さうぽんの拳闘見物日記

ボクシング生観戦、テレビ観戦、ビデオ鑑賞
その他つれづれなる(そんなたいそうなもんかえ)
拳闘見聞の日々。

またしても驚嘆

2009-05-03 15:30:09 | マニー・パッキャオ
パッキャオ大先生については、これまでもさんざ驚嘆の言葉を並べてきましたけど、
今日もまたTVの前で「ホンマですか。マジですか。こんなことありますのか」と
ただひたすら驚かされました。特にここ数試合、昔の左の一発屋のイメージはどこへやら、
高度な技術と天性の馬力が、恐ろしく高いレベルで融合して、とんでもないことになっています。


試合の立ち上がり、やはりリッキー・ハットンの上半身の大きさが目について、
対するマニー・パッキャオは、どうしても小さく、頼りなく見えました。
実際、パッキャオも再三ロープ際に背中を押しつけられ、受け身になる場面がありました。

しかしすぐに、頭を逃がしながら打つ右フックがハットンを正確に叩き始めます。
私は「このパンチ当たる。でも、もっとジャブ出して、距離と位置を決めてから打った方が」と
思ったのですが、同じ打ち方の右が何度も何度も当たり、ついにハットンの左を外して打った
同じパンチが決まってハットンが前のめりに倒れました。

このとき、ハットンが左振ってのめったのが半分くらいの、ダメージのないダウンかな?と見たのですが、
なんのこたない、もろにパッキャオの右が入ってました。
追撃でハットン二度目のダウン、このときになるともう、興奮で体が震えておりました(^^;)

2R、一見ひるんだ素振りを見せないハットン、この辺さすが、男の中のお琴じゃなくて男です。
しかしダメージは甚大だったようで、この回、右フック警戒のハットンに対し、右と見せかけては
命中範囲の広い、得意の左ストレートでカウンターを決め続けたパッキャオが優勢。
そしてラウンド終了間際に、角度を変えた左フック一発。あのタフなハットンが大の字になりました。

大歓声が爆発する様子を見ながら、またまた震え上がっておりました。
フライ級上がりのフィリピン人ボクサーが...と、何度も書いてきましたけど、
このマニー・パッキャオというボクサーの常識外れ、規格外の凄さには、もはや言葉がありません。
いくら技術面でここ数試合格段の進歩を見せ、ハットンとはボクシングの質、レベルが違うと言っても、
この体格差、パワーの差を、いともたやすく乗り越えてしまう...信じられません。


名匠フレディ・ローチと、逸材マニー・パッキャオの組み合わせは、
往年のレイ・アーセル&フレディ・ブラウンとロベルト・デュランにも匹敵する、
ある意味ではそれを凌駕するものかもしれません。
パッキャオはアジアのヘンリー・アームストロングであり、左利きのロベルト・デュランでもあるのです。

天性の馬力、強打に、現代最高の名匠が加わった末に、このような壮大な歴史をも凌駕するような
常識外れの怪物ボクサーが生まれ、今我々はその怪物の闘う様を、リアルタイムで見ているわけです。
この興奮は、感動は、今後他のいかなるボクサーにも見いだすことが出来ない種類のものでしょう。

おそらく秋にも実現するであろう、フロイド・メイウェザーとの対戦において、
我々は勝ち負け以前に、どのような興奮を手にするんでしょうか。
今から、大いに楽しみです。

コメント (5)
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