さうぽんの拳闘見物日記

ボクシング生観戦、テレビ観戦、ビデオ鑑賞
その他つれづれなる(そんなたいそうなもんかえ)
拳闘見聞の日々。

完全に予想外でした・大晦日5大世界戦 5/5

2013-01-06 22:50:46 | 関東ボクシング

けっこう多くの方々が、同様の感想を持っておられると思います。
この結果は、まったく想像していませんでした。
ごめんなさい&おめでとう、という試合でしたね。


ディレイ放送のTV中継が始まるなりゴングがなったこの一戦、
王者テーパリットの闘いぶりに、まず驚きました。
初回から要所で好打を決めている反面、ガードの緩さ、安易に決める立ち位置のまずさが
あまりにも露骨に目について、9月の名城戦の苦戦を反省材料にするどころか、
さらに緩く、悪くなっていました。正直、理解に苦しみました。

河野公平についての映像資料から受けた、或いは実際にリング上で相対してみた印象が
河野与し易し、というものだったのかもしれません。
けっして、河野の勝利を貶めるのではありませんが、
テーパリットには油断という言葉では追いつかない慢心が見えたように思います。


対する河野公平は、苦しくなったら下向いて頭から突進、という悪い癖が一切見られず、
多少不格好ながら足を使って回り、常に打てる距離に迫っては左右フックで攻め込みました。
動き自体は単調で、ガードも時に緩み、そこをテーパリットに好打され、
打たれたあとしばらくは目線を下げたまま動く場面もあり、テーパリットから見れば、
これは大した選手じゃない、もっと打ち込もう、という風になったように見えました。

これが結果として大きな間違いだったように思います。
やはり、河野の体力、リズムが少し落ちてくるまでは、河野のアタックに
まともに付き合う必要はなかった、と。

河野が足を使いだしてから、それを無理に追おうとしたテーパリットが、
防御に隙を見せた4回、左側に出た河野の鋭い左フックが決まって最初のダウン。
後は河野のクッキングタイムでした。
倒した過程、詰めの厳しさ、いずれもケチのつけようがない見事なものでした。


年暮れになって、こんな驚愕の勝利を見られるとは、恥ずかしながら思ってはいませんでした。
短躯の名城、長身のロハス、いずれもやりにくい相手に敗れた河野でしたが、
三度目の挑戦は、王者との相性も悪くはなさそうで、チャンス自体はある、とは
ぼんやりと思っていましたが、それでも勝てるか、と言われると...でしたね。

32歳、ロハス戦後も負けが込み、今回の挑戦自体も、支持する声は少なかったように思います。
しかしこの一戦に臨む河野には、そうしたマイナス材料を覆してやるという強い意欲が感じられ、
それがあればこそ、王者の隙を見事に突いて、勝利を得られたのでしょう。
もし彼の心にわずかにでも、自分の現状に甘んじてしまう気持ちがあれば、
この勝利はあり得なかったことでしょう。
ラストチャンスと言われた試合で、持ち前の果敢さを良い方向で生かして勝った
河野公平に脱帽ですね。


さて、昨日TV東京系のスポーツニュースで、河野が内山高志と共に出演していました。
次の対戦相手はという話題では、1年くらい先まで防衛出来ていれば、という条件付きで
佐藤洋太との統一戦をやりたいと語っていましたが、その後に名前の出た亀田大毅については
決まればやります、という程度のニュアンスでした。
実際には暫定王者リボリオ・ソリスとの指名試合もありそうです。

正直、あの連中との関わりには、前向きな気持ちは持っていなさそうな様子に見えました。
とはいえ、周囲はそういう思惑なのでしょう。いかにもありそうな話です。

まあ、やるならワタナベジムの興行に出させる形で、普通にやれば良い、という気がします。
筋論を言えばソリス戦が一番なんでしょうけど。ジムメイトの内山同様に。
多くのファンの歓喜と「勝つとは思ってなかった、ごめん」という嬉しい謝罪の言葉に包まれた、
祝福と共にある王座奪取を果たした河野公平に、余計な寄り道も、売名を見込んだ譲歩も不要です。
彼には、王者として然るべき道を、まっすぐに進んでほしいものですね。



コメント (2)
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