さうぽんの拳闘見物日記

ボクシング生観戦、テレビ観戦、ビデオ鑑賞
その他つれづれなる(そんなたいそうなもんかえ)
拳闘見聞の日々。

三谷将之、日本バンタム級チャンピオンに!

2006-08-27 23:08:50 | 関西ボクシング
なんか、ちょっと前に同じようなことを書いた覚えがありますが(^^ゞ
まー、それはおいといて、またもIMPホールにて、
日本バンタム級王座決定戦を見てまいりました。

メキシカン相手の苦戦を血肉に成長過程の「高砂のサラテ」三谷将之と、
前OPBFチャンピオンのクマントーンを下し浮上した、
浪速のメキシカン、健文「エスプロシボ」トーレス。

宿命に導かれた若武者ふたりのこれまでについては、
今月号のボクシングマガジンに特集されていました。
かつてクーヨ・エルナンデス門下から協栄所属を経て世界を獲った
WBCライトフライ級チャンピオン、ヘルマン・トーレス(大関トーレス)の
息子と弟子が、日本王座をかけて激突したわけです。


オープニングヒットは健文の右でした。
しかし三谷は、ジャブから速いつなぎの左フックを、
ボディから顔面に返すパターンでコンビネーションし、
健文に攻勢を取らせません。

対する健文は、右のパワーショットを時折決めるのですが
三谷の、ボディブローを常に交えた、速い左にペースを握られてしまいました。

健文の攻撃は、どうしても三谷の速い左に遮られ、単発に終わります。
劣勢の健文は、果敢に打ちかかりますが、終盤はダメージの蓄積か、
三谷のコンビネーションで、一瞬よろめく場面も。

採点は97-93×2、96-96の2-0でしたが、
内容的には三谷が文句ない勝利で、日本バンタム級チャンピオンとなりました。
ちなみにさうぽん採点は98-92で三谷でしたが、
健文のパワーショットを高く評価すると、もう少し競った採点もあり得たかもです。


ところで、三谷ですが。
終盤、数発打った以外は、右をまっすぐきちんとは打ちませんでした。
外回りの、当てる気のないようなパンチは何度かありましたが。
ひょっとしたら、また拳の故障なのかもしれません。

いずれにせよ、ほとんど左「だけ」のコンビネーションで
健文を圧倒した三谷は、やはりさすがと言えますし、
メキシカン相手に苦しい試合をしてきたことが、タイトルマッチで生きた感じです。


対する健文は、やっぱりまだ若いなあというところでした。
あれこれ場数を踏んできた三谷とは、経験の差が出たと思います。
中盤までは、そんなにダメージを受けたわけでもなかったと思いますが、
三谷の速い連打に対し、一本調子の一発狙いになってしまいました。


しかし、若い両者の、互いに知った者同士の闘いは、それゆえに、
最後までスリルと緊張感に満ちた、見応えあるものでした。
攻守の切り替えが速い三谷に対し、健文も必死に食いついていったので、
常に息の抜けない打ち合いが続きました。

両者のスリリングでスピーディーな攻防を見ていると、
ああ、若いっていいなぁ、なんてことを思って、しみじみしてしまいました(^^;)


共にまだまだ若く、これからの選手です。
また、大きな舞台で拳を交えることだって、あるかもしれません。
とりあえず、今日の勝者は三谷将之となりましたが、
彼とて今日の試合が、生涯最高の試合なわけではありませんし、
そんなことでは困ります。健文とて同じことです。

果敢に闘った両者に拍手を送り、来たる未来に、さらなる期待をかけつつ、
彼らの今後を見守っていきたいと思いました。

コメント (2)
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