り返し、サルダール倒れ、KOとなりました。


序盤はサルダールの力が出ていましたが、3回からは完全に木村の圧勝ペースでした。
ボディ攻撃はもちろん、上下左右と、打ち出したら止まらない木村の攻撃は、
サルダールを早々に痛めつけ、消耗させていました。

そして、昨年のゾウ・シミン戦と比べれば一目瞭然、というと大げさかもですが、
木村翔が、世界王者として勝利を重ねるごとに、着実に強くなっている、
それもはっきりと見える試合でした。

果敢に攻める姿勢を貫く闘いぶりは変わりませんが、以前よりも確実に、
上体が前にのめる頻度が減っています。
同じ前進して攻めるにも、足の運びで身体の軸を前に運んで、そこで身体を回して
打っているので、左ボディフックの威力などは、格段に上がっています。
サルダールが3回早々に失速したのも、木村のボディ攻撃の威力と精度故、と見えました。


地位は人を作るとか、安易に言って良いのかどうかわかりませんが、
木村翔は、攻撃を軸に試合を回していくファイターとして、着実に進歩しています.
距離の取り方に繊細さが欠けるとはいえ、ストレートパンチに威力を秘めるサルダールは、
木村にとり、相性的なことも含めて、脅威たりうる相手かと思ってもいたのですが、
実際見てみると、ほぼ「ものともしない」感じで、普通に倒して勝つ、という試合ぶりでした。


次は9月24日、名古屋で田中恒成と、という報道が、果たしてそのまま実現するのかしないのか。
その辺はよくわかりませんが、もし田中が、木村のファイタースタイルによる試合展開を許し、
その力を躱し、封じることが出来なかったら、厳しい結果もあり得るか、と思わざるを得ません。

もちろん、田中恒成のスピード、センスは相当なものがあり、激戦を勝ち抜くタフネスも同様です。
しかし、つい一年ばかり前までは、比較対象にすらならなかったはずの両者の対決が、
要注目の一戦となったこと自体、木村翔の、驚異の飛躍を示すものです。
そのことには、多大なる敬意を払わねばならない。率直にそう思います。
伊藤雅雪の快挙に先立って、これまた、お見事な勝利でした。



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最後に、動画貼っておこうと思ったら、画質の良かったやつが消されてしまっていました。
他にも複数ありまして、その中で一番良いのを貼っておきます。

それにしても、音声の加減もあるんでしょうが、場内の雰囲気は、かなり静かなように感じます。
まあ、日本で、中国人とフィリピン人の世界戦を、誰かの興行のセミでやったとしたら、
同じような雰囲気なんでしょうか...いや、こういう試合だったら、やっぱりもっと、
歓声というか、感嘆、称賛の声が上がるような気がしますが...。






コメント (2)
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