石田順裕、ついに引退表明です。
ミドル級で世界のトップと伍して闘った、そのキャリアは今更言うまでもなく、偉大の一語。
もっと世に広く知られていて然るべきボクサーですが、世間のボクシングそのものに対する不信、無関心の犠牲者が
ここにもまたひとり、という感じもして、ちょっと悔しかったりもしますが。
考えたらこの選手も相当長く、最初に見たのもだいぶ昔です。
確か徳山昌守が世界を獲った、府立でのチョー・インジュ戦の前座だったと思います。
石田はこの時デビュー三戦目で、6回戦だか8回戦だったか。
相手はインドネシアのスーパーライト級王者。サウスポーだったような記憶です。
当然、両者アタマひとつくらい身長が違いましたが、いざ試合が始まると、石田は終始ロープに詰められっぱなし。
そこからほとんど動けず、ずっと打たれ続けていました。
試合が終わって、こらまた厳しい試練やな、と思っていたら判定は石田。思わず絶句した覚えがあります。
あの頃、後の石田の姿を想像することはまったくありませんでした。
今となっては懐かしい記憶です。
巧いしセンスも感じましたが、とにかく身体に力がなく、すぐに失速するもので、上位相手に良い試合をしても、
結局は追い上げられて負ける、という試合もありました。
しかし、クレイジー・キムとの二試合を経て筋金が入り、WBA暫定王座獲得の後、世界へ飛躍していった姿には、
何度も快哉を叫びましたし、ファンとして誇らしい存在でした。
最後のヘビー級挑戦も含め、長いキャリアを通じて、壮大な夢を追い続ける姿を見せてくれたことに、感謝したいと思います。
お疲れ様でした。
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具志堅会長、カナストータの式典より帰国。
TBSの情報番組でも取り上げられていましたね。相変わらず、オモシロおじさんとしての扱いもありましたが。
現地でハイライト映像でも流したら、見たこと無い人もきっと驚嘆したことでしょうね。
あれほど攻撃的なスタイルで勝ち続けた軽量級ボクサーは、歴史上でもそうそういるものではありません。
日本のボクシングファンにとり、最も誇らしい存在である王者が、世界的評価を得たことを、ファンとして喜びたいと思います。
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こちらはちょっと喜ばしくない話。赤穂亮の世界戦は、タイでのお出かけで決まりだそうです。
確かに、日本で興行するのは苦しいのかもしれませんが、よりによってタイ。しかも8月。
先の岩佐亮佑の英国遠征というのも、かなり厳しいと思いましたが、それ以上ですね。
日本でやれば、プンルアン・ソーシンユーを攻略至難な相手だとは思わないんですが、これはちょっと厳しいか...。
半ば「蛮勇」の域にある赤穂亮の果敢さでもって、勝利を掴んでほしいと願いますが。
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関西の注目ルーキー、丸田陽七太の話題。渡米してトレーニングの後、秋にもデビューと。
しかし、また言ってるんですね、最短最短と。
世間じゃ、もうそういうのすっかり見限ってるというか、要するにタイトルが増えたから出来ることであって、
「世界上位」ではあっても「世界一」では全然無いんやな、と見透かされてるんですけどね。
選手には何も罪はないですが、そろそろ周囲の人たちが、もう少し賢くなって、本当に選手のためになるような
売り出し方を考えてもらいたいものです。
口さがない人に言わすと「リングにかけろ」の最後みたいな試合が実現するまで、こういう業者が絶える日は来ない、
なんて意見もあるようですが...さすがにそこまで皆さん、愚かではあるまい、とは、最低限信じたいですね。
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JBCと「前」事務局長の裁判は、二審もJBC敗訴とのことです。
判決は、JBC側にまったく理が無い、と断じているようです。
ま、それならそれで、法の下、粛々と手続きを進めるしかないんでしょうね。
数年前、あれこれとその行状に問題あり、と書き立てられた安河内氏ですが、その在任期間中に、
関西や中部における地元判定が激減したり、ファンの目から見て、目に見えたいくつかの改善があったのも事実です。
その上で今回の判決を見ると、その当時でも相変わらず、関東における小技を駆使した試合運営を担っていた
現在のJBCメンバーの方にも、色々問題があったのだろうな、と思わざるを得ません。
まあ、当然どちらが正義だ悪だ、というのでなく、双方に問題があったのは事実でしょう。
元はといえば、人間関係の好悪から始まった妬み、嫉みによる、次元の低いアホみたいな話だ、という噂も聞きます。
ただ、はっきり言えることがひとつあります。
あの輩一家の取り扱いや、JBCの財政状況、というような「内情」以前に、
現在のJBCによる試合運営は、普通に試合を見ているファンの目にも問題点が目に付き、以前の安河内時代よりも、
はっきりと公正さを失い、全体としてレベルが落ちている。明らかに後退している面がある、ということです。
JBCの内情、人的構成がどうであろうと、我々ファンには何の関係もありません。
ただ、我々の目に見えるところで起こっている退化、後退を、何よりもまず、食い止めてもらいたい。
それが出来る人材であれば、ファンはそれを支持すると思います。単純な話です。
そして、それが出来ない人、やろうとする意志の無い人には、この業界から去って欲しい、とも。