ちいさな幸せ

幸せの基準ってある?
それは自分の心の中にあると思う。
私は何時も陽だまりのような幸せの中に居た。

一瞬の風になれ

2008年01月21日 | 読みました
            キャッツ・テール
         此処にもあったよ 春を待つ蕾
      猫の尾っぽの様に 小さな房に下がって咲く
       どのように房になっていくのでしょうか

今日は「大寒」ですって、昨日の天気予報でな夜のうちに雪が降ると・・・
朝起きてそ~っと窓を開けたんですよ。全てを覆って真っ白になっているお庭をイメージして。何~だ、其処には枯れた芝生、生き生きとした雑草、全てを覆い隠してくれるはずの雪は? 何処にもない。起き抜けに主人もそ~っと窓を開けてがっかりしたんですって。雪国の方からすれば「何を暢気な」と思われるかもしれませんが、めったに雪など見れない私達は楽しみにしていたんです。

関西でも息子達が小学生の低学年くらいまでは年に数回は降っていたんです。幼稚園に行く前に近所の子も集まって小さな雪だるま、枯れ芝がいっぱいくっ付いて居るけれど、喜んで作っていたのです。成人してからも何年かに一度かは降ってきて、子供が見向きもしなくなって私達が作っていました。降らなくなってもう何年かしら、早く降ってくれないと、私達も雪だるま作れなくなるよ~。

           ☆  ☆  ☆  ☆  ☆

        一瞬の風になれ 全3巻  佐藤多佳子

       2007年度本屋大賞第1位に選ばれました。
         第28回吉川英治文学新人賞受賞作品

    本屋大賞:全国の書店員が選んだ、一番!売りたい本

長~く待って、やっと順番が回ってきたのが、旅行に出る数日前、借りても2週間で返さなければならない。如何考えても3冊は読めない。図書館に行って、その旨はなして、もう一度申し込みなおすことにした。又気の遠くなるくらい待たなくてはならないのを覚悟して。案外早くに手元に届いたが、今度はコンサートにぶつかってしまった。練習の為出歩くのが多いので、読みきれるかと心配だった。見たいテレビは全てビデオ録りにして、夜はひたすら読み続けた。其れが苦にならないくらい私を引き付けた。

一口に言って、高校生の短距離ランナーの成長過程である。ひたむきに走る。全精力を掛けて走る。青春の一時期をひたすら走る。私の様に文系人間には、これほどの練習量も、報いられる喜びも無かった。体育系の人はこんな喜びを体験していたのかと今更ながら一寸羨ましい。

マラソンでも駅伝でも今は楽しみに見ている。でも昔からと言うわけではなかった。何故見る様になったのかは思い出せない。

スタートでフライングを二度すると失格という事は知っていましたが、同じ人が二度フライングすれば失格と思っていました。ルールが改正されて、今は一度目は誰がしようと2度目にフライングした人が失格になるんだそうです。この本を読んで始めて知りました。何だか理不尽なような気もしますが、どんな理由でこうなったのでしょう。

走るレーンの位置はどうして決まるのだろうか?抽選かな?何て考えていましたが、その答えをこの本で知ることが出来ました。タイムの良い人が中央のレーンの位置につくのですね。素人目にも内側のコーナーはきつくて回りにくそうですし、外側はカーブが大きすぎます。中ほどのよりよい位置にタイムの良い人を据えて、より良いタイムが出るようにするとは、流石0コンマ何秒の世界だな~と思いました。より速く!の世界ですね。

「走る」という事だけでこんな長篇が書けるものだと感心し、主人公と一体になって悔しがったり、喜びに涙したりの読書でした。
コメント (2)
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