Mizuno on Marketing

あるマーケティング研究者の思考と行動

ぼくもロボットを作る

2009-01-15 23:53:50 | Weblog
昨日朝,中央大学理工学部の構内で教授が刺殺された。犯人が誰かはまだ不明のままで,動機も背景も全くわからない。NYの大学には,入口に拳銃を持った複数の警備員が立っていたし,治安のよさそうなシンガポールでさえ,IDを見せないと大学に入れなかった。日本でも安全神話が地に堕ちてしまった結果,特に都市部の大学では早晩,厳しい入館チェックが行われるようになるかもしれない。

「Cマーケ」は後期最後の授業。ふだんより,多少出席者が多い。今回はクリエイティブクラスの話をした。職業に関係する話なので,就活中の3年生は少しは興味を持ってくれただろうか…。就職先の条件としてドレスコードを気にするかどうか聞いてみたが,誰も手を上げない。そんな贅沢はいってられないということか,元々そんなことに関心がないのか,いまや職場のドレスコードはどこでもさほど厳しくないということか…。

週末の余波は続いている。本屋をはしごして,いくつか気になる本を探す。まずは池上先生の講義で取り上げられた,ブライテンベルク『模型は心を持ちうるか―人工知能・認知科学・脳生理学の焦点』(哲学書房)を探すが見つからない。amazon でも品切れになっている。飲み会で話題になった(金子先生の研究に関連するはずの)様相論理学の文献を探すが,そもそも論理学の文献はきわめて少ない。

池上さんが「社会」について考えさせられるとして薦めていたカート・ヴォネガット。こちらはハヤカワ文庫に何冊も収められているので,むしろ,どれを読むべきかで悩むことになる。とりあえずタイトルがなんとなく記憶にあった『猫のゆりかご』を買う。

明日の「統計学」の教材を用意する。頼まれていた学部のパンフレットの原稿を書く。月末の「サービス工学ワークショップ」に向けて,アブストラクトを書く。そこで「構成論的」ということばを「初めて」使った。人間の心の働きを知るために人工知能を作り,生命の働きを知るために人工生命に挑戦するように,ぼくもまた理解したいもののために「ロボット」を作ることにしたい。そうは書かなかったが,そういう気持ちで書いたことは間違いない。